変なシリーズ:「不思議な家と僕がオバケになるまで」第二話
【前書き】
皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。
「悪魔と青年が紡ぐお話を、シリーズとして書いたら。」
その二話目、中々家には入りません。
少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。
【不思議な家と僕がオバケになるまで】第二話
「不思議な家」
作:カナモノユウキ
《登場人物》
・きつね 心の悪魔「アコ」と共に過ごしている青年。
・アコ 元夜更かしの悪魔、現在は心の穴を埋める心の悪魔としてきつねに寄り添っている。
「きつね!その角曲がった路地に入ってくれ!そのまま真っ直ぐな!」
「…ねぇ、こんなとこに悪魔が建てた家なんてあるの?…普通の住宅街だけど…。」
アパートがあった場所から30分歩いた閑静な場所、最初はこんな一般人だらけの場所にあるのかなぁと不安でした。
だって〝悪魔が建てた家〟ですよ?なんか特別な場所だと思うじゃないですか。
「あるに決まってんだろ!俺は友達に嘘はつかねーぞ!お!ほら!見えて来たぞ!アレだアレ!」
路地を抜けた先に在ったのは、言われなくても説得力のある建物でした。
「…うわぁ、何だこれ。大きな門に…統一感のない、西洋風のレンガ造りに…何かスチームパンクっぽさもあるし。何階建て?所々建築法に引っ掛かりそうな出っ張った部屋…〝お化け屋敷〟みたいだ。これが、悪魔の建てた家?」
「スンげーだろ!これが悪魔が建てた〝不思議な家〟だ!中はもっと凄いんだぜ!」
確かに不思議でした、それは外観からも分かるほどに。
だって凄い高さの建物で遠くからでも見えそうなほどなのに、この距離じゃないと認識できなかったんですから。
でも、中はもっと凄かったんですよね。
「…ここ、勝手に住んで良いの?何の許可も取ってないよね?」
「ん?あぁ大丈夫だ!許可なんていらねーから!」
「え?どういうこと?」
「悪魔はな!基本住むとこは自分で決めた段階でそこが居場所になんだよ!お前の中に住んだ時もそうだったろ?」
「そうだったけど、なんか意味が違うみたいな…。」
「つまりな!俺と友達になって半分悪魔になったきつねには!ここに住むって決めたら住んで良い権利があんだよ!」
僕は確かにアコの名前を知って、半分悪魔になったらしいんですけど。
その自覚が全然なかったんで、アコが教えてくれたそういう〝悪魔の常識〟みたいなことが、僕には凄く素敵に聞こえていました。
「なるほど。…ねえアコ、中見てから決めてもいい?…何か即決はちょっと不安と言うか。」
「おお!もちろん!内見ってやつだな!」
「よくそんな言葉知ってたね。あとさ、気になってたんだけど。ここ立てた悪魔って、どんな悪魔なの?」
「ああ、ここのどっかに住んでるって聞いたことあるぞ!中見てるうちに会えるだろ!」
「そっか、そしたら挨拶しないとね。」
「おうよ!会うの楽しみだなきつね!」
その時は気楽な気持ちでしたけど、まさかあんなに凄い方なんて思ってもいなくて。
それはもう、この建物以上のインパクトでしたよ。
続く
【あとがき】
最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。
あの映画とかでも出てくる洋館とかって、テンション上がりません?
ホーンテッドマンションとか、死霊館のシスターとか。
まぁこの物語はそんな怖い感じにはなりませんのでご安心を。
では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。
カナモノユウキ
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