僕の「電カル」奮闘記 その11

納得できる回答を求めて

無視され続けた僕の質問に対して、富士通から誠意ある回答を引き出したい。

そんな思いを込めて弁護士に作成してもらった通知書(2018年2月9日付)でしたが、富士通の回答書(2019年3月27日付)は僕の疑問を解決するものではありませんでした。

虚偽広告を出したことへの反省も、僕の質問を1年8カ月も放置したことへの謝罪もありません。「一体型になるまで保守料は支払わない」と約束をした覚えがないとまで言い切っています。保身に満ちた回答には到底納得できませんでした。

そこで、僕は弁護士と相談して、再び通知書(2018年6月6日付)を送付して、富士通の回答書による矛盾点や事実と異なる点を指摘しながら、次の(ア)~(ケ)の9点について説明や謝罪を要求することにしました。

●一体型の開発予定について
富士通は、回答書で一体型・連動型のそれぞれのメリット、デメリットを明確にして、後継機のLifeMark-SXでは連動型を採用したと説明しています。それは当然、開発段階で分かっていたはずなのに、僕には後継機種が一体型になると説明していたのは腑に落ちません。そこで、今後の開発予定にからめて、次の2点を質問しました。
(ア) 開発上の困難を十分に把握しながら「一体型になる」との説明を行ったことについて、納得できる説明を求めます。
(イ) また、「現状」一体型とするデメリットへの解決策をみいだせていないとのことですが、将来的にデメリットの解決策を探る方向性があるのか否かを明らかにされることを望みます。

●商品開発に関する貴社の体制について
僕が実際にRXを使用するなかで発覚した問題を富士通に伝え、改善依頼を繰り返したことで、問題が解消していったものが少なくありません。バグの確認をエンド・ユーザーからの指摘に任せているのは、企業の姿勢として褒められたことではありません。デバッグについて次の要求をしました。
(ウ) 今後、十分にデバッグを行った上で商品をリリースすること、ならびに販売後のバグについては迅速かつ適切に対策を行い、エンド・ユーザーに対してはしかるべく補償を行うことを行動指針として定め、表明することを求めます。

●商品仕様の広告表示に関する貴社の体制について
当初、富士通はRXを「一体型」として販売していましたが、僕の指摘をうけてホームページ等での表示を改めたという経緯があります。
(エ) 商品の表示について貴社の体制を検証の上整備し、今後カタログ記載の仕様は確実に実装されること、ならびに誤解を招く表示をしないことを行動指針として表明するように求めます

●通知書の質問3に対する回答について
 富士通は、説明が遅れた理由について、社外に説明できない秘密情報であったためと回答しています。であるならば、なぜ僕には「一体型になる」と説明していたのか。回答書での説明では整合がとれません。
次期モデルが一体型になるという話は、少なくとも1回は書面で確約しており、口頭では数回にわたって聞いています。確約した内容と反する事態になると分かった時点で、その旨を通知するのが信義則上の義務のはずです。
(オ) したがって、通知人はこの信義則上の義務に反した貴社の行為について、謝罪を求めます

●通知書の質問4に対する回答について
 富士通は、回答書で最後の定例会が行われた2016年4月21日に、僕の質問に対して答えたと反論しています。でも、このブログのその8で書いてきたように、再三のお願いにも拘わらず、富士通は1年8カ月もの間、僕の質問を放置し続けてきました。富士通の回答書では、こうした経緯を踏まえずに、十分な検討時間があったと主張していました。
 2017年12月8日にようやく訪れたのは、これまでの経緯を全く知らない営業マンで、SXについてカタログの記載内容の範囲内の説明をしただけで帰っていきました。一般的な企業において、担当者が交代するときは、これまでの取引の経緯などについて引継ぎが行われるのが常識だと思いますが、富士通は企業として当たり前が行われていないことに不信感を覚えました。
 そこで、以下の2点について謝罪を求めました。
(カ) 電子カルテは数年にわたる継続使用を前提としています。そのような製品の特性を踏まえると、引継ぎなく担当者を交代するということは、企業として不誠実な姿勢であり、この点についても謝罪を求めます。
(キ) 貴社の回答は、単に1年半の期間があったことのみ強調し実態を無視したものであり、不当です。
通知人の機会喪失の損失について率直に認め、謝罪することを求めます。

●通知書の質問5に対する回答について
 富士通は、「一体型になるまで保守料を支払わない」という約束があったとの認識はないと回答しています。さらに、保守料免除の撤回があったのは、2017年12月の面談後、新しいRXの見積もりの説明時で、「保守料を支払わない場合は新機種を購入できない」と告げられました。保守切れ間近で、僕に他の選択肢がないことを承知したうえで、富士通が強硬的な態度を示したことが考えられます。そのため、さらなる説明を求めることにしました。
(ク) 本通知書において、保守料支払い免除の経緯、さらに今回の買い替えにおいて同免除が撤回された経緯および理由について、納得できる回答を求めます。

●通知書の質問6に対する回答について
 富士通は、割引率の低下は自社の意向ではないと回答していましたが、果たしてそうでしょうか。システム・ベンダーは、富士通の製品を専属に販売する会社で、富士通の意向なしに割引率を改定するのは考えにくいことです。これまでの富士通のやり方を見ていると、どうしても不当な取り扱いがあったと推測せざるを得ません。今後、しばらく、RXを使い続ける身としては、今回の通知書の送付によって、僕やシステム・ベンダーがさらに不当な扱いを受けることはどうしても避けたいことでした。そこで、釘をさす意味で次のようにまとめました。
(ケ) 真相はどうであったとしても、本件買い替えの経緯を巡って、システム・ベンダーに対しても通知人医院に対しても、今後不当な取り扱いをされないことを求めます。

そして、結語はこう結びました。

以上、(ア)から(ケ)の事項について、貴社の誠実な回答および謝罪がある場合、今後本件に関して通知人から貴社に対して要求することはありません。ただし、誠実な回答が得られない場合には、法的手段等も検討することを付言します。

 さて、これに対して、富士通はどのような回答を出してくるのか。

その回答が、約2カ月後の8月1日(回答書の日付は7月31日)に、弁護士事務所に届きました。

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