5月10日は「コットンの日」
「ねぇ、昨日の夢のはなししていい?」
「いやいや、きついよ夢のはなしは。他人に夢のはなしほど、どうでもいいことないもん」
そういっても90パーセント以上の方々は、いかに自分がおもしろい夢を見たのかを聞かせたいらしく、無視して夢の話をする。私はそれを夢のハラスメント通称「ユメハラ」と名付けている。今日も同僚からのユメハラが始まったのだった。
「聞いてよー超おもしろいんだから」
その自信はいったいどこから来るのかが不明だ。お前のたとえおもしろかったのとしても、夢のはなしを聞いて私は何を得て、どんなリアクションをすればいいのか分からない。
「もう、休憩時間終わるから行くよ」
「ねーちょっとでいいから聞いてよ、もう考えただけでウケる」
席を先に立つ私のあとを追いながら、ついにユメハラが始まったのだった。
「竹原ピストルっているでしょー、歌手の、そのひとが改名してね、
竹原コットンになったのよ。それでね……」
ピストルからコットン。平和主義になったのかしら。
5月10日は「コットンの日」