今夜映画を見ることを選んだことが、きっと未来でこどもたちを幸せにするだろう(たまに書く日記)
下川町に、映画が帰ってきた。
2023年2月を最後に、BBBC(ボギス、バンスとビーンズシネマ)はしばらく旅に出ていた。
看板が良すぎる。
BBBCのアベくんの作品が好きなので、またこうして見られて嬉しい。
アベくんは、私がガンの治療で名古屋にいたときに文通していてその際にも絵を手紙のはしっこに描いてくれていた。
あたたかいミルクティーを片手に、ひんやりとした屋外で『セロひきのゴーシュ』が上映された。
お話のスジも知らずにみたからか、まったく子どもになったような不思議な感覚だった。
今日、私はちいさなこどもで、父に連れられてこの映画にきたのだ、というような。
3年前に亡くなった父は、学生時代ティンパニを叩いていたらしい。
子ども向けの、「ちいさい秋見つけた」を演るような音楽会や少し大人向けの(おそらく学友の)音楽会に連れられたのを思い出した。
この曲はドラがジャーン!と鳴るからウトウトしていた人がみんな飛び起きるんだよ、というようなうんちくを言っていた。
(父は、知らないこと以外はなんでも知っている。)
この映画は大人1000円子ども500円でみられた。
夜の映画に、子どもは1人で行けない。
今夜この映画会に来ることを選んだ大人と、連れ立ってきた子どもと。どちらもこの夜が『そういえば小さいときにセロひきのゴーシュを星の下でみたよね』と思い出す。きっと幸せだと思う。
インド、ネパール、オーストラリア、そして下川町の写真の上映もあった。
アベくんは写真もいいんだ。
山があって、空があって、暮らしているいきものも人も確かにいて、そのどれもが湯気ののぼるカップごしにみているような切ないかんじがする。
(などと本人に言うと、きっとそんなつもりはないというだろうね!)