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すららネットの3Q決算のファンダメンタル的解析
お疲れ様です。
カネメです。
すららネットの3Q決算が出ましたね。個人的にはすごくいい決算だったんですが、残念ながら株価としては下方向の反応となってしまいました。
かく言う私は2Q決算前からすららネットを保有し、徐々に利確していき5500円で現物100株を残してすららネットのPF割合は減らしていました。
理由は以下の通りです。
①2Q決算の売上と利益増に起因すると考えていた学校向け教材「すららドリル」の単価がかなり低いことが判明し、その結果想像よりも売上成長率が低かった
②BtoCマーケットの伸びが見られたものの、個人向けはコロナの落ち着きに伴い、3Q以降の伸びの鈍化を想像した
③株価9000円になるインパクトは正直無かった
こんなところです。9000円に到達したのは驚きでしかなかったし、それは散々ツイートしましたがやはり実態のない期待が積み重なったモノだったのか、NASDAQの大幅な下げに伴い株価は急落。一時5500円にタッチする動きとなってしまいました。
25日線も下回り、大きなしこりを残す形となってしまい、テクニカル的には非常に入りにくい雰囲気になりました・・・
さて、そんな中迎えた3Q決算の結果を私なりに解説します。
上記が四半期単独の決算の推移です。
過去の推移に比べ売上げ高が急上昇しています。ちなみに下記のように一応直前に予想ツイートはしていましたが・・売上げは私の予想430百万に対し466百万、営利予想は134百万に対し205百万と両者とも上回ってきました。
需要ないと思いますがすららネット3Q決算の個人予想を書いておきますね。
— カナメ (@kaname300) October 30, 2020
3Q決算予想
売上430百万
営利134百万
上方修正の有無・・70%
売上予想→据え置きor1600百万
営利予想→400〜450百万
肝となる要素・・
BtoCマーケットの売上の伸び
ところで肝となる要素としていたBtoCマーケット伸びは正直とても悪かったです。ほとんど伸びていなかった。ただし、原価がほとんどかからないBtoBマーケット向きの「すららドリル」が一気にID数を増やしたことで、単価が安いとはいえ数の威力で売上げが一気に伸びたこと、それと原価が安い関係で営業利益が想像以上に伸びたことが挙げられますね。
※余談ですが上記画像はバフェットコード様から引用させてもらっていますが、純利益率が実際のものより小さく出ており、結果ROEが小さくなっている気がするのですが・・。実際の純利益率は30%になってます。ここに関して何か間違いがあればどなたか教えてください。
①目標株価の考え方→スタンダードにEPSから考えてみる
目標株価算出の手法に、EPSの推移とPERの推移から設定株価を決める方法があります。
EPSとは1株当たり当期純利益のことであり、純粋に1株がいくらの利益を稼ぐことができたのか?というものです。
例えば上記はかぶたんプレミアムで見ることの出来るすららネットの1株当たり当期純利益なのですが、すららネットを単元株100株保有していた場合、一株あたり3Qでは22.3円稼げたことになりますので、22.3x100=2230円の利益を出せたことになります。
すららネットは現在5880円なので、100株で55万8000円です。55万8000円の株が、3ヶ月で2230円を稼いでるよ〜、ということです。
つまり仮に同じ純利益が1年分続くとしたら、2230円x4四半期=8920円ということです。では、あなたの投資した55万8000円分の利益を取り戻すには何年かかるのか・・?という考えで558000÷8920=62となります
この数値が投資家で知らない人はいないであろう、あの有名なPERという指標になります。
次に、PERによる目標株価算出の考え方ですが、過去のPERを参照するという方法を私は使っています。
上記が、すららネットの月次チャートです。下にあるのが、これまたかぶたんプレミアムで見ることの出来る「ヒストリカルPER」つまりPERの推移なのですが、コロナによる世界株安の影響で、すららネットは513円まで売り込まれました。この時のPERが57だったことが分かります。
また、一時9350円まで暴騰した9月は、PERが233になっていることが分かります。
一つの手法ではありますが、すららネットは売り込まれてもPERは50程度で下げ止まる可能性があり、また、300を超えてくると高値警戒の売りが入る可能性がある・・と考えることが出来ます。
先ほどすららネットのPERを558000÷8920=62としましたが、これは、3Qの数値を1年分に変換したPERの計算の仕方になります。
しかし、実際には3Qよりも純利益の小さい1Qや2Qの影響が加味されて、今期のPERは120になるのです。
しかし、すららネットのような、月次契約のサブスクリプション型ビジネスモデルは、解約が発生しない限り次期も売上げが同じとなるため、ある程度営業利益や純利益の見立てを立てることが出来ます。
すららネットで言うと、今期通期予想でPERを計算すると120、今回の3Q決算でPERを計算すると60と、大きく数値に違いが出てきるのが分かると思います。
ここに、さきほどのヒストリカルPERの考え方をマッチさせます。
つまり、すららネットが仮に、今の株価から一切動かず来期を迎えたとすると、おそらくPERは60程度になると考えられます。
そのときに、指標としてのPERを、投資家が「安い」と考えるのか?「高い」と考えるのかを、過去のPER推移から見たとき、50で下げ止まったすららネットの数値を参照すると、今の数値より下に行くには、かなりの悪材料が必要になるのではないか?と考えられるわけです。
すくなくともすららネットは、コロナによる世界株安の影響で売り込まれてPER50まで下落した訳ですが、その後、コロナ対策としての遠隔教育やギガスクール構想などの追い風を一気に受けました。その追い風を受けている現状を加味すると、2020年3月と2020年10月では成長期待のファクターが全く違いますから、高いPERが投資家から享受されてもおかしくない、と私は考えます。
目標株価については、各々で考えるべきなので書くことはしませんが、すくなくとも私が2Q決算を受けて同様の手法で考えた株価よりも、高いところに目標を設定することになったのは間違いありません。今後も決算や、国による予算設定などの情報をしっかりと捉えながら、このあたりの数値は自分の中で修正をかけていくつもりです。
②目標株価の考え方→ROEを計算してみる。
すららネットの自己資本は現在決算短信から、1,177百万ということなので3Qの純利益141百万から予想ROEを計算してみると(141x4)/1144=49%というかなり高い数値になります。
ROEは日本でいうPERのように、特に海外の投資家が意識する指標となっており、20%を超えるとかなりの優良企業と考えられています。そういう点でも、現在は中型株の領域のすららネットですが、今後の成長性によって海外の投資家に人気が出る為の重要な指標を予め予測しておくことで、高ROE企業の先回り投資的な考え方ができますよ、という話です。
(↑前提として、すららネットがサブスクリプション事業の単一セグメントであり、売上げや営利率が基本的に前回を下回る可能性が低いことを前提とした計算なので、特需系の企業で同じ計算をしないようお気を付けください。)
↑こちらのかぶたんプレミアムの3ヶ月決算の実績推移により、予想ROEは簡単に出すことが出来ます。
長くなってしまいましたが、こんな感じで私はすららネットの株価の解読を行い、買いなのか、売りなのかを考えています。
3Q決算により、前日比より株価を下げることになったすららネットですが、私は短期勢や決算を読み解ききれない個人投資家の狼狽売りだと見ており、「材料出尽くし」「決算ゴール」といった簡単な言葉で今回の3Q決算を理解するような安易な真似はしていません。
人それぞれ決算への理解はありますが、私は超絶決算だったと理解しています。2020年〜2021年にかけて、私の大本命株としてのすららネットの立ち位置が復活しました。
是非気になった方は是非、決算短信を読み解いてみてください。
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ちなみに・・何名か購入して下さった方が居ましたので、特典・・というほどではないのですが上記の手法を用いて21年の通期決算を想定する方法を限定で記載します。他の銘柄でも簡単にできるので応用してみて下さい。
次期通期のPERを算出してみる簡単な手法・・・・・
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