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25'AJCC/レーベンスティール


★基本データ★

★考察★

●24'エプソム(1着:-0.3秒差)3走前

★レースラップ★

★当馬推定ラップ★

★ラップ比較★

★レースタイプ★

【総評】
追切評価「C」
脚質は「好位」
前半600mまでは「基礎スピード:後半特化型」の流れなのでペースは遅い。前半800mで見ると「スロー型」にシフトしているのは道中の緩みが無く淡々としたペースになっているため。「基礎スピード力:スロー型」に分類しているが「後半特化型」に近い数値ではあるので、前半で脚は溜まっている。
向正面後半から4角までスローバランスのためペースは上がっていない。ただ、スローバランスの地点でも数値的には11秒台の連続ラップなので中弛みが生じているわけではない。
仕掛けは「ストレート:L3型」となっている。ラップバイアスを見てわかるとおり、直線部分のウエイトが大きい。これは前半で脚が溜まっている中、4角までペースが上がらずに、直線ヨーイドンの形になっているためである。
トップスピード性能に関しては、ラスト3Fが「11.3-10.9-11.4」となっており、「TS質」、「TS持続力」いずれも高いレベルのものが求められているので「トップスピード特化戦」に近いと言って良い。特に「TS質」は10秒台のラップを刻んでいるのは注目ポイントになる。「後半特化型」のレースタイプになりきっていないし、馬場も超高速馬場に振り切っていない、道中の中弛みが大きいわけでもない、それを考えるとかなり優秀だなと思う。
L1は「底力型」。「後半特化型」に近い「スロー型」のレースタイプとはいえ、中弛みが生じずに「一貫ペース型」に近いので、脚は出し切りやすい形になっている。
L1を11.4でまとめているため、見た目的には「瞬発型」に感じるが、ラスト800mの平均で見ると落ちているのでね。

「基礎スピード力:スロー型」のレースタイプで「ミドルハイポジション」を取り、「一貫ペース」に近い「ストレート型」のレースタイプで脚を出し切った、というのがこのエプソムCである。


●24'オールカマー(1着:-0.1秒差)2走前

★レースラップ★

★当馬推定ラップ★

★ラップ比較★

★レースタイプ★

【総評】
追切評価「A+」
脚質は「先行」
スタートを決めて先行争いの立ち上がり。前半400mから前半1000mまで「基礎スピード力:スロー型」で流れているため、スローペース戦とはいえ「基礎スピード力」は最低限求められた形で走っている。
仕掛けは「コーナー:L4型」となっており「12.0-11.8-11.8」なので、コーナー部分で速いラップは求められていない。その後直線で「11.2-11.4」となり、後半1000mが58.2秒のため「ロングスプリント型」のレースタイプにはなっている。しかしコーナーで速いラップが求められていないので、「ロングスプリント特化型」というようなものではない。
トップスピード性能に関しては、直線部分のラスト2Fが「11.2-11.4」なので、完全な「トップスピード特化戦」とまではいかないが、「トップスピード性能」はそれなりに求められている。
L1は「瞬発型」。ラップ比較を見てもらうとわかるが、4角地点で前が仕掛けているのに対し、レーベンスティールは仕掛けをワンテンポ遅らせているのがわかる。映像を見ても持ったままなのがわかるだろう。L2地点で前との違いを作れているし「ギアチェンジ性能」が良いということもわかる。

「基礎スピード力:スロー型」のレースタイプで「ハイポジション」を取り、「ロングスプリント型」+「瞬発型」というキレ味を活かして勝ち切った、というのがこのオールカマーである。


●24'天皇賞・秋(8着:+0.5秒差)前走

★レースラップ★

★当馬推定ラップ★

★ラップ比較★

★レースタイプ★

【総評】
追切評価「A-」
脚質は「中団」
スタート直後に内のシルトホルンが外に膨らんできて接触、出遅れる形に。大外枠ということもあり、いつもより明確にポジションが下がってしまった。
前半400mから前半1000mまでは「基礎スピード力:後半特化型」というペースなので、ペースとしてはかなり遅い。序盤のペースが遅いので出遅れのリカバーをするためにルメールが外からポジションを上げようとするが、キングズパレスが掛かってしまったことで外に弾かれるという不利も受けてしまう。これによりレーベンスティールもスイッチが入りそうになってしまったため、ポジションアップを断念し「ローミドルポジション」で我慢する形に。この前半の一連の流れでレーベンスティールは終戦と言って良いだろう。向正面や3角4角で中弛みが生じなかったため、ポジションの押し上げも難しいレースだからね。
仕掛けは「ストレート:L3型」となっており、ラップバイアスを見てもわかる通り、直線のウエイトが大きいレースとなっている。
トップスピード性能に関しては、ラスト3Fが「11.2-10.9-11.3」となっており、「TS質」、「TS持続力」いずれも高いレベルのものが求められているので「トップスピード特化戦」に近いと言って良い。
L1は「瞬発型」。結果として脚は出し切れていない。名目ラップで脚を出し切れているのに、後ろで競馬をしている馬が脚を出し切れていない形なので、本来は騎乗ミスにあたるのだが、今回は例外かなと。まず前半部分で不利を受けすぎているし、その結果コーナーでペースを上げようとすると3角4角を外々で回すことになる。名目ラップの3角4角を見てわかる通り「11.9-11.8」と中弛みしているわけでもなく、なおかつ加速ラップ。ゆえにコーナーで強気に仕掛けづらいラップを刻まれてしまっている。
以上のことから、レースに合わせると仕掛けが甘くなるし、強気に仕掛けるとロスが大きくなりすぎる、というどちらかのリスクを取らなければいけない状態になってしまったと。

8着と大敗してしまったが、着差は+0.5秒差と最後はしっかり詰めて来た。ラップ比較を見てもらえばわかるだろう。
序盤で馬の走る気が削がれてもおかしくないぐらいの不利を受けている中で、「トップスピード性能」を落とさず走っているし、見方よっては負けて強しのレースとも言えるんじゃないかな。
流石にこの天皇賞・秋は度外視で良いと思う。競馬でたらればは建設的ではないと思うが、内枠+ハイポジションの条件で、不利を受けていなければ勝ち切っている可能性もあったんじゃないかな。


★展望★

まず「トップスピード性能」が非常に高い馬なので、出来れば「高速馬場」や「超高速馬場」の条件がほしいところではある。
ただしAJCCは「道悪」が登場しやすい時期であり、良馬場開催になったとしても「タフ馬場に近い標準馬場」が基本である。ゆえに「トップスピード性能」が削がれるような馬場になると、馬場適性の評価は少し下げるべきだろうなという感じはしている。ただし天気予報を見る限りは現状崩れる心配が無さそうなので、路盤の硬い今の中山コースなら「高速馬場」が登場してくる可能性も十分あるし、ここは期待したいところ。このあたりは土曜日のレースタイムで判断したい。

脚質的に、今回のメンバー構成なら「ハイミドルポジション」を取れる可能性は結構高いと思う。なので枠並びは結構大事になるだろうね。
ペースバランスだが、アウスヴァールが逃げるとすれば、「名目の基礎スピード力」は「ミドル型」までアップする可能性はある。ただしそうなるとある程度縦長の展開になると思うし、レーベンスティールの位置であれば「スロー型」でまとまる可能性の方が高いとみているので、ペースバランスに関して不安は小さい。特にダノンデサイルとの比較でみれば、レーベンスティールの方が圧倒的にリスクは小さいと思う。

「基礎スピード力:ミドル型」で流れるのであれば、仕掛けはそんなに早くならないと思うし、おそらく「コーナー:L3型」か「コーナー:L4型」になる可能性が高いと見ている。馬場が軽めで想定するとなれば、「L2最速戦」+「瞬発型」のレースタイプになっていくだろうと。
2走前のオールカマーが「基礎スピード力:スロー型」+「L2最速戦」+「瞬発型」というレースタイプで勝ち切っているため、今回のAJCCにフィットする可能性は結構高いと思っている。馬場の軽さに違いが生じると思うが、同舞台で類似レースタイプ想定になるのであれば、期待は大きく持って良いんじゃないかな。

現状は軸馬候補で考えている。
前走の天皇賞・秋の出遅れは、レーベンスティール自身によるものではなく、外的要因が強いので、今回も出遅れするかも…ということを考える必要はないだろう。
極端な外枠を引いたり、極端に追切が悪かったり、馬場が極端に悪くなったりしなければ、基本的にはレーベンスティールを軸馬の一頭として考えたいかな。