KANAME Academyとは何か(3/5)
前回のインタビューではKANAME Academyの講座概要についてお話を聞いてきました。今回はKANAME Academyの講座内容について詳しく聞いていきます。
5. KANAME Academyの講座内容
5-1. 「自分の存在を証明するKANAMEになれ」とは何か
岡山:KANAME Academyでは「自分の存在を証明するKANAMEになれ」と標榜していますが、どのような意味が込められていますか。
黒澤:KANAME Academyに来る人は来ていることを大っぴらにしない、静かで真面目な、内に秘めている人が多く、まさに講座を体現している言葉であると思っています。
竹内:私はこの言葉はすごくいいなと感じています。KANAMEと私共は表現していますが、社会においても企業においても、人生においても既にKANAMEになっている人達は世の中に大勢います。
しかし本当の意味でそれができている人は、皆さん、奥ゆかしいのですよ(笑)。彼らは目立つことをしない。彼らは目立つことに重きを置いていないのですね。
純粋に自分の想いと人の想いの両方を大切にしながら、粛々と必要な行動をとり続けています。でも、彼らは目立たないのです。ひっそりとやっています。
私はできれば、そういった本当にKANAMEとなっている人こそ、社会の模範・見本になってほしいなと思うのです。そうなることで、KANAMEとなる人達が増えていくのだと思います。
もちろん無理に目立とうという意図を持つ必要はないのですが、もう少し表に出ても良いかなと思っています。そういった意味で、このキャッチフレーズには、私が最も表現したいと思っていたことが表現されています。
かつては固く伝わり過ぎることを懸念し、もっと柔らかい表現を使っていましたが。
5-2. Stage1「自分の真本音と素質を見つける」
岡山:Stage1では何を重視しているのでしょうか。
竹内:Stage1は3つの講義から構成されていますが、最も基本的なことをしっかりじっくりお伝えしています。私からのフィードバックなどの体験を通じて、真本音に基づいて生きていくことや素質を認識することができるようになります。ただし、Stage1の3カ月では学習したことと日常生活の間にはまだギャップがある状態です。
5-2-1. Stage1-1「真本音度合いを高める」
岡山:Stage1-1「真本音度合いを高める」はどのような講義ですか。
竹内:初日は知識レベルの講義を受けていただきます。真本音と反応本音の違いを理解していただき、このような生き方をすると苦しい、あるいはこのような生き方だと元気になるという区別の話をまずは頭で理解していただきます。また、「24問のセッション」を通じて人生理念を出すのをお手伝いし、真本音の感覚を初めて体感していただきます。
5-2-2. Stage1-2「良い対人関係を作る基本を学ぶ」
岡山:Stage1-2「良い対人関係を作る基本を学ぶ」はどのような講義ですか。
竹内:2回目の講義では自分だけが真本音度合いを高めるのではなく、周囲の人の真本音度合いも高めることができるコミュニケーション法を教えています。
それは「レベル3コミュニケーション」と名づけているのですが、常に自分の意識を相手に(もしくは、外に)向け続けることを基本とするコミュニケーション法です。このコミュニケーション法を体得することが、KANAMEとしての自分を一気に成長させていく基礎となります。
黒澤:これは私の体験談ですが、レベル3コミュニケーションによって本当に実りのあるコミュニケーションができるようになり、その人ともっと話したいな、あるいはもっと一緒にいたいなと思うようになります。
レベル3コミュニケーションを知る前は、世の中で必要とされるコミュニケーションは流暢なプレゼンのようにどう伝えて相手を動かすかというものだと思っていました。しかし、レベル3コミュニケーションを知ることで無意識コミュニケーションが重要であると感じました。
竹内:レベル3コミュニケーションと真本音度合いは両輪であると考えています。真本音度合いが高まれば高まるほど、レベル3コミュニケーションがやりやすくなります。
それと共に、自分自身の空気感があたたかくなり、自分の心にゆとりが出て、物事がよく見えるようになります。しかも直観力も増しますので、本当に必要な一言を相手に伝えられるようになります。
すると逆に、自分がこれまでどれだけ余分な一言を言い、それで人間関係を残念なものにしていたか、ということも分かるようになります。
真本音度合いを高めながらレベル3コミュニケーションを行うことで「人生が変わりました!」と、喜びの声をいただくことは多いです。最も基本的で、かつ、ある意味最も本質的なインパクトのある部分です。レベル3コミュニケーションを習得してから講座は始まります。
5-2-3. Stage1-3「自分の素質とその伸ばし方を知る」
岡山:Stage1-3「自分の素質とその伸ばし方を知る」はどのような講義ですか。
竹内:1回目の講義では人生理念を見つけて、2回目の講義では対人関係を勉強していただきましたが、3回目の講義では受講者の方の素質に焦点を当てていきます。素質が伸びるのを阻害しているのが反応本音による心の動かし方のクセです。
例えば、どうしても他人に迎合してしまって自分の意見を言わない、というクセを持った人がいます。真本音度合いを高めようとすると、そういったクセが「本当にしたい行動」を阻害します。その結果、真本音度合いが高まりにくくなります。
この3回目の講義では、反応本音のクセのパターンを大きく4つに分けてご紹介し、受講生さん達が自らのクセを認識していただいた上で、そのクセの治し方をお伝えしています。
ただし、クセの治し方の基本とは「クセを治そうとしないこと」なんです。治そうと思って治るものではないです。なぜなら、クセの多くは「自己防衛」から来ているからです。治そうと思って治るなら、皆さんすぐ治せるはずです。
「ではどうすれば良いか」ということをお伝えしています。そして、反応本音のクセの治し方を知っていただいた上で、次に「素質の伸ばし方」をお伝えします。そのために、お一人おひとりの素質が何かを、私からフィードバックするというセッションがあります。
この講義の前に予め、KANAME Personalというサーベイを皆さんには受けていただきますので、そのレポートに基づいて皆さんの「素質」をド直球でフィードバックします。黒澤はどうやらKANAME Academyの授業の中ではこの時間が一番好きみたいです(笑)。
岡山:私も合わない人がいる時に「あるべき系」で相手を問い詰めてしまい、自分の存在を証明しようとする自己防衛が発生することがありました。KANAME Academyを通じて、自分の本質や個性は反応本音の裏返しとは全く違うところにあると感じました。
5-3. Stage2 「自分の素質を研ぎ澄ます」
岡山:Stage2では何を重視しているのでしょうか。
竹内:Stage2は3つの講義で構成されていますが、学習したことと日常生活の間のギャップを埋めていくことを重視しています。受講生一人ひとりの状況に応じて柔軟に講座内容を変更しています。
この3カ月では自分で自分の答えを見つけられるような状態にしていきます。受講生に応じたスキルをお渡ししますが、スキルは松葉杖のような道具ですから、いずれ必要なくなります。また、日常生活の中で余分なものを手放していくことで研ぎ澄まされるでしょう。
一方で、基本に基づいて1日を過ごすと、反応本音のクセがこれまで以上に出てくる人が多いです。それらに一つ一つ丁寧に対応することで、一気に真本音度合いを高めていきます。
反応本音が出た時にどう自分の反応本音と和解するかという対応方法なども一人ひとりにお伝えしています。
5-3-1. Stage2-1「素質の阻害要因を超える」
岡山:Stage2-1「素質の阻害要因を超える」はどのような講義ですか。
竹内:4回目の講義では真本音を阻害するエンティティと呼ばれるものを取り除くUOM法を長い時間をかけてお伝えします。エンティティとはストレスの濃度が高まり、まるでウィルスのように実体化したものです。
つまりエンティティとは念の塊のようなものです。人は多かれ少なかれ必ずエンティティを持っていますが、多くのエンティティを持った人と関わると、それを受けてしまうことがあります。
するとエンティティが強烈なストレスになります。わけもなく苛立ったり悲しくなったり絶望感が出たり、・・・要するに心が非常に不安定になります。
その状態で日々を頑張っている人達は実は、一般企業で働いていらっしゃる方々には極めて多く、エンティティへの対処法を知っておくことで、場合によってはそれだけで、職場の雰囲気が根本的に変わることすらあるくらいです。
4回目の講義では、自らの真本音を活用しながら、エンティティを一人で一気に洗い流す方法(UOM法)をお伝えし、練習していただきます。UOM法を毎日続けると、極めてスッキリした日々を送ることができます。もちろん真本音度合いも高まります。
5-3-2. Stage2-2「1日の密度を一気に高める」
岡山:Stage2-2「1日の密度を一気に高める」はどのような講義ですか。
竹内:5回目の講義では1日の調和性を高める方法をお伝えしています。
例えば、「時間との調和性」「物との調和性」「場との調和性」「人との調和性」など、つまり「自分以外の存在」との調和性をどのように高めるかを、具体的方法として学んでいただきます。
「真本音で生きる」ということを、実際に日常生活の中でどのように行えば良いのかを知っていただけるので、ここで一気に「真本音と日常」の繋がりが深まります。
「真本音で生きる」ことの「醍醐味と真髄がわかりました!」という喜びのお声もいただける内容です。ちなみに、ここでお伝えする方法を実践することで、私の場合は大袈裟でなく、仕事の生産性が10倍以上に高まりました。
5-3-3. Stage2-3「直感型自問自答法を学ぶ」
岡山:Stage2-3「直感型自問自答法を学ぶ」はどのような講義ですか。
竹内:6回目の講義では「自分の真本音と自己対話をする」という意味でのセルフコーチング手法をお伝えします。最近は「セルフコーチング」という言葉が随分と広まりましたが、ここでお伝えする方法は一般的なセルフコーチングとは随分異なると思います。
初めての人には少し分かりづらい話になりますが、意識には「次元」というものがあります。セルフコーチングと言っても、ある一定以上の高い次元の「真の答え」を導き出さなければ「意味がない」と私は考えています。
次元が高まれば高まるほど、「他者との繋がり度合い」が高まります。高い次元での「自分の望む答え」はすなわち「他者も幸せにできる答え」であります。
一方で、低い次元での答えをいくら導き出しても、結局その答えは「独りよがり」な答えです。「独りよがり」な答えでは、悪い意味での自己満足しか生み出せません。
そのためここでは、自分自身の「真の答え」を日常生活のあらゆる瞬間に「お手軽に」自分の中から発掘できるようになるための具体的なやり方と練習法をお伝えします。
概念→やり方&練習法→実践&体験→検証&フィードバック→次の概念→・・・というサイクルを大切にしています。
次回の第4話は、引き続きKANAME Academyの講座内容について詳しく説明します。