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Chocolate Tasting の基本動作

ご無沙汰しています。コロナの影響で、いつもより時間があるかと思いきやいつもより忙しく過ごしています。前回の記事読んでいただきましたか?

SLOW &FAST 実験、試してくださった方はどれくらいいるでしょうか?もしかしたら以前バレンタインフェアでMartin Christy の講座に参加してくださった方がいらっしゃったら、「ああ、あれね!」という感じで読み流しされているかもしれませんし、やったことがなくても「わかるわかる」と言ってやらなかった方もいらっしゃると思うのです。

ですけど、もし本当にちゃんとテースティング手法を学びたいなら、軽く受け流さずにくそ真面目と言われるくらいにやってしまう行動力が大切です。愚直にできる人が強いのです。あちこちで私自身発言していますが、私は特別な味覚や嗅覚を持ち合わせていないどころか、もともと味覚なんて音痴なんじゃないかと思います。子供のころから化学調味料もたっぷりとつかったお菓子や食事も沢山とっていますし、味覚も嗅覚も鈍感なほうだと思っています。それでも「数稽古」することで「経験」=「記憶」=「知識」となって自分の中に積みあがっていくものを感じるのは、毎日のようにコツコツとテースティングをするからだと思います。その際に自分の感覚をチェックして「体感」として理解するのに、先ほどの話に出てきた「SLOW& FAST実験」はとっても役に立つと思います。まだやっていない方はぜいタイムウォッチとにらめっこしながらやってみてくださいね。

詳しいチョコレートの話に入るまでにチョコのテースティングの基本動作を早く教えてよーー!って思っている方が多いのではないかな?と思うので、今日はテースティング方法についてお話しますね。

■数種類(3~4種類)のチョコレートを準備する

審査チョコ①

チョコレートのテースティングをする際、1種類でももちろん問題ないのですが、なかなか最初はその特徴を的確にとらえることが難しいです。そのため比較対象があると違いがわかりやすく、多すぎると今度は情報が多すぎて混乱しどれがどれで、どう違うのかわからなくなってしまう。。そのためちょうどよいのは3、4種類で食べ比べすることです。1回のテースティングは3、4種類でやってみましょう。この記事で、準備しましょうといったチョコレートサンプルは3種類。もし用意できそうならぜひ用意して読み進めてみてください。

■同じ手順で淡々とテースティングしていく

テースティングをする際は同じチェック項目を意識しながら、チェック項目を追うようにします。聞いたことがあるかもしれませんが五感でのチェックです。

①視覚 <色・ツヤなど表面の状態の確認>

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同じパーセンテージであったとしてもイメージの中でチョコの色って「チョコ色」「茶色」と漠然と考えていますよね。実際に比べてみるとチョコレートの色は様々です。明るい茶色、赤っぽい色、黒っぽい色。その色によってもかなりの情報が手に入ります。それから表面のツヤ。油脂が浮き出るファットブルームや砂糖が浮き出るシュガーブルームなどで白っぽく変色していないか?など状態の確認でチョコレートのコンディションをチェックします。

②香りを鼻で嗅ぐ。

ほとんどの味覚に関する香りは、口に入れた後の、口の奥から鼻腔へと抜けていく香りでチェックしますが、まずは鼻で香りをかぎます。動物の鼻に嗅覚が備わっているのは生物として体にとりこんでよいものかどうか?を判断するためです。好ましい香りがするのか、食べたらだめなんじゃないか?というような香りがしていないか?チェックです。市販されているチョコレートは厳しい検査をされた上質なものがほとんどでしょうから、よっぽどのことがない限り「食べてはいけない」というアラームが鳴るほどひどいものに出会うことは少ないとは思いますが、、、、鼻からはほとんど香りがしないもの、鼻でかおっても、かぐわしい香りが強く立ち上るような、、もともとのアロマのボリュームがかなり大きいものまで様々あることにこのプロセスで感じることができます。また副素材でバニラビーンズが入っていたりするとそういうチョコ以外の香りもここでキャッチすることができると思います。アロマはその複雑性だけでなく「ボリューム」の大きさも評価基準。ここでは、大きなディフェクト(欠点)の有無や、ボリュームなどのチェックをしています。そうそう、たまにルー大柴さんみたいに横文字使いますが、チョコレートテースティングでよく使う英単語を覚えてもらうべく盛り込んでいきますね。

③口に入れてサンプルチョコレートを味わう

香りを確かめた後、チョコレートを口の中へ。厚みによっては、少し前歯で噛み、溶かしやすい小ささにします。ちなみに五感の音は、この口に入れる際にチョコを小さく割る時、もしくは、分厚くて割れないときには、歯で小さく噛みとる時の音が心地よく硬質な音がするかを聞いています。ただし、気温が高い場合(例えば室温が25度以上ある場合)はチョコレートはある程度柔らかくなっているので硬質な音はしなくなっています。室温とチョコの中の油脂の状態で音は変ります。

そして、口の中で溶かしていくとき確認していることがいくつかあります。A溶け方・・・液体のようにするする溶けるのか粘度が高く溶けるのに時間がかかりゆっくり溶けるのか、粒子が荒くザラザラとした砂の川のようになるのか、、、などなど油脂のバランスと、粒度、不純物が混ざっていないかを感じ取っています。

B味・・・いわゆる五味のバランス 五味と食感、、、言えますか?

甘味・鹹味(塩辛み)・酸味・苦味・旨味です。特に酸や甘は、どなたでも感じやすいでしょう。この五味+渋味(口腔食感)を感じています。他に食感としては辛味もありますが、辛い原材料が入っていない場合はあまり発動しないと思われます。

C香り・・・今度は口腔から鼻腔へと空気を送り感じとることができる香りを確かめます。このBとCの組み合わせを様々な食べ物に例えています。先ほどの②の鼻から香りを嗅ぐことをワインの世界では「たち香」(オルソンーザル)と呼び、この口から鼻腔へ送る香りを「あと香」(レトロネーザル)と読んだりしますが、感じられるものがずいぶんと違います。こちらのレトロネーザルで感じられる香りのほうが各段に沢山の香りをキャッチすることがチョコレートの場合できると思います。それはチョコレートが固形であり、香りの物質が固形の油脂の中に溶けていて揮発している香りがわずかだからです。また口の中の体温で温められ唾液と混ざり全く予想もつかなかったような香りが立ち上ってくるのを感じることもあるでしょう。そんな香りを深呼吸を何度かしながら確かめる作業になります。

この味と香りのペアリングで何かを喚起するためには、普段からその食材についてよく味わってその時の身体感覚がどのようになっているか記憶しておく必要があります。

一番下に私が使っているシートを添付しておくのでぜひチェックしてみてくださいね。

D余韻・・・口の中からチョコレートが消えた後の余韻を確認します。Aにも通じますが、さらさらっと溶けて、フィニッシュもすっときれいに消えていくものもあれば、チョコレートの香りがいつまでも鼻腔内に残り余韻の名がいものや、渋みの感覚がじーんと長く口の中をしびれさせるように続くもの、、、などなど。

ここまでの動作を一連の動作として行い、次のサンプルに移るときには、個の余韻が消えた後、お水を飲んだり、パレートクレンザー(舌を洗う)として、パンを食べたり、おかゆを食べたりするとなおよいです。普段楽しみのために行うテースティングであればそこまで神経質にならなくてもよいと思いますがお水は常温か、ぬるめの人肌程度の御白湯がよく、キンキンに冷えたお水は向いていません。口の中の温度が変化してしまうからです。

■5つの味を探そう

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チョコレートは1つのキーになる主な香気成分があるわけではなく複数の香気成分が存在しているため多様な味わいであると言われています。その数数百種類というのですからそれらの組み合わせを考えれば天文学的な数字なのではないでしょうか?そんな香りと、味わいの組み合わせから私たちは共通する風味を感じる食材をイメージして表現します。もしイメージできなければ、最初は、「尖った酸味が強い」とかそれぞれの感覚の度合いを書くだけでもいいと思います。

私自身はあまり細かい表現は意識してしないようにしています。アウトプットするときにあまり細かすぎると、それを聞く人たちの共感を得る事ができないことが多いと思うのでなるべく共通して感じられそうなことだけ話すようにしています。

チョコレートのテースティングをして初めての方からよく聞く言葉は、「違うのはわかったけれど、どう表現していいかわからない」という言葉です。ですので、味わいを見つけるゲームをしている気分でやれたらいいかな?と思っています。5個見つかれば上等です。香りの複雑性のあるサンプルならたくさんの香りが見つかりますし、シンプルな香りのものだと2つくらいしか感じないというものもあるかもしれません。

大まかには酸味と甘みで酸味が強く感じるフルーティーゾーン。

酸味と甘みで甘みを強く感じるダークスイートゾーン。

ハーブやスパイスなど草花系の香りを感じるハーバルゾーン。

樹木や土、ナッツ類大地に茂る青草など大地を感じる風味ベジタルゾーン。

こんな感じの風味のジャンルで、風味がどんなふうに分布しているか感じ取っていきます。

比較的多く検出する香りの代表を下記にあげてみますね。

柑橘類(レモンなど)

ラズベリー

トロピカルフルーツ(パッションフルーツなど)

バナナ

チェリー

レーズン

プルーン

蜂蜜

ワイン

ビネガー(バルサミコ酢など)

黒糖

ラム

コーヒー

乳製品(クリーム・ミルク)

ココナッツ

アーモンド

ヘーゼルナッツ

オリーブ

シナモン

ジャスミン

木の香り

土の香り

干し草

この辺りはよく感じられる香りだと思うのでそれらの香り自体もチェックしてみてください。そしてあまり好ましくない香りには、

「焦げ臭」や、「生臭いニオイ」「皮のようなにおい」「薬品系のニオイ」

などがあります。そういうものに当たらないのがいいですが、、、中にはそんな風味が混じっていることもあります。

学びが深まるにつれて、その味の理由と味を紐づけていけるのですが、今日はここまで。まずはテースティング方法を上記のようにして、テースティングを行ってみてください。たくさんの種類を試さなくていいです。今回あげている3つのサンプルの味わいの違いや特徴が理解できるまで、何度も同じサンプルで行うということおすすめです。

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Tomoe Saveur

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