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2020年8月の記事一覧
月面ラジオ { 26: "ラグランジュ" }
あらすじ:(1) 30代のおばさんが、宇宙飛行士になった初恋の人を追いかけて月までストーカーに行きます。(2) 月美はついに宇宙にやってきました。
◇
{ 第1章, 前回: 第25章 }
◇
ラグランジュでも最高級のホテルは「ボイド」である。
ボイドのロビー前エレベータの扉が開いた。
泳いで出てきたのは、ユエという若い女だった。
ドアの前で談笑していた人たちが、礼儀ただしく道をゆずっだ。
月面ラジオ { 27: "月面都市" }
あらすじ:(1) 30代のおばさんが、宇宙飛行士になった初恋の人を追いかけて月までストーカーに行きます。(2) ついに月までやってきました。これから就職先の会社に向かいます。
◇
{ 第1章, 前回: 第26章 }
◇
「顔色がすぐれないようです。宇宙酔でしょうか?」
白人の入国審査員がたずねた。
顔色を気にするわりに月美を見ているわけでもなく、彼女の言葉に感情はこもっていなかった。
月面ラジオ { 28: "月面都市(2)" }
あらすじ:(1) 30代のおばさんが、宇宙飛行士になった初恋の人を追いかけて月までストーカーに行きます。(2) ついに月までやってきました。これから就職先の会社に向かいます。
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{ 第1章, 前回: 第27章 }
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車輪のない車に月美は初めて乗った。
電磁の力でうごく超電導式のタクシーだ。
地面から浮かびあがり、アスファルトとの摩擦から開放された車体は、なめらかに走っていた。
びた一文
月面ラジオ { 29: ルナスケープ }
あらすじ:(1) 30代のおばさんが、宇宙飛行士になった初恋の人を追いかけて月までストーカーに行きます。(2) 月美は、新しい就職先の会社にやってきました。
◇
{ 第1章, 前回: 第28章 }
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クリスタルの中にいるみたいだった。
タクシーで乗りつけたのでなければ、月美はここをファンタジーの世界とかんちがいしていたかもしれない。
自分はガラスの聖堂に迷いこんでしまったのだ、と。
で
月面ラジオ { 30: ルナ・エスケープ }
あらすじ:(1) 30代のおばさんが、宇宙飛行士になった初恋の人を追いかけて月までストーカーに行きます。(2) 月美は、新しい就職先の会社にやってきたはずなのに、なぜか月面都市の外の施設に連れてこられました。
◇
{ 第1章, 前回: 第29章 }
◇
廊下を抜けると、ドーム型の広い空間だった。
そこはとても静かなカフェテリアだった。
席は数百もあるというのに、誰もいない。
ドームの中央