頬をなでる風に空腹と春を知る。
日々追われ、行き先まで早く辿り着かなければとあくせく歩く道すがら。
ふと風の柔らかさに気づき、春を知る。
いつかどこかで聴いた流行りの曲の「頬をなでる風」という歌詞を思い出し、「ああ、この風のことか」と腹にストンと落ちたと同時に、自分の腹も減っていた。
もうすぐ駅沿いの水路には、白い花びらがひらりはらりとおちてゆく。なんとも言えぬ美しい景色が見られるのだろうな、とふわっと桜並木の情景を空に浮かべつつ。
目下気がかりなことはこれからの所用。
「早くを済ませて
美味しいご飯をおなかいっぱい食べにいこう」
そう思ったら足取りが軽くなっていた。
背後にいる「春の気配」を知る今まさにこの季節、いちばん気持ちのそぞろうとき。
春はすぐそこ。あともう少し。
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