【2-1031】大仰な季節
今日で10月が終わる。さて、いよいよ大仰な季節になる、と思う。
大仰というのは何について言っているかというと、あらゆることについてだ。例えば、そろそろ人々は服の上に分厚い防寒着をまとうようになる。私の赤いコートはとても可愛いのだけれど、街中に厚着の人が溢れるのを見て、大仰なと思う。
それから、例えば、クリスマスや年末というものを意識しだすと「この機会を大切にしなければ」と思い始めるこの感じも大仰だなあと思う。10月が終わったら「あと二ヶ月で今年も終わりか」みたいに今年を惜しむような、そういう常套句みたいなものも。
別に嫌なわけじゃない。だけれど、なんだかアンティークショップに並ぶ家具を見ているような気持ちになる。これまで沢山の人がそうやって幸せを感じて、幸せを見つけようとして、過ごしてきたんだろうなという想像をする。その想像に自分の姿を入れ込むことも思いの外簡単だ。
その想像が私にとっては「大仰な」なのだ。そういう大仰さに飲み込まれずに日々を過ごしたい。そんなへそ曲がりな私。あと二週間もすれば、大仰なムードに染まり、冬を楽しむに決まっているのに。私はまだ秋であってほしいのかもしれないと思う。
いや、そうやって秋を惜しんでいる時点で、私はすでに大仰な状態なのかもしれない。
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これからも表現活動、創作活動に勤しんでまいります。
要🍬
小飴