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7月18日は「光化学スモッグの日」

日本光化学スモッグ対策協会は、全国に30の支部があり北は北海道、南は沖縄まで日本列島を広くカバーしていた。

主な仕事はその名の通り、光化学スモッグへの対策である。光化学スモッグの発生をいち早くキャッチして、各都道府県に連絡。その後、各市町村へと情報が伝達される。

特に近年では児童の光化学スモッグの被害が増えているため、私立の学校では独自に民間の光化学スモッグ調査会社と契約して、最新の情報をいち早く手に入れようとしている。

ではなぜそれほどまでに学校は光化学スモッグに神経質になったのか?

遡ること3年前。

某県のとある小学校では昼休みの時間、たくさんの子供たちが校庭で遊んでいた。賑やかな声、いつもと何も変わらない昼休みのはずだった。
ここで一つ付け加えておこう。3年前はまだ今ほど光化学スモッグの発生をいち早く学校が知ることは難しかった。そもそも光化学スモッグの発生をキャッチする専門の機関も存在していなかった。

突然校庭の直上に現れたのは、もやもやとした細かい砂の塊のようなもので、それはあっという間に大きな黒い雲のようになった。その時間たるやわずか十数秒で、異変に気が付いた子供は少なかった。

そして悲劇は起こる。

12時52分突如として発生した超大型光化学スモッグは、過去の観測史上最大の大きさと言われており、瞬く間に直下にいた子供たちを飲み込んでいった。その時はじめて異変が起きていると気が付いた子供たちは校舎に避難、数人だが校庭にいた教員が先頭に立って誘導を行った。

その時、校庭にいた子供はのちにこう語っている。

「一瞬にして真っ暗になった。ぼくたちの学校だけが夜になったみたいだった」と。

過去最悪の光化学スモッグの被害となった。

この災害(この被害が発生するまで公式には光化学スモッグの被害者は存在しておらず、この一件から災害と認定される)から国は日本光化学スモッグ対策協会を設立、全国に観測所を設け日夜観測を行っている。

なお、光化学スモッグに飲み込まれた子供たちはいまだに行方不明である。

7月18日は「光化学スモッグの日」

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