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5月23日は「世界亀の日」

「あなたに助けていただいた亀です。その節は大変お世話になりました」

という一言を亀から言われるのをずっと待っているのだが、なかなか声をかけてくる亀がいない。そもそも私は亀を助けたことがあっただろうか。思い返してみると、いじめられている亀を見たこともない。こんな時代、生き物を棒で叩いたり、足で蹴ったりしたらそれは犯罪だ。私が止める前に警察が止める。まさか、亀は警察に行って感謝の言葉を伝え、例の場所へと案内したのだろうか。

「もしもし、あなたに助けていただいてはいませんが、亀です」

驚く。どちら様ですか? というよりどちらの亀ですか? 状態だ。助けてもいないのに知らない人ならまだしも、知らない亀から電話がくるとは。まさかこれは今巷で流行っている「カメカメ詐欺」か。
「あ、もしもしカメカメ。実はさ大切な会社の海藻を置き忘れてきちゃって、今すぐお金が必要なんだけど用意できる?」的なあれだ。ははーん、騙されないぞと誓う。

「覚えていますか……? あの時の……亀です……」

なんだろう、このあの時の亀感は。知らないのに、知っているふりをしたくなるこの心の奥がほわーっとなる感じ。知らないよ全然知らないのに、なんだろうこの感じ。甘酸っぱい青春の感じだ。木の陰に隠れた亀がそっと見ている感じだ。木の陰に亀が隠れられるのかは知らないが懐かしい。二十年近くぶりの再会に感動するはずだけど、でもやっぱりどう考えても知らない亀です。

私の人生には、亀との関りはどうやらないようです。皆さんも知らない亀から声をかけられても、ホイホイとついていかないように注意してください。

5月23日は「世界亀の日」



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