缶入り肝油の思い出。
幼稚園の頃、夏休みに入る前に丸い缶に入った肝油の販売申し込みがあってたみたいで。
肝油。。。わたしの記憶では、浅田飴みたいな缶の中に蛇腹状の円形に広がるグラシン紙の蓋を広げると
中に黄色い、周りにザラザラのお砂糖がまぶされたゼリー(浅田飴の大きさ?)マーブルチョコレートみたいな形状と大きさの固いゼリーで
小さな子の栄養補給?今でいうサプリメントみたいなもの。
調べたら、魚の肝臓からとった油でビタミンAやビタミンDの栄養補助食品らしいです。
当時それが幾らしたか?なんて全然わからないんだけど我が家は、父の交通事故で急激に貧乏になってて肝油なんて買ってもらえる経済状況ではありませんでした。
夏休みになる前、幼稚園の帰りの会の時に。先生が名前を呼んで一人ずつに肝油の缶が手渡されてて、みんな嬉しそうに席に戻るとその缶を大事にカバンにしまうの。
わたしも名前を呼ばれて肝油を貰えるんだ!ってとっても楽しみで。
なかなか名前が呼ばれなくて、最後の最後に先生に呼ばれて。先生が肝油の缶を渡してくれて、わたしは本当にうれしくて大事に黄色いカバンに入れて持って帰りました。わたしも肝油もらえたよー!
でも母はすごく怒ってて。肝油と、多分先生からの手紙を見て
「あんたが物欲しそうにして見よったっちゃろーが!!」って怒鳴られて。
肝油なんか注文していないのに!と激怒。
わたしに渡しました、って多分先生からの手紙があったのだと思います
みんなが貰える肝油だったわけじゃなくて、たぶんわたしだけが注文してなくて
でもわたしが嬉しそうに自分が貰えるのを待ってたから、その姿を見て先生が不憫に思い在庫の肝油を最後に渡してくれたのだと思います。
優しい先生のおかげでわたしは憧れの缶入り肝油を手にし食べることが出来ました。
水屋(食器棚)の一番上の小さい引き戸の中に、肝油の缶が入っていて1日1個しか食べられないの。
わたしには手が届かない場所なんだけど、
母が昼寝をしてる時に姉がこっそり取ってくれて二人でつまみ食いをしました。
1粒を噛んで食べるのは勿体なくて。舌の上でザラザラのお砂糖が無くなって
ツルツルの固いゼリーが出てきて、それが小さくなるまでずっと舌の上で味わって舐めていました。
時々鏡の前で、舌を出してみて、キラキラしたゼリーがどのくらい小さくなったかを確かめながら舐めました。
思い出の肝油なのに
どんな味だったか? 残念なことに食べたことは覚えてるのに味のことは
忘れてしまった・・黄色かったので檸檬か蜜柑の味だったのかな?
また食べたいです
ムスメにも食べてもらいたい
薬局で見たような気もするんだけど
今ではもう何缶でも買えちゃうのにね
あの時の優しかった幼稚園の先生の名前も忘れてしまいました
その節はありがとうございます。
母にすごく怒られたけど、とっても嬉しかった。
肝心のどんな味だったのか・・まったく覚えてないけど思い出の肝油。