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ボイスドラマシナリオ:「ヱイ藍1」

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

今回は先日スタエフで投稿した「たとえばこんなディストピア。」の第一作【ヱイ藍1】です。

楽しんで頂けると幸いです。

※コチラを聴きながら楽しむことも出来ます。
 是非、合わせてお楽しみください


【ヱイ藍1】

作:カナモノユウキ


〔登場人物〕
・佐藤ハジメ ※「」
・AI(グレタ) ※『』

夕方、牛丼屋で食事をとるハジメ。

「ふぅ…食ったぁ~。牛丼の大盛もきつくなって来たなぁ…。」

スマホでAIを起動させて話しかける。

「ヘイ、グレタ。ここの会計済ませて。」

『(決済音)清算が完了致しました。』

席を立ち店内を後にする。帰宅途中に本屋発見、何気なく立ち寄る。〈来店音〉

「本屋でも寄ってくか…。アレ…あの作者誰だっけ。ヘイ、グレタ。ピノの旅の作者って誰だっけ?」

『時雨澤啓二、二千年【ピノの旅】でデビューしました。』

「あ、そうだ…時雨澤だ。…あ、あった。…まだ新刊出てないのか。…いっか。あ、雑誌買っていこ。」

自宅アパートに到着、AIを起動させる。

「ヘイ、グレタ。鍵開けて。」

『わかりました。』

玄関でもAIへの要求は続く。

「ただいまぁ~。ヘイ、グレタ。鍵かけて、部屋の電気着けて、お風呂沸かして。」

『わかりました。』

「ふぅ…。」

〈シャワーが止まる〉風呂上がり、牛乳を飲み就寝準備に入る。

「よし…、そろそろ寝るか。ヘイ、グレタ。部屋の電気暗くして。」

『わかりました。』

布団に入り、最後もAIに話しかける。

「ヘイ、グレタ。おやすみ。後よろしく。」

『承知いたしました。』

ハジメ、就寝中に無呼吸発作となり亡くなる。

『心拍の停止を確認。』

『サトウハジメ様の死亡を確認いたしました。』

『親族への連絡、遺言書の送付準備、完了しました。』

『死亡届の作成を開始、完了しました。役所への提出を完了しました。火葬許可証を受け取りました。』

『葬儀、および火葬の手続き申請、完了しました。』

『各種契約の解除に移ります。』

『クレジットの未払い金を確認、清算致します。』

『各種契約の解約手続き、完了しました。』

『可能な手続きの一切を完了しました。』


『お疲れ様でした。』


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

今現在でもAIを利用したサービ普及率は上がっていますし、人間にとって代わる世界を危惧する人も居ます。

分かりやすいとこだと【ターミネーター】とか【マトリックス】が想像しやすい世界だと思いますけど、この現在と地続きに考えるとこんな感じなんじゃないかなと。

そういう世界観をお届けしよと言うのが、「たとえばこんなディストピア。」です。

ちょいちょい出すので、お楽しみに。

では次も楽しんで頂けることを祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


【おまけ】

横書きが正直苦手な方、僕もです。
宜しければ縦書きのデータご用意したので、そちらもどうぞ。


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