【2-1217】市井の神事
今日私は、山本能楽堂へ行った。来年共演する橋本浩明さんが出演する極東退屈道場さんの公演を観るためだ。
これまで、大槻能楽堂や生玉神社の薪能には行ったことがあったのだけれど、山本能楽堂は初めてだった。通りを一本入ったところ、街並みの途中にある。外から見てもあまりそれとはわからないのだけれど、建物の中に靴を脱いで入って、廊下を通って、戸をくぐると、私は息をのんだ。美しい能舞台がそこにあったからだ。
ほんの数分前まで身を置いていた大阪の街とのギャップで、身体が浮くような感じがした。そして、それに「あぁ、この感じええなぁ」と思った。日常のすぐそばで、日常と全く違う空間が存在するということ。そこに足を踏み入れた人の時間が日常からゆるやかに非日常に変わっていく。さっきまで触れていた日常の手触りが、その非日常からの波動に絡め取られていくような感覚。私が演劇が好きな理由が、まさしくそれなのではないか、などと考える。
作品の中で「神様」のことが語られるのだけれど、能舞台で神様の話をするのも、とても相応しくていいなと思った。場の力と作品の力との両方を浴びて、パワースポットで気を入れてもらったかのような感覚になった。
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これからも表現活動、創作活動に勤しんでまいります。
要🍬
小飴