変なシリーズ:「不思議な家と僕がオバケになるまで」第十五話
【前書き】
皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。
「悪魔と青年が紡ぐお話を、シリーズとして書いたら。」
十五話です。
少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。
【不思議な家と僕がオバケになるまで】第十五話
「森の部屋」
作:カナモノユウキ
《登場人物》
・きつね 心の悪魔「アコ」と共に過ごしている青年。
・アコ 元夜更かしの悪魔、現在は心の穴を埋める心の悪魔としてきつねに寄り添っている。
・オバケ きつね達が度々見かける方、多分女性。
「ここもまた…部屋って言っていいのかどうか、本当一部屋の広さが全然違うんだね。」
「ここまでくると、次元ごと切り取って部屋にくっつけてるか、何処でもナンたらみたいな原理かもなぁ~。」
「あのピンクのドアだったら…まだ安心できる僕が居るよ、と言うかその方がイイ気までする。」
《周囲は鬱蒼とした森が広がっている様で、但し夜なのか野鳥の声などが広がっている》
「ここ、多分というか確実に森だよね。」
入った時から真っ暗でちゃんとは分からなかったんですけど、あの森林の匂い…今でも思い出します。
良い香りに包まれて、暗くて怖いなんて全然思わなくて、心が凄く落ち着いたんですよね。
《手から炎を出すアコ》
「ホレ。炎出してやるよ、コレで見えるだろう。…おおそうだな、正しく森だなぁ。」
「森の部屋か…凄い場所だね、それに…何だこれ。…注意書き多くない?」
「おおお、確かにな。(熊注意・シカ注意・狼注意)か、なんだコレ(大体の動物注意)てのもあんな。」
「アコ、これ凄いよ。(宇宙人注意)に…(人間注意)…だって。」
「何だこれ、ユーモラスってやつか?んなもん出る訳…。」
《妙な叫び声が聞こえる。》
今でもよく分からないです、あの何とも言えない声…。
不意に一階で見た何とも言えないうねうねしていて、ぐらぐらしたヌメヌメの方を思い出しましたけど。
気のせいだと思うんですけどね。
「出る…かもね。と言うか、ちょっと疲れて来たね。どこかで休めないかな?」
「確かにそうだな…ここで一泊するか?地図に泊まるってメモすれば一晩泊まれるんだぜ?」
「そうなんだ…ここ以外の方がいいけど、料理人の部屋は嫌だし…。」
「心配すんな、このアコ様が何があっても守ってやるよ!暗闇は悪魔の得意な場所だかんな!」
「…じゃあそうしようか。」
「よし、じゃあ地図にメモして…焚火も出すとすっか!よっ!」《焚火を出現させるアコ。》
「ふう、そしたらちょっと休もうか。」
「そうだな、明日もまた内見だ!楽しみだなぁ~!」
森の匂いに落ち着き過ぎたのと、アコが一緒に居てくれる安心感でその日はそこで一泊したんですよ。
本当、よく眠れました。家を失くしたことなんて、もう全然記憶の彼方に飛んでいくほどに。
続く
【あとがき】
最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。
多分、今の所一番好きなエピソードかもしれません。
アコときつねらしいお話になったんじゃないかなと思います。
夜な夜な、何を話していたのかなとか想像が膨らみます。
では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。
カナモノユウキ
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