9月13日は「世界法の日」
世界政府の樹立は困難を極めたが、この日無事に樹立された。そしてすぐに世界政府より『世界法』が公布された。
その内容は各国の言葉に翻訳され各国の代理政府に伝達された。日本語でその内容を読んだ日本代理政府は愕然とした。
「臨時ニュースをお伝えします。ただいま世界政府より日本代理政府宛てに『世界法』が伝達されました。『世界法』の詳細な内容について、様々な憶測が飛び交い、どのような内容となっているのか国民の高い関心を呼んでいましたが、日本代理政府としては内容の精査に時間を要するとして、当分の間は詳細な内容の発表は控えるとコメントがありました」
その後も、数週間、数か月経過しても『世界法』の具体的な内容は発表されなかった。しかし、国内では目立った大きな混乱はなく今まで通り人々は他人に興味がないように毎日仕事をして、何一つ変わらない日々を過ごしていた。
それから一年もすると『世界法』のことすら忘れて、メディアでも取り上げられることがなくなり、国民はその存在を忘れた。
世界政府から伝達された『世界法』は……
何も書かれていなかった。白紙だったのだ。
なので日本代理政府は国民に発表のしようがなかったのだ。何も書かれていないから。『世界法』など存在しない。
では、それを知ってあなたは何に従い生きる?
9月13日は「世界法の日」