変なシリーズ:「不思議な家と僕がオバケになるまで」第二十六話
【前書き】
皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。
「悪魔と青年が紡ぐお話を、シリーズとして書いたら。」
二十六話です。バック・トゥ・ザ・フューチャー大好きです。
少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。
【不思議な家と僕がオバケになるまで】第二十六話
「タイムマシーンの部屋」
作:カナモノユウキ
《登場人物》
・きつね 心の悪魔「アコ」と共に過ごしている青年。
・アコ 元夜更かしの悪魔、現在は心の穴を埋める心の悪魔としてきつねに寄り添っている。
・オバケ きつね達が度々見かける方、多分女性。
もしかしたら、人生で一番興奮したかもしれません。
あの部屋…住むとかそう言う事よりも、只々僕には楽しい場所でした。
「何か、部屋の真ん中にあるね…これが〝タイムマシーン〟ってやつかな?」
「(年数と日付と時間と場所を入力しろ)って書いてるなぁ~。…試しに入れてみっか。いつにする?」
「え?そしたら…1969年の7月20日…日本じゃなくて、アメリカで!」
「アメリカな~っと!よしできた!んで?このレバーを下ろすんだな?よっと!」《レバーが下ろされ景色が変化。》
「おああああ!…凄い、外国人ばっかりだ。…人だかりができてる、おお!ちゃんとタイムスリップした!」
「何々?(使用者は現地の影響は受けず現地人にも見えません、安心してに時間の旅をお楽しみください。)だってよ!って聞いてないな。…しかも、見たことない程興奮していやがる。」
「凄い!凄いよアコ!月面着陸の中継だ!すっごい盛り上がっているよ!そりゃそうだよね、月面着陸だもん!」
何処だか分からないけど、多分アメリカの電気屋さんの近くで、人だかりが沢山だったんです。
写し出された画面を食い入るように色んな人が見ていて、みんな笑顔だったと思います。
僕も昔の映像とかで観た事はあったんですけど、ああやって現地で見るのは全然違いますね…興奮したなぁ。
「白黒だなぁ…てか、そんなに凄い事なのか?月面着陸っつーのは、ただ月に行くだけだろ?」
「悪魔には凄くないのかもだけど、人間には…偉大な一歩何だよこの瞬間は…凄い感動だよアコ。」
「じゃあよ…。」
《機械に新しい場所を入力してレバーが下ろされ景色が変化。》
「こっちの方がイイな!」
その時、アコの思い付きで…僕たち月面に行っちゃったんです!
凄くないですか!?月面ですよ!?影響受けないにしても…タイムマシーンで月に行けちゃうなんて…。
夢だったんです、月に行くの…それが急に叶ったなんて、しかも月面着陸の場面に立ち会えるなんて!
「…え?…え~!?つ、月だよアコ。今僕たち月に居るよ!え!?ていうか空気!無いよ!え!?大丈夫!?」
「落ち着けきつね~、ここは影響受けないって書いてるぜ~。ってことはよ、特等席で月面着陸見れるってことだろ!」
「なるほど!え!やばいよアコ!カッコいいよアームストロング船長だ!凄いねアコ!歴史的瞬間だ!」
「何だかきつねが楽しいと俺も楽しいわ!イシシ…でもこれは所詮〝記録の焼きまわし〟なんだぜ?」
「どういうこと?焼きまわしでも、この瞬間を楽しめるのは…素敵なことじゃないか。」
「どんだけスゲー場面を見ても、俺たちの出会い以上のスゲー瞬間は俺様にはないからな~。」
「…アコってたまに可愛いこと言うよね。フフ、そうだね。ごめん、他の部屋を楽しみに行こうか。」
そう言えば人間は〝焼きまわし〟の連続ですよね、良いことも、悪いことも…全部。
でも、確かにアコと出会えたあの瞬間は…僕たちにとっての月面着陸。
いや、それ以上の偉業なのかもしれません。
そして、こうやってオバケさんに出会えたことも。
続く
【あとがき】
最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。
バック・トゥ・ザ・フューチャー見てるとき、よく考える。
「自分ならどこ行くだろう」と、いくつかある中の一つを今回書いてみました。
皆さんだったら、何処に行きます?
是非友達と話してみるとイイかもね。
では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。
カナモノユウキ
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