見出し画像

24'毎日王冠/ローシャムパーク


★基本データ★


★考察★

●24'宝塚記念(5着:+0.9秒差)

★レースデータ★

馬場は標準(+0)の重馬場。
勝ち時計=2.12.0(平均F=12.00)。
ペースバランス=「61.0-58.1」+2.9秒(S)。
「前2F=23.3秒(-0.4)」:ハイバランス。
「前3F=35.6秒(-0.1)」:ハイバランス。
「前5F=61.0秒(+0.2)」:スローバランス。

★当馬推定データ★

走破時計=2.12.9(平均F=12.08)。
ペースバランス=「62.1-58.7」+3.4秒(S)。
「前2F=24.7秒(+0.3)」:スローバランス。
「前3F=36.9秒(+0.2)」:スローバランス。
「前5F=62.1秒(+0.3)」:スローバランス。

追切評価は「S」。
斤量:58.0kg。

京都2200m(外)
【ゲート~ホームストレッチ(1F~2F)】
LAP「12.4-10.9」(-0.4)
当馬「13.2-11.5」(+0.3)
ゲート:7枠⑩番
まずまずのスタート。先行勢の流れには乗らず「中団・外」のポジショニング。レース自体の序盤はかなりのハイバランスで流れているが、ローシャムパークの位置だと見た目以上にスローバランスの流れ。

【1角~2角(3F~4F)】
LAP「12.3-12.7」(+0.5)
当馬「12.2-12.8」(+0.4)
コーナーで、特に2角あたりで一気にペースが落ち着いているため、先行争いをした各馬はギアの上げ下げ的な器用さが求められている。
ローシャムパーク自身はレースの流れと同じぐらいのスローバランス。

【向正面(5F~6F)】
LAP「12.7-12.9」(+0.8)
当馬「12.4-12.1」(+0.2)
向正面でもペースが上がらず緩いまま、かなりのスローバランスで流れている。
ローシャムパークは向正面後半で明確なペースアップを開始。映像でもわかるように前との差が一気に縮まっている。ただし3角に入るまでにポジションを上げきれていないので、戸崎騎手の仕掛けは遅かったことになる。2角~向正面前半が明確に緩いため、もう少し早い段階でギアを上げるべきだった。

【3角~4角(7F~9F)】
LAP「12.2-11.4-11.7」(-0.2)
当馬「12.0-11.4-12.0」(-0.3)
3角~4角で11.4秒と明確に速いラップを求められている。いくらコーナーの緩い京都外回りコースとはいえ、パワー(含水)系の馬場をこのスピードで外々回しだとロスが大きすぎる。
さらに4角を回るためにブレーキを踏むことになり、ギアの上げ下げ的な器用さも求められてしまっている。名目ラップよりも失速しているし、展開としては最悪に近い形と言って良いだろう。

【直線(10F~11F)】
LAP「11.3-11.5」(-0.6)
当馬「11.4-11.9」(-0.4)
仕掛けは「コーナー型」だが、コーナーの途中でブレーキを踏み、直線で再加速となっているように「ギアチェンジ性能」も求められてしまった。
コーナーで名目ラップより失速してしまった上に、直線は名目ラップより加速出来ていない。
垂れてきた先行勢に対してはジリジリと詰めていったが、上位陣には全く食らいつけず。+0.9秒差の5着となった。

求められたレースタイプとしては
「仕掛け:コーナー型」
「標準:有酸素運動戦」
「スローロングスパート型」
「ギアチェンジ性能」
「パワー(含水)性能」
といったところ。

仕掛けの遅さが終盤に致命的なロスを生んでしまったレースだったと見るべきだろう。もう少し早い段階で仕掛けを強めていれば、3角までにポジションを上げきれていたし、その結果スピードも分散するのでコーナーで必要以上にブレーキを踏む必要がなくなっただろうね。
スローからのロングスパート戦で勝負したのに、コーナーでブレーキを踏んでギアチェンジ要素を作ってしまっては、出し切れる力も出し切れない。
ローシャムパークの追切評価が「S」と、状態面は抜群に良かったと思うので勿体ないレースだったと思う。
あとは重馬場という「パワー(含水)性能」が強く求められてしまう馬場が、ローシャムパークにとってはあまり良くなかったかもしれない。重馬場のスピカSでも苦戦しているしね。ただし函館記念のタフ+稍重馬場で強い競馬をしているので「タフ馬場性能」は強く求められても良いんだと思う。渋りすぎる馬場が苦手というパターンもあるので、頭の片隅に入れておきたい。


●24'大阪杯(2着:+0.0秒差)

★レースデータ★

馬場は稍高速(-11)の良馬場。
勝ち時計=1.58.2(平均F=11.82)。
ペースバランス=「60.2-58.0」+2.2秒(S)。
「前2F=23.3秒(-0.2)」:ハイバランス。
「前3F=35.8秒(+0.1)」:スローバランス。
「前5F=60.2秒(+0.2)」:スローバランス。

★当馬推定データ★

走破時計=1.58.2(平均F=11.82)。
ペースバランス=「60.4-57.8」+2.6秒(S)。
「前2F=24.8秒(+0.6)」:スローバランス。
「前3F=37.2秒(+0.6)」:スローバランス。
「前5F=60.4秒(+0.3)」:スローバランス。

追切評価は「B+」。
斤量:58.0kg。

阪神2000m(内)
【ゲート~ホームストレッチ(1F~2F)】
LAP「12.4-10.9」(-0.2)
当馬「13.6-11.2」(+0.6)
ゲート:1枠②番
まずまずのスタート。先行勢の流れには乗れず「中団後方・内」のポジショニング。
最序盤の流れとしてはハイバランスだが、ローシャムパークの位置だとかなりのスローバランス。

【1角~2角(3F)】
LAP「12.5」(+0.7)
当馬「12.4」(+0.6)
1角2角地点で大きく緩み発生。
ローシャムパークは少し掛かり気味になるもコントロール。

【向正面(4F~5F)】
LAP「12.6-11.8」(+0.4)
当馬「11.9-11.3」(-0.2)
向正面前半でもペースが遅く、この機に乗じてローシャムパークは押し上げていき、3角までに「先行・外」のポジションを取る。この判断は最高に良かったと思う。宝塚記念の仕掛け遅れはなんだったんだ…。

【3角~4角(6F~8F)】
LAP「11.5-11.5-11.4」(-0.4)
当馬「11.4-11.5-11.4」(-0.4)
3角4角はかなり速いペースで流れているので、向正面でポジションを上げきったのは正解。宝塚記念と違ってスピードが分散しているので、4角もブレーキを掛けずにコーナーを回ってきている。

【直線(9F~10F)】
LAP「11.4-12.2」(-0.0)
当馬「11.4-12.1」(-0.1)
L2-L1でベラジオオペラにジリジリと詰め寄るも、クビ差届かずタイム差なしの2着となった。

求められたレースタイプとしては
「仕掛け:コーナー型」
「稍高速:有酸素運動戦」
「スローロングスパート型」
「L1底力」
といったところ。

向正面から強気の仕掛けで「ロングスパート型」の競馬になっているため「L1底力」が求められた一戦。
強気の仕掛け+外目の立ち回りなので最後は失速してしまったが、好走するために必要なリスクなので問題ない。強いレースっぷりだった。
L1での失速に対する恐怖で、リスクを取れずに仕掛けが遅れるパターンはよくあることだが、緩い地点でポジションを上げきるという重要性が、この大阪杯と宝塚記念での比較でよくわかる。
マイナス要因というのは「早めに仕掛けたことで失速する」ということではなく「早めに仕掛けざるを得ない前半のポジショニング力」なんだよね。ローシャムパークみたいな馬は、前半でポジションが取れない分、緩い地点で早めにリスクを取ることが肝要。リスクを先送りすると宝塚記念みたいに後手後手に回ってひどいことになりやすいからね。


★展望★

近走は2000m~2200m戦を軸に使っていたので、1800mという距離に短縮してどうか、というのがポイントになるだろう。
2000m~2200mで縦ポジを取れないタイプなので、課題になるのがまずここだろうね。
24'大阪杯や23'オールカマーの好走レースから、レースタイプを考えても「スローロングスパート型」がフィットすると思う。ゆえに序盤はゆったり運びたいところなので、出来ればスローペース戦でレース全体はゆったり流れてほしいところ。
ホウオウビスケッツが主導権を握るとなれば、鞍上が岩田康誠騎手ということを考えても「中弛み」が発生する可能性は十分にありそう。この中弛みでしっかりポジションを上げきれる展開になれば、ローシャムパークにとって噛み合うレースになる可能性はそれなりにあると思う。ただしこの中弛みで捲っていくという技術は、残念ながら戸崎騎手にはあまり期待できない。大阪杯で上手く乗ってきたのにはかなり驚いたレベル。次走の宝塚記念では案の定、仕掛けが遅れて致命的な競馬にしてしまっている。ゆえにローシャムパークと戸崎騎手はタイプ的にマッチしないので、軸馬として選出するのには常に勇気がいる。ローシャムパークみたいな馬にはルメール騎手がベストだと思う。
前半のポジショニング的な話をすれば、スローペース戦になったとて、中団以降の競馬になると思う。3角4角地点までにどこまでポジションを上げられるか、というタイプなので。

レースタイプに関してだが、開幕週の東京競馬場なので雨が降らなければおそらく「高速馬場」だろう。「超高速馬場」でも驚かない。
ホウオウビスケッツが逃げるなら、ハイペース戦にはならないと思うので、名目はスローペース戦~ミドルペース戦。それをローシャムパークの位置で…と考えると「仕掛け:コーナー型」「無酸素運動戦」という、いわゆる「ロングスプリント型」の競馬になってくると思う。このロングスプリント型の競馬がローシャムパークにフィットするかどうか未知数。このロングスプリント型の競馬は「開幕週」+「後方」+「外々の競馬」で好走出来るようなレースタイプではないので、簡単な競馬にはならないと思う。そういう意味では不安要素の方が強い。

馬場に関しては「パワー(含水)性能」は強く求められない方が良い。稍重までなら問題なし。重・不良は評価を数段落とすぐらいのイメージで良いだろう。

想定1番人気で馬券をどう組み立てるか。
個人的には軸馬からは外して考えたいかな。
やはり戸崎騎手とローシャムパークのタイプがマッチしないのは気になる。「開幕週」なので、仕掛け遅れてポジションを上げきれないと差し損ねる可能性は結構高いし、ロングスプリント型の競馬で弾けるとも限らないのでね。
中弛みが発生しそうな感じは十分あるので、噛み合う展開も勿論考えられる。仕掛け一つで好走にも凡走にもなるであろうタイプなので、軸馬にするにはちょっとリスキーだし、それなら妙味を優先しても良いだろうと思う節はある。対ローシャムパーク用のペースメイクで、道中が淡々と流れて捲りが効きづらい競馬になれば、それはそれで「開幕週」のトラックバイアスによって前をキャッチ出来ないパターンもあるからね。
今年もフルゲートにはならないし、多頭数にならないことで中団差しや追込が決まりやすいという側面を持つレースでもあるので、このあたりが馬券を組み立てる上でちょっと難しいところではあるね。