あの街
早いもので、あっという間にアーカイブ期間を過ぎてしまいました。
『夕凪の街 桜の国』ご来場・ご視聴下さったみなさま、本当にありがとうございました!
事務所のファンクラブ向けに書いたコメントとどう差別化していこう…?
うっかりあちらの方に思いの丈を綴ってしまいました。でも頑張って書きますね。
初演から出続けて3度目の出演。
今年は初めて、あの街を訪れずに迎えた本番となりました。
初演時に「事前にその地の空気を吸っておこう」と思って初めて広島という街に降り立ったのですが、今となっては随分親しみを感じられる地になりました。
初めて降りた「原爆ドーム前」はあんなに他人行儀だったのに。
もう最寄りのコンビニも分かるし、あれはセナの撮影時にハーゲンダッツダービーをした時に寄ったコンビニ…あの夜なんて額を使ってしまったんだという苦い思い出のセブンも得意げに私の事を見ている気がするし、なんなら24時間開いてるコインランドリーも安めの駐車場も知ってる。あのやたら高い宮島直行フェリー乗り場にも、迷子の観光客を送って行けるくらいにはなりました。
(フェリー乗り場の近くのレストランのレモンアイス、美味しいよ)(そしてハーゲンダッツダービーは本当に楽しかった)
3度目の出演となればセリフなんて寝てても言えるし、人のセリフもほぼ言えるし、
最初の稽古から本番仕様の早着替えスピードだし、
芝居なんてもう、
芝居なんて、、、なんと1番辛かったです。
自分が自分に求めるものがあまりにも大きくなっていたようで、スタッフさん向けの資料用録画の映像なんて見れたものではなく、あ、絶望ってこういう気持ちか…とまで思いました。
皆実がこんなに可愛いのに、家族たちも愛しいのに、
京ちゃんも旭もこんなに思いの丈をぶつけてくれるのに、
受け取れない自分も、アウトプットできない自分もとっても嫌で、
稽古期間、なんだか心の底ではずっと孤独だった気がします。
3度目なんてどうでもよくて、でも目の前にいる人たちのお芝居が魅力的だということに次第に気がついて、
あ、私の最後のセリフの後に高速バスのシーンが来るのってこういうことか、と今更ながら震えたり(アーカイブ終わった後にすみません)
なんか、わあ、、、ってなる瞬間が次第に増えていって、積み重なっていって、
やっとこさお客様の前にお出しした形になりました。
それでもゲネプロまでガッツリダメ出ししてもらうような状態でしたが。
自分の生まれ持った性質との勝負だったり、
圧倒的な人生経験のなさを実感したり、
追う恋のような?状態のお芝居は本当に心臓に悪いし、しんどいし、楽しいです。
ある日事情で開演のギリギリまでレンタル新生児をさせてもらった機会があったんですが、見事に受付時間まるまる泣かれまして。
なんか、今目の前にいるこの子のように、4きょうだいの中で皆実が1番寝なかっただろうな〜ずーっとずーっとあやしてたりしたんだろうな〜なんて付け焼き刃の設定を持ち込んでお芝居をした日もありました。
本当にお芝居って生物だなって。
あの日は、ギャン泣きボーイの匂いや体温が私に残っている気がして。
あの日、あの役を演じる上では強烈すぎるくらいのものが私の中にあって、あ、もう、もうなんでも経験しよう!何も無駄にならない!と思いました。
で、もうワンピースの話はいいですね!
散々してますもんね!
あれは私にとっての初代お弟子さんである亀ちゃんと私の合作です!
その割に、まるで私だけで作ったみたいな顔してね、一張羅のシャツ着て、わざわざ才能の塊みたいな人をまあまあの遠方まで呼び出して写真撮ってもらって。
とんでもない女ですねまったく。
(亀ちゃんかわいい)
製作した日は12時間耐久レースみたいな感じで一生裁断、アイロン、しつけしてもらって。
今年もあんなに大切に着てもらって、綺麗なあかりで照らしてもらってね、、
感無量ですね。
この人にも大変お世話になりました!
この後アイスずるずるに溶けました。
なんか、大人同士のちゃんとした仲良しになれてきた気がします。いっこ違うフェーズに入ったぞ。感謝の言葉はちゃんと本人に言いますね。
(すごくどうでもいい話、最近土鍋をあげました)
さて。
またいつか広島の街に行けますように。
またみんなで歩きたいし、
(ドッガーさんと夕凪ツアーした時の、初公開カンペ入りしおり!)(あの川とか、平和大橋とか、少しでも観劇中によぎっていてくれたら嬉しい)
本当に牡蠣が食べたい。(牡蠣はいつでも食べたい)
うさぎにも会いたいし、揚げ紅葉も食べたい。
アイス〜うさぎ〜牡蠣〜〜〜〜って平和に笑いながら
広島のある日本のあるこの世界を
明日も明後日も100年後も愛していければいいよね。
アイス〜うさぎ〜牡蠣〜〜〜〜って、
表立っては見えなくても、適度に息抜きしながら立派に生きようとできればそれでいいよね。
4度目も出たくなっちゃうなあ。
その時は呆れずにまた観にきてくださいね。
お芝居を好きだと、一生辞められないと、
改めて気づかせてくれてありがとう。
気づかせてくれたからには、一生見守っていてください。
また劇場で元気に会えますように。
それまでどうか健康で。
ほなね〜(息抜きに、劇場に入ってからはあえてド令和な食事をしていた私を添えて)