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24'天皇賞・春/ドゥレッツァ


★基本データ★

★過去LAPデータ★

★レースタイプ分類★

★適性★

◆コース適性(芝限定)
京都3200m「0-0-0-0」
京都(外)「1-0-0-0」

京都(内)「0-0-0-0」
3200m「0-0-0-0」

右回り「2-0-1-0」

左回り「3-1-0-0」

◆馬場適性(芝限定)
◇良馬場
超高速「1-0-0-0」
 高速「2-0-0-0」
稍高速「2-1-0-0」
 標準「0-0-0-0」
 タフ「0-0-0-0」
超タフ「0-0-0-0」

◇水分の含んだ渋った馬場
稍(標準≦高速)「0-0-1-0」
稍(標準<タフ)「0-0-0-0」
重(標準≦高速)「0-0-0-0」
重(標準<タフ)「0-0-0-0」
不(標準<タフ)「0-0-0-0」

★考察★

●24'金鯱賞(2着:+0.8秒差)

前走の金鯱賞の振り返り。
馬場は稍高速の良馬場。
ペースバランスは-0.8秒の稍ハイペース戦。
「前2F=23.4秒(-0.1)」最序盤:ミドルバランス。
「前3F=35.0秒(-0.1)」 序盤:ミドルバランス。
「前5F=58.4秒(-0.1)」 前半:ミドルバランス。
ドゥレッツァ(前3F-後3F)
「36.0-35.0(+0.2[S]/-0.1[M])」

【ゲート~1角~2角(1F~4F)】
ドゥレッツァは③番枠からまずまずのスタート。
序盤は「-0.1」のミドルバランスで立ち上がっている。
最もペースが速くなりやすい2F地点が1角ということで、内の立ち回りがかなり重要なコース形態。
2角も緩みきらずに加速バイアスでの進行。内の立ち回りによる恩恵が非常に大きい展開となっている。
序盤はミドルバランスで流れているため、最内を立ち回れたドゥレッツァにとってはかなり良い立ち上がりとなった。

【向正面(5F~6F)】
ここでペースが落ち着き始めるが、前3頭と後続が離れる展開となっていく。名目ラップだと6F地点でかなり緩んだ形になっているが、④番手以降は5F地点から大きく緩んでいると見て良いだろう。
6F地点で前が不用意にペースを落としてくれたので、後続は無理なく向正面で押し上がる形に。ドゥレッツァにとっても良い展開。

【3角~4角(7F~8F)】
3角地点からジワジワと加速していくがペースは上がり切らないまま直線へ。
外から徐々に加速をしていきたい状況だが、ドゥレッツァは中で包まれてしまいスペースもないため、仕掛けを待たなければいけない状況。ギアチェンジからの直線勝負という形に。脚を出し切りづらい展開になってしまっているので、ここの立ち回りはあまり良くないね。

【直線(9F~10F)】
直線のラップは「11.2-11.5」となっており、L2最速戦なので仕掛けが遅く「ギアチェンジ性能」が求められている。トップスピードの質も高く求められており「無酸素運動戦(2F)」となっている。
最速地点の直線前半でも進路が空かずに外へ外へと誘導。当然ポジションは上がらないまま。ここのロスは結構致命的だったと思う。
ラスト1Fでしっかり伸び始め、ヨーホーレイクを捕えるが、プログノーシスには完敗の2着となった。

レースタイプは
●「ミドルペース戦」
●「緩急型」
●「一脚型」
●「無酸素運動戦(2F)」
といったところ。
稍ハイペースなミドルペース戦というところなので「高速タイプの基礎スピード力」はそれなりに求められている。
直線は「無酸素運動戦」なので「トップスピードの質」が要求されているし、「トップスピードの量(2F)」も求められている。
「L1」は全く落ちていないので、スタミナ枯渇による「底力」に関しても求められていない。

このレースタイプは天皇賞・春とはリンクしづらいため、参考レースにはならないとみている。

追切評価は「A」。前肢の掻き込みは良かったし、後肢の捌きも良かった。フォームも綺麗だったしね。
当日は、馬体重+4kg。休み明け感のない好馬体。


●23'菊花賞(1着:-0.6秒差)

2走前の菊花賞の振り返り。
馬場は高速の良馬場。
ペースバランスは+1.8秒のスローペース戦。
「前2F=24.4秒(-0.0)」最序盤:ミドルバランス。
「前3F=35.5秒(-0.4)」 序盤:ハイバランス。
「前5F=60.4秒(-0.1)」 前半:ハイバランス。
ドゥレッツァ(前3F-後3F)
「35.5-34.6(-0.4[H]/-0.7[H])」

【ゲート~3角~4角(1F~3F)】
ドゥレッツァは⑰番枠からまずまずのスタート。
最もペースが速くなりやすい2F地点が3角~4角地点にあたるので、外を回す馬にとってはかなりのマイナスポイントになる可能性が高い。ゆえに大外枠はかなりの割引材料になってくる。しかし鞍上ルメールはペースの遅い1F地点のうちにポジションを取り切ってしまうことで、このマイナスポイントを最小限に抑えてきた。これは思っていてもなかなか出来ることじゃない。結果として2F~3F地点が流れたわけだが、ここはフォルスストレートのような形なので、番手外で進んだとしても4角までにハナに立てればコーナーロスは大きく生まれない。おそらくこのコース形態を上手く利用できると踏んでこの作戦を取って来たのだろうと。
もし中途半端な中団外々での競馬をしていると3角地点でそれなりのスピードを要求される競馬になってしまっているはずなので、ポジションも取れずコーナーで脚も使ってしまうというロスの大きい競馬になってしまっていた可能性が高い。まさに神騎乗である。

【ホームストレッチ(4F~6F)
ここからしばらくはゆったりとした流れ。

【1角~2角(7F~8F)】
ゆったりとした流れ。

【向正面(9F~10F)】
向正面の序盤でパクスオトマニカにハナを譲り、中間地点でリビアングラスもポジションを上げていく形になるが、このペースには付き合わず離れた③番手で進める形に。後半は馬群が凝縮した形で3角へ。
名目ラップは10F地点からジワリと加速しているが、前が飛ばしているので実質ペースはゆったりとした流れ。

【3角~4角(11F~13F)】
3角地点で加速ラップにシフトしており馬群が凝縮しているので、実質のペースもここで上がっている。加速バイアス+加速ラップなので内の立ち回りは非常に重要。
4角では加速ラップにはなっていないが、大きな加速バイアスになっているので、この11F~13F地点の立ち回りが非常に重要なレースとなっている。
ここでドゥレッツァは最内を立ち回っているわけだが、これが前半にリスクを冒した結果もたらしたアドバンテージに繋がった。

【直線(14F~15F)
直線のラップは「11.4-11.8」となっており、「有酸素運動戦」となっている。※L2地点が無酸素運動と有酸素運動の間ぐらいのペースだが、ここでは有酸素運動戦として括ることとする。
ドゥレッツァは直線前半で盛り返しリビアングラスを捕まえ先頭に。
ラスト1Fは追いかけるタスティエーラを突き放し「-0.6秒差」の圧勝劇を繰り広げた。

レースタイプは
●「スローペース戦」
●「緩急型」
●「持続型」
●「有酸素運動戦」
といったところ。
「序盤」が明確なハイバランスで流れているが、5F~9Fの中弛みが顕著なレースなので、「序盤」に使った脚はそれなりにリカバーされている。また、ギアの上げ下げが出来る「器用さ」をみせているので、長距離戦ではかなり武器になりそうなところ。
直線は「有酸素運動戦」なので「トップスピードの質」はそれほど要求されていないが、「有酸素運動戦」というカテゴリーの中ではスピードがそれなりに要求されている。
「L1」は全く落ちていないので、スタミナ枯渇による「底力」に関しては求められていない。

このレースタイプは2016年や2017年の天皇賞・春と似ているので、こういうレースタイプになれば、好走する確率は高いと思う。※2017年は稍ハイペース戦だが、ヤマカツライデンが単騎大逃げで作ったラップなので、補正するとこのレースタイプになるはず。
ただし、このレースタイプだとテーオーロイヤルが超強敵になるので、競馬ファンとしては面白い戦いになるだろうなと。

追切評価は「S」。前肢の掻き込みは力強く加速度も良好。調教過程も抜群に良かった。
当日は、馬体重+12kg。かなりのプラス体重で出てきたが太め感はなく、成長が感じられる馬体。落ち着きもあり気配良好。

★展望★

◆適性と展開
京都外回りの長距離コースである菊花賞を圧勝している経験があるので、コース適性に関してはテーオーロイヤルより信頼度が高いのは良いポイント。

ドゥレッツァは「スローペース戦」「緩急型」「持続型」「有酸素運動戦」の菊花賞で良さが出ているタイプなので、その点のレースタイプに関しては天皇賞・春とはマッチしやすいと見て良いだろう。
ドゥレッツァが今回はどの脚質をしてくるのかがポイントになるが、明確な逃げ馬がいないので「逃げ・先行」になるんじゃないかな。もっと言えば菊花賞のように逃げるぐらいの気持ちでペースを支配してほしい。道中でギアの上げ下げが出来る「器用さ」を持ち合わせているタイプなので、序盤の内にペースを引き上げてアドバンテージを作ってほしい。これを戸崎騎手が出来るかどうか…。
「スローペース戦」「緩急型」「持続型」「有酸素運動戦」という想定レースタイプになれば、軸馬候補の一頭になってくるわけだが、前述しているようにテーオーロイヤルが超強敵になってくる。競馬ファンとしては面白い一戦になるだろう。ただしギャンブラーとしては全く面白くないのでこれ如何に。
スローペース戦で怖いのが2020年の天皇賞・春のような「一定型」「持続型」「有酸素運動戦」。「一定型」というのはタイトな流れになるレースのことで、大きな中弛みが発生しないため途中で息が入らない展開、要はガス欠を起こした馬から脱落していくレースタイプのことである。今回のメンバーを見る限りそういったペースを作りそうなタイプの馬がいないし、このレースタイプは想定から外して良いと思う。

あとは「基礎スピード」を求められてどの程度戦えるかどうかだが、距離は違えど2000m戦の「稍ハイペース戦」で崩れていないし、特にギアの上げ下げが出来るタイプなので、道中で息さえ入れば末脚は引き出せるタイプだと思う。テーオーロイヤルよりは「ハイペース戦想定」で狙いやすい。

馬場に関しては、渋った馬場は新馬戦以来走っていないので未知な部分となる。また、過去のレースは全て「稍高速以上の馬場」のため、「標準馬場」や「タフ馬場」の経験もない。ゆえに時計の掛かる馬場や渋った馬場は不安要素の一つになってくる。
出来れば「高速の良馬場」が良いと思うし、悪くても「稍高速の稍重馬場」ぐらいまでが望ましい。
「ドゥラメンテ産駒」は渋った馬場をこなせる馬が多いので、ドゥレッツァもそれに該当すれば良いんだけどね。
個人的には母系がスピード寄りの血統に見えるので長距離戦の中でも「スピード要素」が求められた方が良いとは思う。菊花賞の内容を踏まえるとなおさら。

◆馬券
軸馬を2頭選手すると過程した場合、「スローペース戦」「緩急型」「持続型」「有酸素運動戦」の軸馬がテーオーロイヤル、「ハイペース戦」「緩急型」「持続型」「有酸素運動戦」の軸馬はドゥレッツァとして組み立てるのも悪くはなさそう。
前者のレースタイプならダブル的中が見込めるし、後者のレースタイプでテーオーロイヤルが崩れれば配当妙味が上がるという算段。

タフ馬場や渋った馬場が出てきた場合は流動的に考えたい。