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24'オールカマー/サヴォーナ


★基本データ★


★考察★

●24’函館記念(4着:+0.7秒差)

馬場は標準(-6)の良馬場。
タイム=1.19.2(平均F=11.92)。
ペースバランス=「59.6-59.6」+0.0秒(M)。
「前2F=23.6秒(-0.1)」:ハイバランス。
「前3F=35.4秒(-0.1)」:ハイバランス。
「前5F=59.6秒(-0.1)」:ミドルバランス。
サヴォーナ(前3F-後3F)
「36.6-35.2(+0.3[S]/-0.2[H])」
追切評価は「B-」。
斤量:57.5kg。

【ゲート~ホームストレッチ(1F~2F)】
LAP「12.5-11.1」
ゲート:1枠①番
まずまずのスタート。
先行勢が外から押し寄せて来たことによりポジションは「中団・最内」と、いつもより後ろからの競馬。
隣のオニャンコポンが好スタートを決めて内に切れ込んで来た要因や、全体的な枠並びの要因もあるが、2000m戦で最序盤がハイバランスになると、前半のポジショニングで苦労するタイプなのかな、と感じるね。

【1角~2角(3F~4F)】
LAP「11.8-12.0」
1角あたりが11.8秒なので結構速いペースで入っている。1角2角が下り坂という形態なので、最初のコーナーでもペースが落ちづらいのだろう。
函館のコーナーはかなりキツい部類なので、これぐらいのペースで入ってしまうと「前目・外」のポジションは難しい競馬になっているだろうね。
そういう意味で言うと、サヴォーナはスピードが速い地点の1角を内目で立ち回れているので、横ポジは良かったと言えるだろうね。函館最終週なので内馬場の荒れ具合によって完全に内の立ち回りが良いとは言い切れない要素はあるんだけども、良馬場+見た目がそんなにひどく傷んでいるようには見えないので、結果としては内の立ち回りはプラスになったんじゃないかな。

【向正面(5F~6F)】
LAP「12.2-12.1」
向正面はややペースダウンしているが中弛みというほど緩んでおらず、タイプとしては「一定型」のラップ推移になっている(緩急型ではない)。ただしアウスヴァールが少し離し気味に進めているので、実質的にはもう少しスローバランスに寄っているだろう。
最序盤がハイバランスで進んでいるし道中の緩みも小さいミドルペース戦のため、基礎スピード力が求められた一戦と言って良い。お世辞にも高速馬場とは言えないので「パワー系基礎スピード型」といったレースタイプになっていると見るべきだろう。
サヴォーナは「中団後方・外目」あたりのポジショニング。完全に包まれている形なので揉まれる競馬になっている。

【3角~4角(7F~8F)】
LAP「11.8-11.8」
3角4角が12秒を切ったペースで入っているので、函館のコーナーのキツさを考えると内の立ち回りがかなり有利になっていると考えるべきだろう。ただしここでもアウスヴァールが離し気味に進めていて、なおかつ縦長気味なので補正は必要になる。
サヴォーナのラップ推移だと、おそらく「11.9-11.6」ぐらいだと思う。やはり「中団後方」からの競馬なのでコーナーを回る時のスピードは名目ラップよりも上がってしまう。
サヴォーナは外回しをしたわけだが、このラップ推移と函館のコーナーのキツさを考えると立ち回りとしてはかなり悪かったと思う。
1角~2角のポジショニングは悪くなかったけども、一転して3角4角のポジショニングは、縦ポジ・横ポジともに悪くなってしまっている。

【直線(9F~10F)】
LAP「11.9-12.0」
最速地点がL4、最速LAPが11.8秒、上がり最速値が35.0秒、ゆえに後半のレースタイプは明確に「有酸素運動戦」である。
サヴォーナはL1で急追するものの、ホウオウビスケッツは射程圏外、グランディアには0.1秒差、アウスヴァールにはハナ差届かずの4着という結果に終わった。サヴォーナの上り3Fは「11.6-11.8-11.8」ぐらいだと思う。
3角4角の立ち回りが悪かった中で良く伸びて来たなという印象だね。

レースタイプとしては
「良馬場:パワー系基礎スピード」
「コーナー型:有酸素運動戦」
といったところだろう。
印象としては、いつもよりも縦ポジが下がってしまったのは距離短縮の影響で、これは決して良い要素ではないと思う。結論、2000mはちょっと短いかなと。
立ち回りとしては良くなかった中で伸びて来たのは、素材能力が他馬よりも高かったと、ひとまずは見ておくべきだと思う。
追切評価「Bー」というのは、動きに物足りなさを感じたところ。状態面でも仕上がっていなかった可能性はある。
条件、立ち回り、状態面、いずれも良くなかったと感じる中での内容なので負けて強しと言って良いんじゃないかな。2000m戦は一線級相手だと難しいと思うがGⅢレベルなら自力でなんとかなる(崩れない)レベルではある(超スローペース戦で縦ポジが取れてトップスピード特化型の競馬になれば話は別)。


★展望★

前走の函館記念はサヴォーナの得意条件下ではなかったと思うので、馬券圏外になったことはそれほど悲観しなくて良い。むしろよく4着になったと褒めるべきかな。立ち回りが良くないので池添騎手は褒められないが。

まずはコース適性。中山2200m戦が合うかどうか。距離2200mに関しては圧勝だった信夫山特別は2600m戦、2着だった神戸新聞杯や、日経新春杯は2400m戦、ということを考えるとちょっと短い可能性はあるものの、前走より200mの距離延長というのは歓迎材料。
中山コースに関しては、新馬戦・京成杯、ともに負けているので、このあたりはちょっと心配になるね。内回り・外回り問題があるので一概には言えないが。ただし、神戸新聞杯や日経新春杯が阪神外回りや京都外回りのように、コーナーの緩いコースで好走していることを考えると、中山コースでも外回りなら…という見方も出来そうである。
コース適性を総評するとするならば「ちょっと不安」ぐらいになりそうかな。

ペースバランスに関しては、今回のメンバー構成ならおそらく「スローペース戦」になるだろうと。アウスヴァールとフェーングロッテンあたりがハナを主張していくと思う。前半2Fのペースはそれなりに上がる可能性もあるかなと見ているが、3F地点(1角)でペースは一気に落ち着くメンバー構成だろう。雨が降れば余計にペースは上がらないんじゃないかな。
サヴォーナ的には「超スローペース戦」になった方が良いと思う。極端なレベルでも良い。なぜなら神戸新聞杯やアザレア賞では「先行~好位」のポジションから「トップスピードの質・持続力」が求められるレースタイプで好走出来ているためである。今の中山コースは路盤が硬いので、「良馬場」+「超スローペース戦」になると「トップスピード戦」になる可能性がまぁまぁ高くなりそう。そうするとポジショニングとレースタイプがマッチして好走レンジに入ってくる可能性は高くなると言える。

ポジショニングに関しては、このメンバーなら「先行」or「好位」で運べるんじゃないかな。アウスヴァールとフェーングロッテンのハナ争いの流れに序盤から乗るべきではないと思うが、離れた3番手~5番手ぐらいの位置で競馬が出来れば良いと思う。

馬場に関してだが「タフな良馬場」は問題ないと思うが「水分の含んだ渋った馬場」だと評価は下げた方が良いかもしれない。稍重の阪神大賞典が全然ダメだったからねぇ…。ちょっと特殊なレースだったこともあるので、渋った馬場が原因とは決めつけづらいんだけれども…。
まぁそれでも「良馬場以外」だと評価は下げたいかな。

騎手に関してだが「横山武史」が初騎乗。
正直、鞍上強化とも鞍上弱化とも言えないので、ここは未知数。
基本的には前目のポジショニングをするべき馬なので、最近の横山武史だと変に下げる可能性もあるから怖いところではあるんだが…。

当日が「良馬場」であれば重たい印はつけたい。「高速以上の馬場」なら「仕掛けの遅い無酸素運動戦」で良さが出ると思うし、「タフな良馬場」で「スローロンスパ型の有酸素運動戦」も信夫山特別で強い勝ち方をしているからね。正直重い印といっても軸馬として扱うかどうかは正直なんとも言いづらい。現状では▲で考えている。
「稍重、重、不良」などの渋った馬場の場合は、3列目候補の△になる可能性が高いと思う。