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「自分の名前で生きていく」決断にいたったプロセスの記録

やりたいことをやるにはどうにもこうにも時間が足りない。

ここ1年間、自己内省をしたり、セッションを受けたり、対話の場に参加することを通して、自分が目指したいことが少しずつ見えてきた。
「こんな場があったらいいなあ」とイメージしたら、実際にワークショップを開いたりして、小さく動いてみたことで、自分のやりたいことや知りたいことがどんどん増えている状態だ。

もっともっと、自分のやりたいことに時間を割きたい。

でも、日中に頭がぼーとすることもあるし、疲れが抜けない日が続き、これ以上の仕事以外の時間を充てるのはしんどい…。

時間を生み出すためには、今の働き方を変えるしかないと思えた。

随分前から、できることならどこにも所属をせず、“自分の名前で生きていきたい”、“独立したい”と考えていたが、踏み出せずにいた。

その理由は2つある。

  • 一つ目は、いざというときに親と弟の生活を支えなければならない。だから、安定な収入を手放せないこと。

  • 二つ目は、私は興味がコロコロと変わってしまい一つのことが長続きしない。そんな私がサービスを作ってビジネスを続けられるとは思えないこと。

私の奥にずっと居座っているこれらの葛藤や不安のせいで、“個人事業主になる”という決断ができずにいた。

そんな折、私の生き方のロールモデルである藤倉礼亜さんのnoteの記事を目にした。そこには、石動祐司さんのセッションを受けたことで、自分の性質・人生軸が明確になり、自分の性質と合致することを純度高く選択していくことで、高速道路を自動運転モードで走行している状態に至ったことが書かれていた。

私が自分を信頼しきれないのは、「自分の性質・人生軸が不明確だから」と気づき、藤倉さんのnoteを読んだ直後に、石動さんのセッションに申し込んだ。

そして、セッションを受けて2か月。

私は個人事業主の登録をすませ、個人で生きていくための準備を進めている。
私が決断できたのは、セッションを通して、前述した2つの課題がクリアになったからだ。

私のように、自分の人生軸が明確にならずにもやもやしている人や、同じような悩みを抱えている方の参考になればと思い、決断にいたったプロセスを書いてみようと思った。


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『いざというときに親と弟の生活を支えなければならない。だから、安定な収入を手放せない』

私が踏み出せない理由の一つ目はこれ。

私には父と母、弟がいる。

弟が難病(命に別状はない)を抱えていること、弟はバイト先を転々とする生活を送っていること、両親の夫婦仲がよくないことから、自然と母は私を頼るようになっていた。

私が大学生のとき、母は「娘が近くにいないと心配」、「何かあったときに一人なのは不安だから」と、大学を卒業したら地元で薬剤師として働くことを望んだ。私は薬剤師ではなく、研究者になるという夢があったので、そのまま大学院に進学し、研究を続けることを望んでいた。

「女の子が大学院に行くなんて!」と、母は大学院への進学に猛反対し、一切金銭的な援助はしないと言いきった。私は心が折れるどころか意地になって、大学院の学費と生活費は奨学金とアルバイトで賄って、2年間大学院で研究を続け、臨床検査薬の研究開発職に就くことができた(現在は研究を離れ、企画職w)。

“自分の人生は自分で決める、後悔したとしても、他人のせいにはしたくない。”

その想いは今も変わらずにもっている。

でも、私がずっとやりたいことをやり続けるためには、自由でいるためには、自分でお金を稼ぐことが必要だった。
親が仕事を失ったとき、親に介護が必要になったとき、万が一、弟が手術をした結果働けない状態になってしまったとき、私が家族の生活をどうにかしなくてはならない。私と弟だけになったら、弟を援助できるのは私だけ。そんな状態になっても、私が自由を確保するためには、絶対的にお金が必要だ。こんな考えを20代の前半からずっと今まで持っていた。
だからこそ、安定な収入を手放して、当面の間、貯金ができなくなる状態になるのは不安しかなかったのだ。

そんな経緯を、石動さんに話した。

「かなみちゃんが弟さんを援助しようとしているのは、弟さんを好きだから?」

「好きか…弟には自分の好きなことを仕事にしてほしいと心から願っています。好きだから…というよりも家族だからかなぁ」

石動さんからの問いかけに答えるような形で、家族との関係性や、細やかなニュアンスなどを伝えていった。

「いつか弟の面倒を見ないといけないかもしれない」と強く言う私に、石動さんは以下のようなことを伝えてくれた。

そもそも人を一人養うのは大変なこと。その人がどんな生活をしたいかでかかる費用も変わる。程度問題だけど、相手の要望を叶えるなら相手の言いなりになるしかなくなる。もし、親友100人が「助けて」と言ってきたらどうするか?私の時間とお金には限りがあるので「誰を助けたいのか?」が重要になってくる。

基本的には、その人はその人の人生を勝手に生きている。お金を稼ぐのもその人の責任。責任は自分のかけら。自由というのは自責(責任の所在が自分にあること)なので、お金を援助することはその人の自由(責任)を奪っていることになる。つまり、お金を援助することは相手をコントロールすることと同じ。

お金を援助されると、相手も悪乗りして依存する可能性もある。その結果、「姉ちゃんが俺の人生をにぎっているから自分で考えなくなっちゃったじゃないか」となるかもしれない。

弟のために先回りして準備しても「姉ちゃん、お金いらないよ~」となる可能性もある。基本的にはやれるときに、やれることを、やれるだけする。お金も時間も上限があるので。“今自分ができることしかできない”のが本質。

その人を好きでいたい、継続的な関係性が必要なら、嫌いになるかもしれない要素を排除しておくことが大事。家族のために働き続けて、家族をずっと好きでいられるか?

家族を助けたいなら、魚をあげるのではなく、魚の釣り方を教えるほうがいい。

ちゃぶ台をひっくり返された気持ちだった。

確かに、その通りだと思った。

「家族のために…」「家族だから…」と思って簡単にお金を援助することは、そのピンチな状況を切り抜けるチャンスをつぶしているとも言えるのだ…。

それが分かってしまうと、今の自分のやりたいことを我慢して、不明確な不安を解消するために今の状態(サラリーマン)を続けることに、大きな違和感がある。

それに援助すべきはお金ではなく、自責で生きる楽しさを伝えたり、自分の力で何とかするための情報を提供したり、環境を整備したりすることだ。


“今の自分ができることをする”
“これからも、その時の自分ができることをする”

それでいいんだ、と心底納得できた。


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『興味がコロコロと変わってしまい一つのことが長続きしない。そんな私がサービスを作ってビジネスにできるとは思えない』


あとは、私が踏み出せない理由の二つ目。

私は一つのことが長く続いた試しがない。

色鉛筆画、パン作り、お菓子作り、DIY、リメイク、イヤリング制作、漢方、薬膳、Wordpressを使ったブログサイト作成とブログ発信、健康情報配信、ガーデニング…

一度はまるととことんやって、だいたい3か月~1年くらいのスパンで、別のことにはまってしまう。

結果的に広く浅くしかやっていないので、スキルが全部中途半端になってしまう。
だから、私が独立して何かサービスを立ち上げても、そのサービスを継続してやっていけるとは到底思えなかった。

“私はいったい、どんな人生軸で生きているんだろう…”

“なんで私は一つのことに長く打ち込めないんだろう…”

自分のことなのに、まったくわからない。
完全にお手上げ状態だった。

こんな状態で個人事業主としてスタートするなんて不安しかなかった。

「私が持っている不安は“unknown”から生じている。」
「World Veiwを特定して、自分の人生軸が言語化されれば不安は解消される」と石動さんは言う。

World Veiwとは、一言でいえば「私が世界をどう見ているか?」、つまり「世界観」のことだ。World Veiwをもとに、自分の好き嫌い、感性が作られる。同じアート作品を見ても、一人ひとり注目する箇所や見出すストーリーが異なるのは、一人ひとり異なるWorld Veiwを持っているから、ということらしい。

石動さんの提供するWorld Veiw特定ワークは、“客観的な事実”から、肯定的(ポジティブ)な意図を抽出することが特徴だ。

比較対象として引き合いに出されるのは「ストレングスファインダー」で、質問に対して「あてはまるか」、「あてはまらないか」の程度を主観で回答していく。とても信頼度の高いツールだが、主観にはどうしても願望が入ってしまうため、置かれた環境や状況で変わることもあるという。

一方、World Veiw特定ワークは、自分が使っている時間や、お金の使い道、本のジャンルなどの“客観的な行動・事実”を中心に導き出される。私がとってしまっている行動は、World Veiwを元にしていると考え、自分の過去~現在の行動リストから、その行動の大元にある共通の観点を探すようなプロセスだ。


セッションを通して、私のWorld Viewが言語化された。

「想定を超えて、心が躍動する未来を創る」


私は世間の常識や、自分が囚われている常識を覆して、世界を広げて、心が“ぐわ〜ん”と躍動するような未来を創ることにつながることをただやりたいだけの人だった。

私が世界をどう見ているのか、言語化された感動と納得感がとにかくすごかった。

過去に感じたモヤモヤや、うれしかったこと、楽しかったこと、努力してもできなかったこと、それらが全てつながっていく、その理由が説明できる。
これまでの出来事のパズルが組み合わさって、一つの大きな絵ができあがるような感覚だった。

さらに詳細に言語化したWorld Veiwには、 “セレンディピティ”、“ブレイクスルー”、“アイデア”、“プロセス”、“本質”といったフレーズが出てくる。これらは私の口から出てきたフレーズだ。だからこそ、言葉のニュアンスが自分のイメージや感覚とフィットしており、“私らしい”と心から思える。


石動さん曰く、“才能”とは、特にエネルギーを使わなくても自然とやってしまっていること。

World Veiwは自分がすでにやってしまっている行動から導き出される。
つまり、World Veiwが分かるということは、自分の才能が分かるということだ。ちなみに、World Veiw以外のことはポンコツなので(涙)、ポンコツな部分を強化するために時間を割くことはとても効率が悪いことが分かる。

私は自分の才能・望む未来が明確になり、納得感をもって「自分を信じること」ができるようになった。


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自分の名前で生きていく


自分の家族に対する勝手な責任感が外れたこと、自分の人生軸が明確になったことで、私は個人事業主として一歩を踏み出した。

「誰もが心が躍動するような未来を選びとれるプロセスを作って提供していきたい」そんな想いがどんどん膨らんでいる。

そして、これは私がずっとやってきたことだから、これからもぶれずにやり続けられる自信がある。

似たような未来を描いている人とたくさんつながって、想いを分かち合って、想定を超えるような未来につながるプロセスを共に創っていけたら、この上なく幸せだと思う。



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