21'安田記念 各馬考察②インディチャンプ/牡6/58.0kg/福永祐一

★血統★
-----父-----
ステイゴールド
(日本型Tサンデー系)

-----母父-----
キングカメハメハ
(欧州型キングカメハメハ系)

-----父母父-----
ディクタス
(欧州型ファイントップ系)

-----母母父-----
Meadowlake
(米国型セントサイモン系)


※脚質の(数値)は、小さいほど前、大きいほど後ろの競馬。
※展開の(数値)は、小さいほど前残り、大きいほど前崩れ。

※LAPに表記している(数値)はバイアスを示す。
マイナスが大きいほど強いバイアスが掛かっていることを示す。
逆にプラスが大きいほど緩んだラップを示すことになる。

★レース分析★
①20'マイルCS【阪神(6日目)/芝1600(A)/良】
2着(+0.1)/相対指数(100)/絶対指数(123)
上がり3F(33.2/2位)/脚質:好位(29.4%)/展開:前残り(26.5%/中)
瞬発型/後半型/トップスピード戦
【LAP】1.32.0(+1.8/スローペース)
12.5-11.0-11.4-12.0-11.6-11.0-10.8-11.7
(+1.0/-0.5/-0.1/+0.5/+0.1/-0.5/-0.7/+0.2)
●前4F/後3F(+0.2/-0.3)


②19'安田記念【東京(2日目)/芝1600(C)/良】
1着(-0.0)/相対指数(97)/絶対指数(120)
上がり3F(32.9/5位)/脚質:好位(31.3%)/展開:前残り(25.0%/強)
一定型/後半型/準トップスピード戦
【LAP】1.30.9(+0.7/稍スローペース)
12.2-10.9-11.4-11.3-11.2-11.1-11.2-11.6
(+0.8/-0.5/+0.0/-0.1/-0.2/-0.3/-0.2/+0.2)
●前4F/後3F(+0.1/-0.1)


③20'安田記念【東京(2日目)/芝1600(C)/稍】
3着(+0.5)/相対指数(95)/絶対指数(118)
上がり3F(34.1/4位)/脚質:好位(50.0%)/展開:前崩れ(61.9%/弱)
一定型/総合型/準トップスピード戦
【LAP】1.31.6(-0.2/ミドルペース)
12.1-10.9-11.2-11.5-11.6-11.4-11.0-11.9
(+0.7/-0.5/-0.3/+0.1/+0.2/-0.0/-0.4/+0.5)
●前4F/後3F(-0.0/-0.0)


④21'高松宮記念【中京(6日目)/芝1200(B)/重】
3着(+0.1)/相対指数(90)/絶対指数(113)
上がり3F(34.5/4位)/脚質:好位(50.0%)/展開:前残り(45.4%/弱)
一定型/前半型/準ポテンシャル戦
【LAP】1.09.2(-1.0/稍ハイペース)
12.2-10.7-11.2-11.5-11.6-12.0
(+0.7/-0.8/-0.3/-0.0/+0.1/+0.5)
●前3F/後3F(-0.2/+0.2)


★21'安田記念について★

①の20'マイルCSは、瞬発型/後半型/トップスピード戦。
前4Fが46.9秒でややスローバランス。後3Fは11.0-10.8-11.7と無酸素運動のトップスピード戦。
マイル戦としては基礎スピードはそこまで強く問われていない。後半特化型とまではいかないが、トップスピードの質を高いレベルで要求された瞬発型のレース。
+1.8秒のスローペース戦で、前目で競馬をする馬にとっては比較的楽なレースだったと言えるだろう。展開も前残り(中)となっているので、先行ポジションに近い好位で競馬を出来たのはレースの流れに沿えており、インディチャンプとしては走りやすかったレースだろう。グランアレグリアに+0.1秒差のレースが出来ており、おそらくベストバウトはこのレースなんじゃないだろうか。

②の19'安田記念は、一定型/後半型/準トップスピード戦。
前4Fが45.8秒でややスローバランス。①のマイルCSよりも基礎スピードが高いレベルで問われている。後3Fは11.1-11.2-11.6とロングスプリントの準トップスピード戦。
+0.7秒の稍スローペース戦で、中弛みのないスプリント色強いレース。前目で競馬をする馬にとっては結構しんどいレースのはずだが、展開は前残り(強)となっており超高速馬場の恩恵があったのだろう。
このレースはアーモンドアイに先着して勝ち切ったレースだが、これはアーモンドアイのスタートが良くなかったことが致命的だったし、前が止まらないという高速馬場というファクターにも恵まれなかったもの。グランアレグリア自体、マイルではアーモンドアイを寄せ付けなかったレベルだし、レースレベルとしては①のマイルCSの方が高かったとみている。

ここで補足しておくが、20'マイラーズCは①のマイルCSにかなり似ているレースだし、19'マイルCSも後半型の準トップスピード戦で勝ち切っており、違いとしては瞬発力はさほど問われずに【一定型】のレースになったというところだろうか。
①と②の比較でいうと、前半の基礎スピードは高いレベルで問われずに後半型のレースになって強いタイプだろう。特に瞬発型の競馬で良さが出るタイプと見て間違いないんじゃないかな。ある程度、中弛みは欲しいところ。③で後述するが基礎スピードが強く問われたり、一定型のレースになると少し甘くなるタイプ。

③の安田記念は、一定型/総合型/準トップスピード戦。
前4Fが45.7秒でややハイバランス。後3Fは11.4-11.0-11.9とロングスプリントの準トップスピード戦。
ここではグランアレグリア、アーモンドアイに先着されてしまった3着。
やはり前半がかなり速いし、中弛みも小さく一定型のレース。基礎スピード面は高く問われながらも、息の入りづらい一定戦では良さが削がれるのかな。①②の後半型の競馬に比べて格段に甘くなっているからね。

④の高松宮記念は、一定型/前半型/準ポテンシャル戦。
前3Fが34.1秒でややハイバランス。絶対的基礎スピードという意味では1200m戦にしては遅いが、重馬場ということもあり流れた形になっている。いわゆる馬力型基礎スピード面が問われたと。後3Fは11.5-11.6-12.0と準ポテンシャル戦になっている。
展開としては前残り(弱)となった中で好位の競馬が出来たのはハマった感じはするね。
古馬混合GⅠではあるが、レベル的には少し懐疑的な部分はあるものの思った以上に頑張った感じはする。

父がステイゴールドとマイラー色は強くないが、母父がキングカメハメハ。このキングカメハメハは母系を引き継ぐ傾向にあるのでさらにその母母父を見るとアメリカ短距離馬のMeadowlake。米国型セントサイモン系にあたるのだが、さらに一代遡るとIn Realityと米国型マッチェム系を継いでいる。母系がスピード血統に恵まれており、これがこのインディチャンプのスピード力を引き出していると見るべきだろう。ステイゴールド産駒だからといって高速馬場に合わないと一蹴するのは危険なタイプ。まぁ実績を見れば高速馬場で好走しているのは一目瞭然だけどね。
高速馬場になって注意したいのは息の入りづらい一定型のレースでは甘くなってしまうということ。インディチャンプの本質は、前半は高いレベルで基礎スピードが問われずに瞬発型のレースにある。ギアチェンジ面が優れているということになるので、他の馬と比べてトップスピードに入る時間が短いのが強み。
対グランアレグリアに関してだが、おそらくこちらの方が縦のポジションは上になるだろう。グランアレグリアが内で包まれてまごついている間に一気に出し抜くような競馬になれば、大金星を掴み取るケースはなくはない。ただしこれは結構色々な展開がハマって起こることなので期待し過ぎるのは危険かな。

雨の影響次第だが仮に馬場が重くなって準ポテンシャル戦以上のレースになってしまった場合だが、インディチャンプの本質とはズレるかな。ただステイゴールド産駒ということもあるので、まるでダメということもないんじゃないかな。まず対グランアレグリアで考えれば血統的にはこちらの方が有利な感じはするので、グランアレグリアが思った以上にパフォーマンスを引き出せないならば…という感じはする。
重馬場だった高松宮記念では準ポテンシャル戦で思った以上に戦えたからね。とはいってもレベル的には結構懐疑的な部分もあるし、展開の恩恵もあったから大きな評価は危険だと思う。それでもグランアレグリア一強ムードの今回、雨が降ってのポテンシャル戦になれば明確にグランアレグリアの能力は削がれると考えるのが筋だろうし、そうなればレベルは団子になってきてもおかしくないので、馬券的妙味は増すんじゃないかな。

インディチャンプは先行力はないものの、今回のメンバーならテンは速いタイプになってくる。先行力の高いメンバーが多いので基礎スピード面が明確に問われてくる可能性はあるが、好位~中団での競馬は出来るだろうし前が潰れてくれれば展開の利はあるタイプ。息の入りづらい一定型のレースになる可能性がまぁまぁ高いかな。おそらくインディチャンプの本質で戦えないパターンの方が大きいんじゃないかと思っているので、対グランアレグリアでの先着は相当難しいと思う。不安を煽る書き方になってしまっているが、高いレベルで甘くなってしまう程度だとは思うので、馬券圏内という意味では相当狙いが立つと思う。
逆にペースが落ち着いてしまうような場合は大チャンスかな。特に雨の影響で超高速馬場にもならず、騎手の意識が下がるような展開になってしまえば、インディチャンプもテンが速いので、ある程度先行に近い好位のポジションまで押し上げられる可能性はある。

枠、馬場状況が出ないとなんとも言えないが、最低でも相手候補としては有力になってくるだろう。