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inagakijunya
7月7日は「冷やし中華の日」#400字小説
商店街を歩いていると、よくある街の中華屋さんが目に入った。店の名前は「来々軒」黄色い暖簾に赤で文字が書かれており、店の入り口も暖簾も、だいぶくたびれていた。
すりガラスの入り口には、張り紙がはってある。
「冷やし中華はじめません。店主」
少し遠くから見ていたから見間違いかと思い、店に近づいてよく見る。
やはり
「冷やし中華はじめません。店主」
と書いてある。
どうしたんだ店主。
いった冷やし中華との間に何があったんだ。
恐らく張り紙をするということは、以前は冷やし中華を提供していた可能性が高い。しかし、何かしらの問題が起こり提供をやめた。
「冷やし中華なぜ出さないんですか?」
「冷やし中華はいつからですか?」
そんな客からの質問を入店前にさえぎるための
「冷やし中華はじめません。店主」
店主の確固たる決意を感じる7月7日である。
7月7日は「冷やし中華の日」