アップライトピアノからスタインウェイのような音を出す天才ピアニスト
昨日、こちらのコンサートに足を運びました。
公民館で、天才ピアニストの渡邊智道さんのピアノを聞くとは、
何ですと!?
と思いながら、行きました。
公民館は建て替えをしたようで、新しくキレイでしたが、会場は体育館のような場所。
しかも、カワイのアップライトピアノが置かれた会場。
どんな演奏会になるんだろうと、半分期待、半分いぶかしげという気持ちでした。
でも、地元の年配の方が多くいらしているようで、「どこでもコンサート」という気軽に音楽を楽しめる趣旨に合ってるのかなと思いました。
結論から言うと、演奏者のお2人ともリラックスしており、和やかで、とても良い雰囲気の演奏会でした。
40分という短い演奏会でしたが、中身の濃い、充実した内容だったと思います。
普段あまりお話にならない智道さんも、マイクを持ってエピソードトークをしてくれて嬉しかったです。
地元ということもあったのか、ヴァイオリニストの朝来桂一さんのトークが上手だったのか、智道さんはホントにリラックスしているようでした。
それにしても、あのカワイのアップライトピアノ。
普通の人が弾いたら、トイピアノのような軽くて少しズレたような音がすると思うのです。
わたしが弾いたら絶対大事故になります。
他のピアニストさんが弾いても、おそらく、スタインウェイのような音は出せないと思います。
それなのに、智道さんが弾くと魔法がかかります。
彼が普段大分でリサイタルする時に、わざわざ東京から運んで弾くニューヨークスタインウェイと同じ音が、あのアップライトピアノからするのです。
いや、むしろ、あのアップライトピアノの特性を生かしていて、まるで、ショパンが小さなサロンで、内輪だけのお披露目会を開いている時代のような雰囲気を感じました。
しかも、公民館によくあるスリッパでペダルを踏んでいて、よくそれで繊細なペダリングができるな~と感心してしまいました。
↑ この茶色いスリッパでペダルを踏んでたんです。
智道さんが、エピソードトークの中で、
と話していました。
たしかに、どんなピアノでも智道さんの音がします。
すごいなぁ。
弾きにくいピアノ、音が軽いピアノ、鍵盤が重いピアノ、いろいろありますが、ピアノの性能のせいではなく、自分の中に確固とした音がないのが問題だったんですね。
ピアノって気軽に始められる楽器だけど、ものすごく奥深い楽器だったんだなぁと改めて感じました。
そして、難しい楽器なんだとも。