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スリランカ #7 / 嘘でしょ


パレードが始まるまでは1時間ちょっと。

1度外に出てしまうと戻ってこれないため柵の隙間から外にある出店で飲み物とスナックを買う。

外国人がまだ珍しいらしく何度か一緒に写真を撮って欲しいと現地の人に頼まれ、写真を撮ったりドライバーの彼の家族の話を聞いたりしてるとやっぱり足の指が痛む。一番の目的だったシーギリヤロックが登れるか心配になってきた。

彼にそのことを話すとなんで言ってくれなかったんだと、急かして歩かせてごめんと言ってくれ、ちょっとここで待っててとどこかに消えていった。

しばらくすると白いクリームを指に乗せて帰ってくる。その得体の知れないクリーム、メディカルチームのテントでもらってきたと言う。

んー、何かはわからないけど結構痛むし、ここまで来たからには血を流してでもシーギリヤロックに登ろうと思っていた私は、頼れるものにはなんでも頼るべきだなと判断してそれを塗りたくった。

しばらくすると美しい飾りのついたドレスを着た象の上にお坊さんらしき人が乗って出てくる。そこからチーム別に違う衣装を着た男の人たちも出てきて、火を使ったり楽器を叩いたり、踊ったりしていよいよパレードが始まった。

国民の7割が仏教徒で信仰の厚いスリランカでこのお祭りに参加できるのは神聖な気持ちだった。人が自分の信じるものに真摯に向き合う姿はいつも感慨深いものがある。

パレードの音楽をBGMに芝生を走り回る子供達と遊びながら感じたのは、スリランカでは子供がとても人懐っこくてよく笑うということ。

両親はもちろん、お兄ちゃんやお姉ちゃんが下の子をとても可愛がっていて、たくさんの愛情を受けてすくすく育ってるんだろうなと思った。

しばらくパレードを見ているとコロンボの駅で食べた朝ごはん以来1枚のクッキーを食べたきりの私はさすがにお腹が減り、ドライバーに何か食べたいというとピザを食べに行こうという。

スリランカに来て初めてのまともな食事がピザっていうのもなんだけど、バタバタし続けたから馴染みのあるものを食べて落ち着くのもいいかなと思った。

仏歯寺の敷地内から出ると先ほどパレードに参加していた少年たちや像などがくつろいでいるのを見て、なんだか余すところなくこのペラヘラ祭りを楽しめた気がして嬉しかった。

ピザ屋に向かう途中に小さなカートみたいなものを移動式の屋台のように押してるお兄さんから(自分で買うにはちょっと勇気のいるストリート感)ドライバーが何か買ってくれる。

それは塩で味付けしたひよこ豆と刻んだココナッツ、薄暗くて他に何が入ってるか分からなかったけどこれ本当に美味しかった!

行く前からスリランカはご飯が美味しいから楽しむといいよと友達に言われていたのと、このスナックの美味しさにピザなんか食べてる場合じゃないとハッとし、ローカルフードが食べたいとリクエスト。

それでも気を使われてかちょっと小綺麗なホテルに連れて行ってくれ、エビのカレーを頼んだ。

ここでずっと紳士にアテンドしてくれる優しい彼に負け、シーギリヤまで送って欲しいとお願いした。90キロはなかなかだけどまあこれも何かの縁だし、楽しいはず。

満腹になって一気に眠気が襲いもうそろそろ帰りたいと伝えると、まだダメだという。

なんで?と聞くとお祭りが終わるまでこの一画から出れないと。「パレードが始まったら中に入ることも外に出ることもできないんだ。」

え、嘘でしょ。


続く

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