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スリランカ #3 / 北へ


日本から列車のチケットが取れなかったためここで当日券を買う必要がある。

なんだかわかりやすい表示もないし、我先にといった雰囲気が流れてるところで、さてどうしたものかと遠巻きにそのプチカオスを眺めていた。

列車は1等車、2等車、3等車と分かれていて窓口もそれぞれ分かれているが、指定席に座れる1&2等車の列には30人以上が並んでいた。

もう並んでいる人にお金を渡してついでに買ってもらう人や、思いっきり横入りしてくる人もいて、そうこうしているうちに乗るつもりでいた8時半の列車は出発してしまった。

考えが甘かった。

結局3等車しか空いておらず、しょうがないからそれでいいと言ったのがこの旅最大の間違いだった。

やっとの思いで買った小さなチケットを駅員に入り口で見せ、どのホームに行けばいいか聞くと目の前のホームを指差す。

列車には全車両が指定席のものや1車両だけ1等車(指定席)のもの、エアコンの有無、窓がない展望車と、とにかく種類が多くて正しく自分が乗りたいものに乗るにはやはり事前にチケットを予約しておくのが確実。

ホームは人でごった返しており、また違う人にキャンディ行きのホームを確認するとさっきとは違うホームを指差された。

同じくバックパッカーの白人女性グループに「もしかしてキャンディ行く?」と聞いたらそうだと答え、ホームどこかわかる?と聞いたらここみだいだけど確かじゃないとのこと。

今度は現地の家族連れに聞いてみると私たちもキャンディに行くから同じよといい、私が持っているチケットで次に乗れる列車が9時50分だと教えてくれた。

察するにホームは都度変わるらしく放送でアナウンスされる。
もちろん英語でもしてくれるけど自分がどの列車に乗るのかしっかりわかってない私はこれで理解するのは難しく、人の流れを見てついていくのが唯一の方法だった。

とりあえず出発まで1時間以上あるから朝ごはんを買うことにした。

ローカル感満の食堂っぽいところでは英語の表記は見当たらず、食べ物のことはある程度覚悟してたから自分が口にしないお肉とアレルギーの卵が入ってなかったら何でも食べると決めていた。

ガラスケースに入ったロティ(薄いナンみたいな物)に何かしらが包まれた三角形の食べ物に上の2つが時入ってないことを確認し購入。

中身はカレー味のじゃがいもと野菜が入っていて美味しかった。それをもぐもぐ食べながら駅構内の人間観察をしつつぼーっとし列車が来るまで時間を潰す。

男女ともにカラフルな洋服を着ている人が多く、鮮やかなサリーにゴールドのアクセを合わせた女性たちはひときわ目を引いいた。男性は細身のパンツにシャツやTシャツを合わせている人がほとんどだ。

列車の時間が近づくにつれて人の波を追いかけて左右のホームを行ったり来たりしたが、思っていたより列車の本数が多いのと、ギリギリにならないと列車が来ないことをやっと理解する。

朝ごはんを食べていた時に話しかけられた白人女性2組みが英語を話す親切な現地の人に案内してもらっているのを見つけて私も着いていってもいい?と便乗させてもらった。

やっとホームが確定したらしくそこにどんどん人が集まっていく。あるスリランカ語でのアナウンスをきっかけにみんながどっと進行方向に動いた。

この時はあんなことになるなんて思ってもなかった。

続く


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