スタインベック 『朝めし』
三寒四温の頃
なぜか無性に読み返したくなるのが
スタインベック著・『朝めし』
5ページの名作掌編です。
冷気が身にしみる 谷間の夜明け。
灰色のテントのそばの
古錆びた鉄ストーブの裂け目から噴出す オレンジ色の炎。
赤ん坊に 乳を吸わせながら
しなやかな動きで 朝食の支度をする若い女。
ジュージュー音をたてて 縮み上がるベーコン。
オーブンから出されたばかりの 褐色の分厚いパン。
熱く苦いコーヒーに 砂糖を入れて始まる
ささやかな朝食を 共に味わう
黒い不精髭の男 白い不精髭の男 通り掛かりの男。
…それだけの話。
されど至福の 5ページです。
過酷な自然 夜明けの爽快感
赤ん坊という希望
揺るがぬ母性 労働の尊さ 男の誇り
『こいつはたまらねぇ!』
『こいつはうめえや!』・・と
豪快に 朝食を頰張る描写に
ダイエットなんて軟弱思考は 吹っ飛ぶはず
(余談ながら)愚息の好きな朝食は
魚焼きグリルで カリカリに焼いた厚めのベーコン2枚。
&サニーサイドアップのW目玉焼き。
&たっぷり蒸しキャベツ。
&カリカリに焼いたトースト2枚。
&ミルクティー(砂糖なし)
『スタインベック!』が 合言葉です。
5ページの幸福を
堪能していただきたいので
敢えて 本文写真は掲載しません。
図書館でも 立読みでも 機会がありましたら御一読を❗️
5分で読める ご馳走です。