9月3日は「グミの日」
「主食がグミみたいな女だった」
「え?」
「だ・か・らー主食がグミみたいな女だったって言ってんだろー」
主食がグミみたいな女についての会話がこれから行われるわけだが、正直言ってどうでもいい会話なので、お時間に余裕がある方のみ読むことをお勧めする。
「なんか、タンパク質が足りない顔してたよ。あと俺の嫌いなビニール傘持ってたよ。それも汚ねーやつ。もう最悪だよ。ありゃ、ハリボーのくそ硬いグミを毎食食ってるような女だよ」
「そりゃちょっと偏見がすぎるんじゃないかい? それにビニール傘だって、君が勝手に嫌いなだけだろ? グミと関係ないじゃん。それに確認したわけじゃないんだろ? 毎日グミ食べてるかをさ」
僕の話を聞いているのかいないのか、ファミレスの外を見ながら、今日はロバ来ないのかな? なんてことを言っている。
「お前知ってる? このファミレスにロバ来るんだぜ。それも人が散歩させてる感じじゃなくて、自分で勝手に歩いてくるんだよ。エサあげたいよなー」
僕もそのウワサは大学で聞いたことがあった。
「ロバのエサって何か知ってる?」僕は尋ねた。
天井を見ながら案外真面目に考えているな。
「うーん、草じゃね」
「ぶぶー。正解は、ハリボーのグミでした」
「んなわけあるかよ。そしたら昨日のグミ女と気が合うな。そういえばあの女もロバに似てた気がしてきたな」
そういって一人で笑っていた。グミだけじゃ栄養のバランスが悪いとか、ロバはきっと草食だから優しいとか、彼なりの持論を展開しつつ、僕は話の途中でも平気でドリンクバーに行き、ハリボーのグミみたいな色のジュースをひたすらに飲んだ。
身体に良いとは思わないが、それくらいしか飲むものがなかった。
9月3日は「グミの日」