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今、できること
フーが旅立って五日が経ち、最初の三日間は気が付けば寝てばかりでした。朝起きてフーにお水をあげて、買い物に行って、ご飯を作って、夫と少しドライブをして、ムーと寝落ちして。少しずつあの子のいない日常に慣れていくんだろうなと、まだどこか他人事のように考えている自分がいます。
病気が分かってからは主治医の先生に体力をつけるためになんでも食べさせてくださいと言われていたこともあり、若い頃に急性腎不全を患ってからずっと療法食を食べていたあの子に初めて缶詰やペーストのご飯、魚を焼いたりと食べてくれそうなものをとにかく試していました。少しずつ食が細くなるにつれ、試すご飯の種類も増えていき、実家の母のくれた小さな袋のカリカリがお気に入りになって買いに走ったりもしたものです。
フーが逝ってしまって、手元には封を開けないままのご飯がたくさん残りました。フーの食べた残りを平らげてすっかり肥えてしまったムーはダイエットが必要なことと、かつて外で暮らしていたフーと同じような境遇にいた猫たちの役に立つならきっとあの子も喜んでくれるのではないかと夫とも話し合い、チャリティー写真展の売り上げの寄付先のひとつでもある保護猫カフェ「駒猫」さんに未開封のご飯とペットシートをもらって頂くことに。
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今日、夫と二人でお届けに行って少しだけカフェで猫たちと過ごさせてもらい、初めましての子猫たちがクルクルと走り回る姿を見ながらフーの子猫の頃はどんなだったんだろう、なんてぼんやり考えていました。
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家に帰ってスッキリしたご飯コーナーを見て、また少しあの子のいない時間が進んだのを感じました。
少し淋しくて、でもフーが喜んでくれたと信じたい気持ちにも嘘はなく、今はまだ波のようにゆらゆらと行ったり来たりする感情に身を任せていようと思います。