【水戸サポ分析】水戸ホーリーホックの成長型選手獲得戦略

どうも水戸サポかなおです。

ただの水戸ホーリーホックサポーターが分析する…

「親会社なし、チーム人件費少ないJ2チーム水戸ホーリーホックの選手獲得戦略」のよもや話。


誰が呼び始めたか知らぬが、水戸ホーリーホックというチームは"育成の水戸"と呼ばれている。
ブランディングを傷つけるつもりはないが、その理解は若干間違っていて、育成が上手いのではなくて、"長期的成長戦略に基づいた強化部運営ができているチーム"と理解したほうが咀嚼しやすいと思う。

3つの切り口から"長期的成長戦略に基づいた強化部運営ができている水戸ホーリーホック"を分析していきたい。

①水戸ホーリーホック選手獲得戦略成長の軌跡

【phase 1】
・大卒、高卒(注目銘柄は取れず)
・上のカテゴリーからのレンタル(上カテ出場機会なし)
・トライアウトからの選手獲得
・30歳を超えたベテラン獲得
※苦しい。ただただ苦しい。
※レンタル選手を丁寧に育て、レンタル選手の保有元が次また選手を出したい(育てて欲しい)と思わせる実績を積むことが大事。
※トップチームの練習環境整備も重要。

【phase2】
・大卒、高卒(注目銘柄は取れず)
・上のカテゴリーからのレンタル(上カテ出場機会なし、有望株)
・トライアウトからの獲得
・30歳近くのベテラン獲得
※レンタル実績を積めるようになってきた。毎年このチームとはパイプがあると思える選手レンタルができる。
※トップチーム環境整備大詰め。

【phase3】
・大卒、高卒(注目銘柄が少しずつ)
・上のカテゴリーからのレンタル(有望株)
・20代フリーの選手が取れ始める
※大卒、高卒、レンタルの質が向上。(レンタルからの育成実績、練習環境の向上が要因)
選手例)浅野、ジェラ、槙人、ボニ、前、村上、茂木

【phase4】
・大卒高卒(注目銘柄柄少しずつ)
・上のカテゴリーからのレンタル(有望株)
・20代後半のフリーの選手が取れる
・20代前半の有望な選手の完全獲得ができる。
・海外へのパイプが出来るようになる。
※全ての獲得選手の質が上がり、選手を売るパイプが整いはじめる。移籍金が大きくなる。
選手例)平野、平塚、松崎、タビナス、木下、白井、ヨシタケ、新井、石井、山田、中山、山口一

【phase5】※2023〜今
・大卒、高卒(注目銘柄とれる)
・レンタル依存度が下がる
・フリーの有望選手が取れる
・20代前半の有望な選手の獲得ができる。
・海外クラブとの提携が進む
・戦力を残すことが徐々にできるようになる。

②ブレないクラブ経営と獲得戦略

①で記載した5つのフェーズ。言わずもがな1番苦しいのはphase 1と2。耐えなくてはならない。乏しい戦力でのチーム運営は運営者のメンタルにくる。
負けが続いたサポーターの反応と心境、求めるものの心の声こそまさにクラブ運営してる運営側の逃げの心境につながるのではないか。

【負けが続いたサポーターの心境】
・戦力が不足してる!!
・ビックネームが欲しい!!
・ブラジル人呼ぼう!!
・実績のある選手が欲しい!!
・監督変えよう!!

みなさんここで立ち止まって欲しい。
確かに一発逆転の一手かもしれない。
そしてその声に応えようとするクラブ運営の皆様、その戦略にかかるコストって費用対効果合いますか?なけなしの強化費を使ってやる戦略じゃない。強化費に余裕があってブラジル人ガチャ3連くらい余裕で回せるクラブがやること。無理してやっても次のシーズンにはいなくなる。高齢で衰えてくるかもしれない。怪我も増えるかもしれない。そして移籍金残らず居なくなってしまう。
何も残らない。※時として監督は変える必要あり。

何も残らないならば上カテゴリーのチームと関係を構築しよう。そして横にも関係構築の輪を広げよう。大学と関係を構築しよう。耐えながら。耐えながら。
選手は残らない。
けどまた次の力をレンタルできることもチームの力だ。

そしてphase 3大きな転換期。
練習環境の整備が整う。これがすごく大事。
集まる選手のクオリティが一気に上がる。レンタルも大卒も、フリー獲得も。
それでもチームの大半、特に主力はレンタルに頼る。

2018年にアツマーレが出来てから水戸に来た選手を少しあげてみる。(phase 3、4混ざってます)
FW 前田大前、小川航基、藤尾翔太(レ)
MF 浅野雄、松崎、平野、平塚(大卒)伊藤涼太郎、前博之、黒川(レ)
DF ンドカボニ、住吉ジェラ(大卒)志知、伊藤槙人(完全)
GK 村上、牲川、山口
すみません書ききれません。毎年居なくなって、居なくなった分入ってくるんだもの。

ただ確実に質が高い選手が入ってきてる。もともといい人材獲得をしていたチームだけど格段にレベルが上がった。簡単じゃない。積み上げたから、耐えたからできること。すごい。
そしてphase 3と4の1番の違いは選手が出て行くことに移籍金が残るようになったこと。

伊藤槙人が横浜FMに夏移籍。水戸史上最高額の移籍金が!浅野雄也選手が大卒半年で広島に!!住吉ジェラニレーションが広島に水戸史上過去最高額の移籍金で!!

こんなニュースがあった。

レンタルで作り上げた育成のブランドで収入が得られるようになった!!よしお金が出来たぞー!!で水戸ホーリーホックはブレない。ブラジル人ガチャは回さない、ビックネームは取らない。

奇行とも思える大学生採用連打、J3からの若手採用が始まった。毎年大卒7人とか10人とってくる。聞いたことないj3の選手とってくる。

「そんなお金があれば実績ある○○選手空いてるじゃん!!」

そんな風に考えるサポーターもいたかもしれないが、槙人の移籍金で皆んなが望む選手1人しか取れないんだ。
そしてなけなしのその望まれた選手が移籍するときには何も残らないかもしれない。

ならば同じ金額で5人有望な選手とって、育てて売り出そう。

このサイクルを回したから今がある。

考えてみよう。
松田佳大がいたから新井晴樹が取れたと。
そして新井晴樹がいたから来年来てくれる選手がいる。
このサイクルを回して行くことが戦力増幅に、収益拡大に、強化費アップにつながるんだ。

そしてphase 5。ユースも成長してこそ初めて"育成の水戸"。

誘惑に負けず芯を持った選手獲得をするチームだから
"長期的成長戦略に基づいた強化部運営ができている水戸ホーリーホック"これこそが今の水戸ホーリーホックの正しい呼称なのだ!!

③向き合わなければいけないハードル

文書化すると理解簡単に見えるかもしれないが、向き合わなければならない隠されたハードルが2つある。

A "カテゴリーを落とさないこと"
B "育成の結果を出し続けること"

まずA "カテゴリーを落とさないこと"について。
J2チーム、J3チームが借りて来れるレンタル選手は違う。所属元は少しでも上のリーグで経験させたい。
フリーになった選手も上のカテゴリーにしがみつきたい。

水戸ホーリーホックは先人のおかげでJ2から落ちたことがない。これはある種とんでもない、偉業である。
奇跡とも言えるだろう。
維持できなければphaseは逆行し、誘惑に負けて飛び道具に頼ってしまう。一歩間違えれば2024シーズンもこの危険性があった。

次にB"育成の結果を出し続けること"。
これもすごく大事。phase 4くらいになってきて出てきた課題だと思う。

1年間乗ったら、売って次の車を買う資金にしようとしていた車が売り切れなかったら?安くしか売れなかったら?次の車買えない。2年磨けばそのレクサス売れるかもしれないけど、フェラーリ買うのは1年遅くなる。

2年目持っていたら妻(サポーター)にどうにかしてと言われ始める。3年同じ車が売れなかったら…

歩みが止まってしまう。

だから今年売りたくて売れなかった選手がいたことは反省しないといけない。(きっと若手のボランチとトップ)来年も育てよう。そして送り出そう。

まとめ


サポーターが偉そうに書いた文章ここまで読んだあなたにイェイイェーイの一言を送ろう!!
最後にphase5の先はどうなるのかをまとめで書いてみる。

それはひたすらやり続ける。
一発逆転はない。

1年後かもしれないし、10年後かもしれない。
プレーオフにまで手がかかるときが来るから。

そのとき初めて機運が高まる。
俺たちの街の、県の機運が一気に高まる。
それまで中心部は熱くいよう。
このチームを支えよう。

そしてもし大きくブレたら、声を大にして文句を言おう!!
カテゴリー落としそうになったらチームに声をあげよう。ユース育成に怠けたら声をあげよう。毎年前進が見えなかったら声をあげよう。

そして最終形態。

よく市民クラブの代表としてアルビレックス新潟が挙げられる。水戸の目指すべきはアルビだと。

けど個人的にアルビは違う。ハードルが高い。
何故なら鹿島アントラーズがあるから。
茨城県には鹿島がいる。どうしても分散してしまう。

では水戸はどこを目指すかというと、
東京ヴェルディとサガン鳥栖を目指すべきと考える。

言わずもがな若手育成、少額強化費でのチーム運営に長けたチーム。ユースも強い。彼らのブランド力は揺るがない。

まずはそこを目指そう。
アルビになるにはスタジアムが必要。
でもうちには親会社いないし、売上の数倍近くの総工費借金してスタジアム作るなんて夢のまた夢。

その先に実力もら兼ね備えた川崎フロンターレみたいなクラブがある。

チームを信じて。

いっときでも構わない。

水戸に来てくれた選手を愛して。

イェイイェーイ💙


いいなと思ったら応援しよう!