10月26日は「きしめんの日」
台所の目の前は、モザイクみたいに見える窓だ。この窓の正式な名前をなんていうのか知らないけど、とにかく外のアパートの廊下を通る人が皆モザイクみたいに見える。隣に住むシーサーさんもモザイクの窓越しに見ると、シーサーさんか、そうではないか判断が難しい。
そんな窓を珍しく開けて料理をしていた。決して小生の料理の腕前を見よ! これが小生のおしゃべりクッキングなり! と言うわけではなく、換気扇が故障してしまったからだ。青い羽の換気扇は芥川龍之介の蜘蛛の糸より細い紐を引っ張るとスイッチが入るタイプだったが、昨日の夜勢いよく引っ張ったら、蜘蛛の糸が切れてしまい、地獄に真っ逆さま、違う。紐が切れてしまい換気扇がつかなくなったからだ。
外を見ながら料理をするというのも変な感じだ。別に誰かに見られていても構わないが、料理の腕前を見られている気もして、普段より緊張したのは事実だ。今日はそばでも作ろうと思い、先につゆを作っていた。
そこになんと、ふらふらと疲れた一反木綿が窓から入ってきた。窓から入ってきた一反木綿は部屋をふらふらと一周し(一反木綿は妖怪です)そのまままた窓から出て行こうとした時、疲れがピークに達したのかちょうどつゆの鍋に落っこちた。そうしてそばは、きしめんになった。
10月26日は「きしめんの日」