誰かが筆で描いたとしか思えない秋空
空の雰囲気がなんとなく変わったと思っていたその日は、ちょうど立秋の日で、感覚というものはとんでもなく正確なのかもしれないと驚きました。
まだ8月だというのに入道雲はどこかに行ってしまって、サーっと風がつくり出す芸術的な雲が空の端っこに現れ始めました。このときから、空だけでなく流れている空気まで変わったような感じがしました。秋の空は、夏や冬の空よりももっと身近なものに感じられてなりません。もくもくとどこまでも高く大きく膨らむ入道雲や、雪を降らせながら空を覆う灰色の雲と違って、