7月14日は「ペリー上陸記念日」#400字小説
上陸したらしいという噂はあっという間に広まった。
「黒い船で来たそうだ」
「何黒い船? そりゃ珍しいな。大きいのか?」
「あぁ随分と大きいらしい」
そんな話題で人々は持ち切りだった。
「なんでも黒い船には、ペリーというやつが乗っていたそうだぞ」
「なに? ペリー? 聞いたことがない。いったいどこから来たやつなんだ?」
「なんでもはるか遠くからわざわざ来たって話だ。それにペリーはものすごく体が大きいそうだ」
「うわー恐ろしい。そんな奴が来たとなると大変だな」
噂は人伝えに変化していった。
「聞いたかい? 先週来たっていうペリーっていうやつは体がとてつもなく大きくて、人を食べる化け物だそうだ」
「本当か? 恐ろしい。そんなやつが来たらもうおしまいじゃないか」
地球に異星人の乗った真っ黒な戦闘艦隊が到着したのは21××年だった。宇宙人の司令官の名前はペリーと言って、体は人間の3倍ほどあり、鼻が異様に長かった。
その後、地球はやむなく宇宙との貿易を開始した。
7月14日は「ペリー上陸記念日」
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