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鳳月杏、ザ・タカラヅカ そして『万華鏡百景色』
鳳月杏の月組トップスターお披露目公演に行ってきた。
彼女を目にするたびに、私の脳裏に浮かぶ言葉は「ザ・タカラヅカ」。
私が思い浮かべる宝塚トップスターの、ドンピシャ、ど真ん中のイメージを具現化しているのが鳳月杏。
『今夜、ロマンス劇場で』での、彼女の当たり役「俊藤龍之介」以来、ずっと注目していたのだが、いつの間にか、私の心の中で、彼女は「ザ・タカラヅカ」になっていたのですね。
「ゴールデン・リバティ」「PHOENIX RISING」の感想は、書けない。
びっくりするほどの良席が当たってしまって、ずっとハクハクしっぱなしの、夢見心地で終わってしまったから。
そこで、家に帰って、スカステで放送が始まった「万華鏡百景色」をヘビーローテ。
劇場で大感動したショー。
何よりも衣装が、独創的で美しい。
幕開けで、鳳月杏を中心とした付喪神が登場するのだが、この付喪神の衣装で、一気に気持ちを持っていかれた。特に、あの烏帽子(でいいのかな?)の前面の湾曲を見ていると不思議な気持ちになる。
鳳月杏の付喪神が、月城かなと・海乃美月二人の運命を時代を超えて見守る(あやつる?)という役回りなのだが、地獄変の場面、目抜き通りの場面など、通してみると、トップの月城さんより、鳳月さんのほうがおいしい構成だな。
それはさておき、目抜き通りの場面の、鳳月の歌と踊り(放送を見るまで、月城さんの登場まで、鳳月さんがあんなに躍っていることに気づいてなかった)、椎名林檎の曲もあいまって、何回見ても心が華やぐ。そして、娘役の赤と黒の衣装、ボブカットと頭の扇子状の飾り(何て呼ぶのか分からない)、なんて魅力的なのだろう。舞台全体の絵面が、全部完璧。
海野美月の衣装は特に良い。全部良い。とりわけ最後のデュエットダンス、そしてパレードの衣装。
(衣装とは別だが、海野さんは、ロケットを紹介する前に一人銀橋で歌うのだが、その歌いだしが最高にカッコいい。再生するたびに「ああ、かっこいい」とつぶやいてます。)
作・演出は、栗田 優香。全編素晴らしいが、満員の通勤電車を四角い照明で表現していた。ああいう場面に、私は感激する。今まで見たことのなかったものを、これからも見せてください。
衣装、加藤真美。この人は、宝だな。「万華鏡百景色」の衣装を「宝塚歌劇の殿堂」で全部展示してほしい。既にしてたのなら、もう一度やって!スカステで告知して!
観劇した時には、あまりに感激したものだから、時間をおいて冷静になったら文章にまとめようと思ったのだが、1年以上たっても、やっぱり興奮して、全然まとまらないめちゃくちゃな文になりました。この辺でやめにします。
とにかく、こういう美しい世界を見たかったのだと、つくづく思う。
この公演を、生の舞台で見ることのできた人は、幸いでした。「初演の万華鏡みたで!」と後々まで威張れます。