何かと無自覚な女子
草野です。今回ご紹介しようと思います漫画作品はこちら、ずばりショタ系アラサー男と色気ムンムンおっとりJKによる、甘酸っぱい健全年の差ラブコメ、「何かと無自覚な女子」(1巻~連載中)です!
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本作は相舞みー氏原作、現在ComicWalkerにて連載中の作品です。
あらすじは以下の通り。
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それではメインの登場人物の紹介です。
①熊野 蜜(くまの みつ)
本作のメインヒロインである16歳の女子高生で、通称クマちゃん。主人公が営むカフェ店にてアルバイトとして働いています。
アンニュイな佇まいにモデル顔負けのスタイルと大人びた顔立ちが特徴で、そこから繰り出される無自覚たらし攻撃に作中では主人公含め多くの人物を惑わす何ともニクい女の子です。
②日暮 夕弥(ひぐらし ゆうや)
本作の主人公で26歳。クマちゃんがアルバイト店員を務めるカフェの店長として店を切り盛りしています。
クマちゃんとは打って変わり小柄な体格と幼い顔立ちが特徴で、作中では何かとそれに基づくコンプレックスも描写されていますが、クマちゃんからは慕われている様子です。
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次にこの章では、私が考える当作品の魅力とそれを支える根拠について解説しようと思います。
当作の着目すべき点としてまず第一に、他の多くのラブコメ漫画作品で果たせなかったとある難題を見事なバランス感覚で為し得ることにより、独自の魅力を構築していることであると断言致します。
ずばりそれは冒頭の紹介文にもあった「年の差」と「健全」、この2つの要素のハイクオリティな両立にあるのです。
ラブコメ界に数多ある「年の差」モノの中でも、本作ほどに「健全さ」を両立させたものはそう多くはないのではないでしょうか。
※異論は認めます。
フィクション作品の法則として、「ギャップが大きければ大きい程、ハマった時の受け手のインパクトもまたより大きくなる」ことは常識も同然に思いますが、同時にギャップを激しくすれば今度は逆にマッチング面が難しくなるというジレンマも創作活動には存在します。
その上で当作品は、単純な年齢差に留まらず主人公とヒロインの間にある様々な「ギャップ」と、それでいながら両者の相性の良さ即ち「マッチング」、この2つの要素の対比の上手さが特に際立った秀逸な作りが特徴的なのです。
まず「26歳カフェ店長と16歳女子高生アルバイト」という単純に身分や年齢での両者のギャップから、対して、並んだ二人の見てくれの第一印象なら姉弟にも見えてしまうという見た目と実態のギャップも挙げられるでしょう。
一方でキャラクター個人の魅力で掘り下げてみると、主人公夕弥が小柄で童顔という実年齢とかけ離れたその幼い見た目だけでなく、それに相応するようにヒロインクマちゃんの無自覚たらし攻撃に対してあっさりたじろぐウブさまで備える年齢不相応な愛嬌もまた備えています。
対して、現役女子高生でありながらモデル顔負けの美貌と年齢不相応な大人の女性の色気とアンニュイな雰囲気で、一回り年上の夕弥を無自覚にたらし込むクマちゃんとの対比があり、この面白さこそ本作の第一印象かもしれません。
しかしそれでいながら作中では、夕弥の何気ない言動に逆に動揺してみせる等、ヒロインであるクマちゃんを単純な「小悪魔キャラ」で片付けなかったり、片や主人公である夕弥を年上とは言っても「若干26歳で自身のカフェ店を開き、店長として店を切り盛りする」という経営者としての確かな手腕の持ち主という、ヒロインにとって頼もしい上司の面でも描いていたりすることも無視できません。
このようにキャラクター間の関係性でのギャップを用いてストーリー面で面白さを発揮させるだけでなく、キャラクター個人レベルでも細やかな人物設定でギャップが示され、時にそこから主人公とヒロインが不思議と上手く歯車を合致させていくその相性の良さにまた面白さを感じることができてしまうのです。
これは単純に言えば、読者に対して二人の関係性に対する微笑ましさに留まらない、キャラクター個人への親近感をより抱かせる効果を実現させているといえるでしょう。
しかしそれだけに留まらず、以上に挙げたこれら様々な要素の配合や調合の塩梅の良さが、結果として何かと凸凹していながらに長短を補い合ってみせる二人の絶妙なマッチング度合いを促しているのです。
これこそ前述の「年の差」と「健全」を両立させる絶妙なラインを見事に射抜いた、特異な魅力として本作が昇華し得た根拠だと分析できるのです。
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ここまでを通して、本作のラブコメ漫画作品としてのコンセプトを一人でも多くの方に共有できればと力説して参りましたが、それを踏まえこちらの章では本作が作中内で示唆した今後の展開の大いなる変貌(?)についても触れておこうと思います。
まず事の発端は、原作者である相舞みー氏が自身のTwitter公式アカウントにて、2022年10月22日に更新した同作のお話の展開が(私の中で)波紋を呼んだことからでした。
※リンクは以下から。
https://twitter.com/Imy_me281/status/1583761115552497665?t=dJ9fMYTc72bdETKmuKf8qQ&s=19
内容は夕弥とクマちゃんが夏祭りの花火を楽しむという、ラブコメとしてでは至って王道の回だったのですが、そこにて両者(特に主人公)が互いに今以上に踏み込んだ関係を望んでいることを示唆する、明確な心情変化が描写されたように感じられたのです。
それは即ち、前章で語ってきた本作の魅力たる「年の差」と「健全」の均衡すら揺らぐ事態にもなりかねないことを表すターニングポイント的な回でもあったということです。
これまでもクマちゃんの無自覚たらし攻撃にどぎまぎする様を晒していた夕弥でしたが、それは飽くまで「雇用主と従業員」として、或いは「一回り歳の離れた大人と子ども」としての関係性であり、その一線は越えないことが、主人公にもそして読者である我々にも前提として共有されていたことで、それらは微笑ましく眺めていられたものでした。
しかしこの回のお話で示された新たな展開により、「二人は今までのようにはいられなくなるのか?」と、ドキリとさせられる次第だったのです。
これは言ってしまえば本作で見事に描き出した「年の差」と「健全」の両立というせっかくの強みを、これまでの作品内で醸していた空気感ごと原作者自ら投げ出しかねない暴挙とも取れてしまうでしょう。
しかし一方で、それでいながらに主人公とヒロインの更なる関係の発展を望み、その上での続きが気になっている自分もいるという、何とも苦しい葛藤に読者側すら巻き込まれている現状にあるのです。
この回で描いた二人の心情変化が今後の話の展開にどう影響をもたらしていくのか、何にせよ目がより離せない作品にまで私の中で昇華してしまいました。
あいにく以降に更新されたお話は幸か不幸か、至ってこれまで通りの二人の微笑ましい日常回ばかりで、その辺りは所謂「引っ張られている」状態にあります。
更には原作者の相舞みー氏のTwitter公式アカウントにて2022年12月3日に更新されたお話(https://twitter.com/Imy_me281/status/1598982459571699713?t=dXTgDB7vNeHw1zcx8fNGrg&s=19)
を最後に、次の最新話の更新は有料の先行公開を除き残念ながらストップしております…。
現在は作者が並行で連載している別作品の更新の方がメインに据えられている様子であり、今後の二人の関係の進展はもう暫しのお預け状態となっているため、動向は気長に注視していく必要があるといえるでしょう。
しかしこれは裏を返せば、現在発売中の「何かと無自覚な女子」1巻を今の内に読了しておくだけで、この年の差健全ハイクオリティハイブリッドラブコメのストーリーを読み落としなく追いつけることを表しています。
是非とも最新話の更新までに、ショタ系アラサー男と色気ムンムンおっとりJKによる、この凸凹ながらに不思議と相性の良い二人のソフトな恋模様を共感し合える同志となりましょう。
以上で解説及び紹介を終了させていただきます。最後までお付き合いありがとうございます。
それではまた次回。
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ComicWalker公式掲載サイト「何かと無自覚な女子」
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_EB00203037010000_68/
ニコニコ漫画掲載サイト「何かと無自覚な女子」
コミックス第1巻
原作者相舞みー氏公式Twitterアカウント:
@Imy_me281