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スリランカ #13 / また会う日まで


行きの列車連結部分に4時間座るという経験から学んだ私は、座席指定ができる1、2等車のチケットが取れなかった列車を諦めて帰りは車をチャーターすることにした。ムードがなくそっけない移動手段にはなるけど背に腹は変えられない。

車のチャーターといってもかなりリーズナブルで、移動手段をオーガナイズするのにちょっと手こずるスリランカでは滞在時間の短い観光客の強い味方らしい。

シーギリヤから空港のあるコロンボまでは車で約5時間、この旅3回目になる長旅に備えてスリランカ名物のアーユルヴェーダのマッサージを受けに行った。

タイで受けた時にも説明されたがそもそもベーシックなアーユルヴェーダの施術は日本で受けるマッサージのようにしっかりとしたものではなくもっとソフトでシンプルで、それを理解してないと少し物足りない感じがするかもしれない。

紙パンツの用意もないストイックなサロンで全裸で受ける施術に若干のソワソワしている私をよそにお姉さんは黙々と仕事をこなす。ドアがないため緑のカーテンが外からの風で揺れ、強い光が入ったり消えたりする部屋で扇風機の音が響いていた。

マッサージから出ると外にはトゥクトゥクの代わりにシルバーのセダンが止まっていて、車のドライバーが運転席、トゥクトゥクドライバーが助手席(そう、なぜか空港まで付いてきてくれた)私が後部座席に座り出発した。

快適ではあるけど想像していた通り外からの要素は限られてしまう車の中で音楽を聴きながら速いペースで過ぎていく景色をなんとなく見てほとんどの時間を過ごした。

東京で車移動している時とあまり変わらないような状況に少し物足りなさを感じたのは束の間で、一車線である道路で遅い車やトゥクトゥクを次から次へと追い抜いていくためかなりの頻度で車体が左右に振れ、反対車線からやってくる車をよけるための急ブレーキのインパクトに速攻で車酔いになった。

車で移動してしまえばコロンボまで一番短い時間で行ける。ぼーっとしてたら意外にあっという間で驚いた。

トゥクトゥクドライバーはチケットのない人が入れるところギリギリまで付いてきてくれ、最後の最後までWhatsAppをダウンロードして写真を送ってくれと言って去っていった。(ちなみに1日5回はダウンロードしたかと聞かれてたw)

ギリギリでスリランカ行きを決め、綿密なプランもなかったのにここまでスリランカの旅を楽しむことができたのは彼のおかげだ。いつも一人旅ではいろんな出会いや縁に恵まれている気がする。

特にここスリランカではとてもオープンな現地の人たちと触れ合ってそれを強く感じた。みんな穏やかで幸せそうで、柔らかい空気をまとってる。

人の優しさや、笑顔、普段なら見逃してしまう小さな出来事も慈むことができるのは、日常に飲まれずにその瞬間に集中できてるからなんだと思う。

そして”足りない”とか“無い物ねだり”とかっていう感覚を持ってしまうのは、それこそ日頃の感謝の気持ちが足りてないからなのかもなんて思って自分を省みた。

今回のスリランカ結構ハードだったけど本当いい旅だった。

まだまだ見れてないところばかり。

ここにはまたすぐに戻ってくることになりそうだ。


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