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母校でのオールラフマニノフ演奏会
正確に言えば母校ではないのですが。
配信もありましたが、ひさびさに思い出の大学に足を運びたくなりまして。
思い出深いホールでの演奏会に行ってきました。
でも、私が通っていた当時の面影はありませんでした。
ただ、立派なパイプオルガンは当時と同じでした。
こちらで、チェリストの伊藤悠貴さん、ピアニストの渡邊智道さん、ハーピストの中村愛さんによる、オールラフマニノフの演奏会が行われました。
伊藤さんと智道さんは、ロマン派、特にラフマニノフの音楽に造詣が深く、作曲家の雁部一浩さんと共にロマン主義精神の技術による復興、伝承を標榜する「ロマン派芸術音楽協会」を設立しています。
ですので、お2人によるラフマニノフの演奏をずっと心待ちにしていました。
前半はチェロとハープ、6つのロマンスとソナタはチェロとピアノの演奏でした。
ハープの音色が可憐な花のようで、チェロが蝶のようにハープの周りを甘く踊ります。
いいですね、ハープ。
そして、智道さんのピアノを完全に信頼しきって、遠慮のない清々しい音を奏でる伊藤さんのチェロ。
その伊藤さんの音を聖母のように優しく包み込みながらふんわり弾く智道さんのピアノ。
お2人のコンビネーションが素晴らしいです。
と言いますか、演奏前や間の、智道さんを愛情深く見る、伊藤さんのにこやかな表情や仕草が印象的で忘れられません。
なんだろう。
この空気感、ヤバい。
鳥肌。
お2人の演奏は素敵。
でもでも、智道さんのピアノをもっともっとたくさん聴きたい。