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変なシリーズ:「不思議な家と僕がオバケになるまで」第三十三話

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

「悪魔と青年が紡ぐお話を、シリーズとして書いたら。」
三十三話です。

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【不思議な家と僕がオバケになるまで】第三十三話
「ホテル・フェアモンド・ミステリーメリー④」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・きつね 心の悪魔「アコ」と共に過ごしている青年。
・アコ  元夜更かしの悪魔、現在は心の穴を埋める心の悪魔としてきつねに寄り添っている。
・オバケ きつね達が度々見かける方、多分女性。
・コンシェルジュ 〝不思議の家〟のスタッフ。

「…〝ホテル利用時の注意〟、凄いね。〝夜中のお風呂での寝落ち注意〟とか。
〝テレビの呪いペイチャンネルは自己責任でご覧ください〟とか…〝鏡は十分以上見るの禁止〟とか…。」
「まぁ〝曰く付きホテル〟だからな!安全性なんてここに期待しても無意味だろ!イシシ!」

そう言われてもですよね…注意書きのパンフレットの項目、九九項目ですよ?
覚えられなくても…ちゃんと読んでおかないとマズいと思いません?
…半分以上命に関わりそうな内容だったし、悪魔だから…関係ないかもですけどね。

「そうだったね…、読むだけで一時間掛かっちゃったよ。さぁ、それより食堂でビュッフェを楽しもう!」
「おうよ!食べ放題だ!食べ放題!すげえなぁ、タダで飯食えるって…ホテル最高だ!」
「普通はそんなこと無いんだけどね…でも凄いね、ビュッフェまで用意してくれるって。」
『いらっしゃいませ、〝レストラン・マルディシオン〟へ。ここは六ツ星シェフ〝マルク〟の料理が楽しめる。世界唯一の〝呪い料理〟が楽しめるお店です。』
「あ、コンシェルジュさん。…あれ?フロント大丈夫なんですか?」
『私は〝あっち〟にも居て〝こっち〟にも居るのですよ、さぁお名前のあるテーブルをご利用ください。』

確かにフロントでも聞きましたけど、本当に不思議ですよね…〝多重存在〟って。
でも、凄い丁寧で…優しい悪魔さんですよね。コンシェルジュさん。

「あ、あの…〝呪い料理〟って、何なんですか?何か…怖いんですけど、あの注意書きみたいなことはありますか?」
『いえいえ、〝呪い料理〟は食材が人間社会で廃棄となり無念の死を遂げた食材たちの魂を再利用した料理です。』
「なんだそれ…〝残り物料理〟ってことか?」
『その通り、使われなくなった野菜や腐った肉をマルクの呪いの力で復活させて料理にしたものです。』
「そんなことが出来るんですね…凄い〝エコ〟な料理ってことだ。…でもこの量、凄い廃棄量だったのかな。」
『無念の思いでやや塩気が強いものも御座いますので、食べ過ぎは注意で御座います。ではお楽しみくださいませ。』

その〝マルクさん〟の料理の食材の話、やっぱいろいろ考えちゃいますよね。
料理が並んだコーナーには、山ほどの料理が遠くまで並んでいたんですから…。

「ありがとうございます…何か、沢山食べないといけない気がしてきた。」
「おうよ!〝勿体ないオバケ〟が現れるかもしれねーからな!さぁ!いただこーぜ!」

そう言えば知っていました?
本当に居るんですね…〝勿体ないオバケ〟って。




続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

最近、食パンをトーストにしてマーマレードジャムをつけて食べるのがマイブームなんですが。

油断すると直ぐに消費期限になりますよね、食パン。

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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