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週一回は出したいシリーズ:「聖王 終わりの移民」9-1

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

連載漫画に考えていた企画を、今「小説家になろう」の掲載中です。
面白いと思っていただけたら、そちらも読んで頂けると嬉しいです。
https://ncode.syosetu.com/n2644iw/

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【聖王 終わりの移民】9-1
「イレギュラー①」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・高瀬タケル(20)大学に通うヤマトの親友、自分勝手なところもある。
・大継ヤマト(20)タケルの親友、大学では友達も多い。タケルとは真逆な性格。
・町村ツカサ(32)聖王のプレイヤー、クリア回数5回。
・音來未ケイ(21)ゲーム初参加者、愛知出身。
・原嶋アキオ(37)クリア経験一回、大阪出身。
・橘マコト(39)聖王のプレイヤー、クリア回数7回。

聖王 終わりの移民

《イレギュラー①》

――オレってばさ、いつもお腹が減ってるんだ…何食べても満腹になんなくてさ。

インスタントラーメンの5食パックも、600グラムの冷凍ピラフも、大盛りのカップ焼きそばも。

ほかの食い物をどんだけ食べても満足しなくて…でもさ、道端でたまたまカラスが死んだネズミをついばんでたんだ。

それ見た時凄くお腹が鳴ったんだ…。〝何て美味そうなんだ〟ってな。

だからそのネズミをぶんどって食べてみたんだ…そしたらさ、ビックリ仰天だよ。

どんな食べ物よりも美味かったんだ!ネズミがってよりは…〝生きて居た肉〟がさ!

そっからさ、家の冷蔵庫にあった生肉を食べたんだ。あんなに美味しかったんだって、驚いたよ。

勿論、ママには怒られた…いつもの様にボコボコにされてさ。

〝お前の為に買った肉じゃない!〟ってさ…、だってオレはその味を知ってしまったんだから…ねぇ。

仕方ないと思わないか?…あんな美味い食い物を知ったら、もう…離れらんないよ。




――「クソ…クソ…クソ…ぐううううううっ、クソガキいいいいいいいいいいいいい…。」

あの攻撃が来た瞬間、圧し潰されながら鎧を具現化させて何とか回避して、作業員通路に逃げて来れた…。

だが咄嗟に構えた〝刀〟は折れて、〝鎧〟も〝獣〟も…回復まで時間が掛かる。

更に…避けた先のスクリーンの火で負傷し、天井からの攻撃で受けたダメージで左腕が使えない。

グアアア!あのクソガキィ!

やってくれたな…この橘マコトをここまで追い込むとはな。

「アイツは…許さない、私が必ず…アイツを…。」

先ずはこの劇場の作業員通路から外に出て体勢を立て直す、そしてあのガキを倒して能力を頂く。

ちょこれ以上成長させれば…私が勝つ確率がどんどん減ってしまうじゃないか。

それだけは…それだけは…。そうだ、私は国を改革するんだ!こんな所で死ねないんだよ!

この歩みを止める訳には…止める訳には…あ?なんだ?…足が動かん?


「なぁ、アンタボロボロだなぁ~。食べやすい感じするなぁ~。」

通路の陰から人影が…ボロボロの衣類に、デカい口のバケモノの様なアレも【造化の面】か?

なんて禍々しい顔のプレイヤー…動けないのはコイツの能力か?

「何だお前、この先は危険だぞ?とあるプレイヤーのガキが暴れまわっているからな。」

「え?どんな奴だよ…あ!何か耳に羽みたいなの着いたヤツ!?オレソイツ探してるんだよ!」

コイツ、中々に話し方から分かる。

知能指数が大分低そうだ、〝the庶民〟か。

今は生き延びることを優先させねば…コイツを利用して、あのクソガキを倒させるんだ。

「そうだ、その飾り羽のガキだ。良ければそこまで案内しよう。何なら、ソイツを倒すのに手を貸そう。それまで、協力しないか?…私は君に危害は加えないし、私は〝リタイア希望〟でね。戦いたくないのだ。」

「へぇ~そうなんだ~。」

間の抜けた声だ…こいつもガキか?だが今は関係ない…。

「そうだ、お前には何一つ攻撃しないと約束する、だから!」

「優しいんだね~、それにパパと同じ〝嘘つき〟の匂いがする…美味しそうだなアンタぁぁぁぁぁぁぁぁ。」

なんだ、動けないどころか…足の先から痺れが…なんだ…これは怪我から来るものではない。

「オレ、もう腹減って仕方ないからさ。動かないなら、食べてもいいってことだよなああああああああああ。」

「や…やめろ、近づくな!おいお前!近づくなと言っているだろう!」

コイツの【造化の面】の口が…どんどんと広がっていく…まるで、〝人を食べるバケモノ〟じゃないか。

「まさか…お前っ…私を〝食べる〟つもりか?」

「うん!だって~プレイヤーってぇ…〝美味しいご馳走〟なんだもん。」

「は?ご馳走?…おい。よせ、止まれ…近づくな!来るな!やめろ!おい!!」

「イタダキマァーーーーーーーーーーーーーーーーーース。」



【餓鬼】 能力:プレイヤーを補食してその《アラヤ》能力を全て扱うことが可能。能力は、蓄積される。




――アキオさんの【千里眼】…確認したプレイヤーの情報も引き継がれるのか…。

橘の位置を確認したいときは…。


「〝プレイヤー5〟の位置とデータを確認したい。」

『プレイヤー5ヲ確認中…確認終了、現在ノプレイヤー5ハプレイヤー4ニ倒サレマシタ。』


倒された?は!?この短時間で!?…逃げた先で倒されたってことか?にしても…いや…、それより…。

「ぷ、〝プレイヤー4〟の位置を確認したい!」

橘の姿が消えてまだ数分だ。

ってことはそいつが直ぐ近くってことじゃ…。


『プレイヤー4ノ位置ヲ表示シマス。』


くっ!?やっぱりだ、ここの作業員通路…このスクリーンの丁度真裏じゃないか!連戦は今は絶対にマズい!

それに…もしかしてコイツ。


「プレイヤー4の【アラヤ】を確認したい。」


……あぁ…ヤバいヤバいヤバい、何だコイツ…能力所持は一人3つ、〝斎〟を特定して5つのハズだよな…。

「何でこのプレイヤー4は、【アラヤ】を7つ所持している?は?コイツの【餓鬼】って…ヤバ過ぎないか?」

…きっとそうだ、最初に出会ったあのバケモンだ。…僕の予想は当たっていたし、アキオさんも言っていた。

〝超厄ネタ〟だって…確かにそうだった、野放しにするのも不味いけど…今の僕じゃ勝てないかもしれない…。

…橘を僕の手で倒したかったけど、アキオさん…アイツは死んだよ。

これってつもまり、僕たちの勝ちだよね?…勝ったよ、アキオさん。僕たちが、勝ったんだ…。





続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

元々は漫画のネタなので、何だか説明が足りないなと感じつつも。
荒っぽくても楽しんでもらえるようにと。

頭を雑巾のごとく振り絞って書いてますm(__)m

完走まで頑張るので、応援して下さると嬉しいですm(__)m
何卒、宜しくお願い致します。

※面白いと思っていただけたら、こちらから続きが読めます。
https://ncode.syosetu.com/n2644iw/

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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