10月15日は「きのこの日」
はじめまして、今日からよろしくお願いします。
そう挨拶した新人のヒラタケマイちゃんは、大学を卒業したばかりで社会人として働くのは、はじめてだそうです。
そんなマイちゃんには一つ変わったところがありました。それは頭にキノコが生えているところです。
「ねぇ、マイちゃん頭にきのこが生えているよ?」と聞いたところ、
「もう、先輩からかわないでくださいよ」と笑って答えます。
本当にきのこ生えているのにな。気が付いてないのかな?
仕方ないので、一緒にお手洗いに行き鏡を見ました。
「ほら、マイちゃん頭にきのこ生えてるよ」
「まだ先輩言うんですか。きのこなんて生えてるわけないじゃないですか」
笑いながら鏡をみたマイちゃんは「先輩冗談言ってないで、仕事教えてくださいよ」と先にお手洗いから出てしまいました。
もしかしたら、マイちゃんにはあのきのこは見えていないのではないかしら? そんなことを考えるようになりました。仕事に集中しようとしても、マイちゃんのきのこのことを考えると止まりません。
マイちゃんはもうあのきのこに操られてしまっているのでは!
わたしは一つの結論に達しました。それなら一刻も早くマイちゃんを救わなくてはなりません。
午後からマイちゃんは自分の席で一人お仕事中です。
後ろからマイちゃんに気付けれないようにそっと近づきました。そして、えいやっときのこをマイちゃんの頭から収穫しました。
マイちゃんこれできのこの支配からはおさらばだよ!
そう思ったのですが、マイちゃんはきのこが収穫された瞬間から電池が切れたようにバタッと机に突っ伏すように気を失ってしまいました。慌ててわたしはマイちゃんを起こそうとしましたが、いくら呼んでも体をゆすってもマイちゃんは気が付きません。
焦ったわたしは手に持っていたきのこをとりあえず元の場所、すなわちマイちゃんの頭にもう一度差しました。
すると、マイちゃんは何事もなかったかのように起き上がり仕事を始めたのです。
それ以来マイちゃんの頭のきのこには色々な意味で触れないでいます。
10月15日は「きのこの日」
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