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6月26日は「雷記念日」
夜中に降り続く雨で、なかなか眠れない。
バタバタとものすごい雨の音。そして雷のゴロゴロという音が聞こえる。
でも、お家の中のしかも一番安全なお布団の中で、僕は頭から毛布をかぶっているから安心。世界一安心だ。
この家に雷は落ちることはあるだろうか? 0ではないな。もしかしたら運が悪ければ落ちるだろう。でも、毛布にくるまった僕は強気だ。
そんな滅多に落ちるもんじゃない。
ゴロゴロ、ゴロゴロ、ドーーン!
あーごめんなさい。少しだけ弱気になった。
家のものすごく近くに雷が落ちた。その瞬間、僕は毛布の中でさらに縮こまり神様に祈った。
あぁ、どうかこの家に雷が落ちませんように……。
朝になり目が覚めた。体を縮めて寝ていたせいかあちこちが痛かった。
カーテンを開け窓に付いた無数の水滴は朝日でキラキラしていた。世の中のキラキラ度は、昨日よりだいぶアップしたようだ。
家から歩いてすぐのところに公園がある。そこには小さいけれど林のような場所があり、植物もたくさんある。なにより公園の中央に池がある。
たくさんの水を浴びた木や花を見たいなと思い、一人で静かに家を出て公園に向かった。家族はみんなまだ寝ていた。
公園は予想通り、そこらじゅうキラキラと輝いていて、植物独特の匂いが充満していた。
そのキラキラさは勝手に見たら怒られたママの宝石たちと遜色ないなと思い。それをママに言うとまた怒られそうなので、黙っておく。
知らない名前の葉っぱの先に、こぼれ落ちそうな一粒の水滴があった。
そのこぼれ落ちそうな水滴を、僕は右手の人差し指で受け取った。
ぷっくりとしたその一粒は、思ったよりも冷たかったけどすぐに僕の体温になった。
落っことさなように一粒を大事に歩いていると、芝生のゾーンの一か所から黒い煙が上がっていた。火事? と思ったけど炎は見えない。
遠くから少し観察し、少しずつ少しずつ近づいて行った。
歩くたびに、濡れた芝生の水滴が僕の足に付く。
穴だ。
芝生に穴があいていた。大きさはマンホールより少し大きいくらいでそこから煙が出ている。
もしかして……昨日雷が落ちたのはここなのかな?
そう思い、思い切って穴を覗くと
「え、もう朝なん?」と急に声がした。
僕は驚いて尻餅をついた。芝生の水滴が僕のおしりに付いた。
「えらいこっちゃ」また穴から聞こえる。
そして「よっこいしょ」と言いながら穴から出てきたのは……*(&*^)*&()_(*^&$%
昨日お布団の中で、毛布に潜り込みながら懐中電灯で照らして書いたお話は、いいところで文字ミミズみたいになっていて読めなかった。
ちょうどこの時に雷が鳴って、驚いてそのまま書くのをやめてしまったんだった。
続きを早く書きたいなと思いながら、朝日に輝く水滴が下にすーっと垂れている窓を見ていた。
6月26日は「雷記念日」