編み物の文化。ニットとクロシェの違い
さて。みなさんはニットとクロシェの違いを知っていますか?
かぎ針編みを始めるまで、私は知らなかったんですよね〜
クロシェの定義も曖昧で商品名にクロシェがついてたらクロシェなんだと思うくらい。みんなそうだよね?
ざっくりとした正解は、
ニットは、いわゆる棒針で編んだ編み物のことを指し、クロシェは、かぎ針で編んだ編み物のことを指す。だそうで。
ふーん、そうなんだと思ってたんだけど、これが結構深い話になったんで聞いてほしい。
日本では何かしら編んだものを総称して編み物と呼び、それをニットと呼ぶケースがほとんどかなと思う。ただ編み物の起源である欧州(正確にはエジプトからスペインを通じて広まった)では、編み方によって名称が定められている。かぎ針で作ったレースはクロシェレースとも言われると。
それを踏まえて、の話なんだけど
グローバルに活躍するとあるアイドルグループの1人が趣味でかぎ針編みをやっていて、SNSで編んでいる様子を「I’m knitting」だったか「knitting time」的な文章とともに投稿しているのを見かけたのね。
コメント欄を開くと以下のような海外勢から大量のコメントが。
「これはニットじゃない。クロシェだ。」
「あなたはニッティングをしているのではなくて、クロシェッティングをしているのだ」
「ノー、それはクロシェ」
「クロシェッティング」
「クロシェ」
何の首を取ったかのように、すごい言うじゃないと私は思ったんだよね。その時は。
※ちなみにちらっと見かけてふーんと思った程度なんでその投稿は削除されたかなんかで見つけられず私の記憶となります🙏
しばらく経って思い返してみたんだけど、もしかしたらこれは、そうめん食ってるのにうどん食ってるって言ってるのと同じじゃないかと。
外国の方が今からうどん食べますと言いながら、そうめん食べてたら、日本人だったらめちゃくちゃ言うよね。それ、そうめんだよって。
日本や韓国ではかぎ針で編んだものも総称してニットと呼ぶことがあります。
そんな説明をコメントでしていた人もいたけれど、もともと編み物文化はあっちからこっちに伝わってきたものだし、その人たちが違うって言ったら違うよね。
そんなことがあるかどうかは置いといて、うちの国ではそうめんもひやむぎもうどんといいます。と言われましても…よね。いやそうめんだから。うどんはもっと太いやつなんよ。原料は同じよ?でも作り方が違うんよ。手延べっていう方法があってさって。
これに気づいてから、私は明確にニットとクロシェを分けて言うことにしている。
これは、こんな素晴らしい文化を生み出した人たちとその文化への敬意。
そんなことがあるかどうかは置いといて、外国の方にうどんとひやむぎとそうめんの違いはちゃんと伝わってほしいんよね。だってそれ、文化だから。
編み物をする人のことをニッターと呼ぶけど、私のようにかぎ針編みしかやってない人はクロシェッターと呼ぶべきなのよね。
で、編み物そのものの歴史を追っていくと面白くて。
日本で編み物ではなく織物が盛んだったのは、当たり前だけど牧羊文化がなかったから。
江戸時代の人は干支で羊を認識してたけど絵では山羊になっちゃってたとか。つまり庶民レベルではみたことない生物だったんだよね。
南蛮貿易で編み物が入ってきて、鎖国がとかれてから羊毛(ウールのこと)の需要が高まって羊の牧場ができて〜みたいな流れ。ちなみに一番最初に羊牧場作るよう仕掛けたのは大久保利通だったみたい。失敗したようだけど。歴史を追うとそこに大久保利通あり。くらいに色んなところに出てくるんだよねすごいね大久保利通。こういうの教わりたかったわ。
日本の羊毛産業は伝染病で諦めたり戦争で輸入できない時期があったりしながら今日に至る訳です。(すごい端折り方をしましたが調べたらいっぱいでてくるんで知りたい人はご自分でどうぞ)
何が言いたいかというと、こういった編み物の文化に敬意をもって、わたしは今日もひと編みひと編み、感謝の気持ちと共に編み進めているのですっ
最近、調べない・自分で実践しない人多いからね。なんでもかんでもその道の人に聞けば答え出てくると思って。編み方にしてもその文化にしてもよ。いや編み物に限らずよ。
調べたら深いし今やってることがよりおもしろくなるんだから。AIに聞くなりググるなり、まずは自分で調べてみようよ。
と、自戒をこめて。
ただし私は、友達であればなんでもかんでも手取り足取り教えてしまう派です。友達であれば、ね!笑
何はともあれ、とにかく地球に爆誕した羊ちゃんたちありがとう🐏🐏