Studio Oneの頻出操作10選

DAWを扱う人間であれば、インスピレーションやイメージを実音にする行程でのタイムラグは可能な限り軽減したいと思うだろう。また、試行回数を重ねがちな作曲・編曲作業においても、クリエイティブ以外に費やす時間は少ない方がストレスフリーだ。

そこで今回は、
Studio Oneの時短につながりそうなショートカットや機能
をいくつか紹介しようと思う。

本稿で紹介するいくつかのTipsは、実際に作業する中で不便だと感じる点を「思考停止せずに最適化」してみた結果だ。
つまるところ自分用のメモであるが、Studio Oneを使用する初心者向けに、少しでも参考になればと思う。


1.共有の複製

MIDIイベントを選択し、Dキーを押すと次の小節に複製される。
また、shift+Dで「複製元を編集すると複製先にも反映される」共有の複製にすることもできる。
主要なドラムパターンを修正する場合など、いちいち全削除してまたDキーを連打する必要性がなくなるため、結構な時短になる。例えば、1番のAメロと2番のAメロを共有の複製にしておくと、メロディの修正も楽になる。
共有の複製は右クリックメニューからいつでも解除できる。

2.オートメーションの設定

Studio Oneでオートメーションを書く際は、なんでも対象のパラメータ(フェーダーやつまみなど)をクリックして触れた後、エディット画面左上の手のひらアイコンを対象トラックにドラッグ&ドロップすればよい。億劫なオートメーション設定が超絶簡単になる神機能。Studio One最高。
オートメーションに関する補足として、リアルタイム入力するとノードが細かすぎて後から微調整するのが面倒、というケースが起こるが、これは「設定⇒詳細⇒オートメーション」からリダクションレベルを上げてやると細かさの調整が可能。その分ざっくりとしたカーブになるのでお好みで。

3.ピアノロールでのノートの一括選択

左の鍵盤をCtrl+Alt+クリックすれば音程ごとの一括選択が可能。
過去にSONARを使っていた人間からすると、ピアノロールの鍵盤をクリックorドラッグすることで音程一括選択ができることは当たり前に感じるが、Studio Oneではひと操作必要なうえ、複数音程の一括選択はできない。
Studio One最低。
一応、右クリックメニューから「音を選択」機能を使うと細かい条件で一括選択できるので、不可能というわけではない。

4.選択したノートの移動

矢印キーでも移動できる
上下:半音ずつの移動
shift+上下:オクターブ移動(←主旋律のレイヤー等で結構活用する)
Alt+左右:クオンタイズ値分移動

5.クオンタイズをかける

Qでクオンタイズ値100%ぴったりに
Alt+Qで50%まで補正がかかる。
自分がMIDIを打ち込む際には、リアルタイム入力して50%クオンタイズするのが基本的な流れ。オンタイムのノリが欲しい場合でもQで100%にするのではなく、Alt+Qを連打して50%ずつ微調整することが多い。

6.リアルタイム入力のタイミングのずれを改善する

Studio Oneには、環境によってリアルタイム入力のタイミングがずれる(オンタイムより若干早い)仕様があるっぽい。「設定⇒MIDI」から録音オフセットを20msくらい設定すると違和感が軽減される。
今まで自分のタイム感への信頼度がゼロだったが故に「自分ってなんてリズム感が悪いんだろう」としか思わなかったのだが、パンチインの録音開始地点より早いタイミングで打ち込まれていたのに気づき、いやそれはいくらなんでもおかしいだろう、と。
余談だが、本件について検索しているときに発見したYahoo知恵袋での同内容の質問に対する回答に「ラテンの血が少し入っている(のでハシる)のかもしれませんね。 少なくとも土着の日本人ではない。 演歌を聴き、コブシを学びましょう。」とあり、笑いを誘った。

7.同一エフェクトを複数トラックに挿入する

ミキサー画面でトラックを複数選択し、ブラウザからエフェクトをドラッグ&ドロップすると一括挿入できる。
ブラウザからではなく既にトラックに挿入されているエフェクトをドラッグ&ドロップした場合は、パラメータも含めて一括コピーされる。

8.ミキサー画面の設定を保存する(シーン機能)

フェーダー、パン、挿入エフェクトの設定、オートメーションなどをスナップショットし保存する機能。ミキサー画面の左下のメニューからシーン機能を選択(インストゥルメントタブの下)、呼び出しオプションから保存する項目を選択し、右上の+ボタンをクリック。
単純にミックスを複数パターン作りたい場合に有用な他、試行錯誤段階でA/Bテストする場合、ミキシング作業に入る前と後をそれぞれ保存してどう改善したか聞き比べる用途でも有用。
調べると、オートメーションの保存はver5.5以降のみとのことなので、注意されたし。

9.スクラッチパッドを利用する

シンプルにエディット画面を2分割してくれる機能。複数のスクラッチパッドを使用することも可能。エディット画面の上部メニューからスクラッチパッドを選択する。
使うかわからないBメロやブリッジなどを別途保存できる他、MIDI素材やオーディオ素材のパレットのような使い方もできる。
自分は一旦フレーズをたくさん打ち込んでみて、一番良いものを採用する方法を用いることが多いため、没フレーズのストックエリアとして重宝している。

10.アレンジトラックを利用する

曲の構成パートごとにグループ化できる機能。エディット画面の上部(オートメーションの表示等がある場所)からアレンジトラックを呼び出せる。
大抵の音楽ジャンルでは「ABサビブリッジサビ」や「ABA'ソロABA'」のように、一定のパートに基づいた構成があり、その順番を入れ替えたい、パートそのものを没にしたい、といった試行錯誤の機会は多々あるだろう。
アレンジトラックで一括選択し、先ほどのスクラッチパッドと組み合わせれば、試行錯誤に対するハードルが大きく軽減されるので非常に有用。

おわりに

ごく当たり前な項目ばかりだと感じた方も多いかもしれないが、案外知らなければそのまま、といったケースがあるのではないだろうか。
オーディオ編集やブラウザ画面のTipsもまとめる予定だったが、10項目でキリが良いので一旦ここまでとした。





 


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