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変なシリーズ:「不思議な家と僕がオバケになるまで」第三十二話

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

「悪魔と青年が紡ぐお話を、シリーズとして書いたら。」
三十二話です。

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【不思議な家と僕がオバケになるまで】第三十二話
「ホテル・フェアモンド・ミステリーメリー③」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・きつね 心の悪魔「アコ」と共に過ごしている青年。
・アコ  元夜更かしの悪魔、現在は心の穴を埋める心の悪魔としてきつねに寄り添っている。
・オバケ きつね達が度々見かける方、多分女性。
・コンシェルジュ 〝不思議の家〟のスタッフ。

オバケさんはロビーボーイさんに会いました?
何か凄い可愛い方でしたよね、アメリカの子供の人形みたいな。
金髪で、オーバーオールに赤白のキャップ…。
ああいうデザインの〝お人形〟好きなんですよ。

「…あ、アコ。凄いねここのスタッフさん、〝カラクリ人形〟なのかな?」
「このホテルのスタッフは〝曰く付きスタッフ〟が多くてよ!こいつは〝呪いのロビーボーイ人形〟だな!」
「…〝曰く付き〟って、良くない意味に感じるけど…。」
「元々は悪さだけじゃねーんだぜ?こいつだって、人間の〝想い〟が沢山注がれて〝命〟を持っただけとかよ!」
『その通りです!沢山愛を注がれたのですが、動いたら〝曰く付き!〟と捨てられちゃいました!』

フロントから荷物運ぶまで一言もしゃべってなかったから…こういう演出なのかなって思っていたら。
やっぱり不思議な場所ですね、スタッフも悪魔とか妖怪じゃなくて、〝曰く付き〟なんですから。
何かそういう方々が働けるって…オーナーさんはきっと面白くて優しいんですね。

「喋った!?って驚くことでもないのか…〝人間の世界〟ではビックリですけど…失礼なこと言ってごめんなさい。」
『いえいえ、喋る人形何て映画でしか出てきませんよね。あとはおもちゃとか。あ!お部屋に着きましたよ!』
「〝666号室〟…人の世界では絶対ない数字だ。」
《部屋に入る。》
「おお!すっげえな!めちゃくちゃ豪華な部屋じゃねーか!…風呂はデカいし!応接室も、ベッドもデカい!」
「凄いね…スイートルームみたいだ。僕たちただ内見しているだけなのに、こんな凄い部屋泊っていいんですか?」
『いいんですよ、コンシェルジュ様がお決めになりましたし。〝久々の特別なお客様だ〟って。』
「〝特別なお客様〟…?ってどういうことですか?」
「そりゃきつね、お前は今〝半人半悪魔〟って珍しい状態だからな!」
「え!?それ特別なんだ…。」

珍しいんですって、〝人間〟と〝悪魔〟の中間って。
…いまだに何で不思議なのか、全然分かってないですけどね。


『悪魔と人間が友情を育んだ証拠です、僕にも凄いとわかります。それよりお部屋は豪華ですがお気を付けください。ホテル・フェアモンド・ミステリーメリーは別名〝呪われたホテル〟です、色々な呪いが渦巻いておりますので。お部屋に割るパンフレットはしっかりとお読みくださいね。』
「…え?…それは、しっかり読ませて頂き…ます。」

何でも、オーナーが世界各地から〝呪いの品〟とかスタッフさんみたいに〝曰く付きのモノ〟が好きみたいで。
ソレをちりばめた豪華ホテルが作りたかったって、パンフレットに書いてましたけど…。
色んな意味で、凄いですね。




続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

好きな映画で『グランドブタペストホテル』って作品があるんですが。
これ書くとき必ず見てます。

ってことは、毎日見ています。
※今三日目。

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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