これでもいいのだ

これでもいいのだ

ジェーン・スー


・誰かが不当に不利益を被るわけではない限り、選択肢は多く用意されていた方がいいに決まってる。幸せの形は、多様なのだから。


・母親さえいれば、という考えは、父親には子供を育てられない、という決めつけを内包している。知らぬ間に植え付けられた社会規範の、なんと手ごわいことよ。


・会社員時代の私は、頑張りが評価されないことに、いつも不満を抱いていた。しかし、自営業者になってから見えてきたのは、「努力は労いには値するが、結果を伴わない限り、評価には値しない」という厳しい現実。


・「男ってさ」「女ってさ」と、まるで男女が生まれながらにして持つ性質と思われがちなことのほとんどが、性別ではなく役割に起因するってこと。男だったらこうは言わない、女だったらこんなことはしない、は単なるまやかしだ。性別と役割の結びつきが強固な社会だから、そう思ってしまうだけ。現実には、役割と権力の違いが、発言や行動に傾向を生む。そこに男女の差はない。


・志の輔さんから、「伝える」の先には「引き込む」があることを教わったように思う。


・私の言う「理想の〇〇」の理想って、とことん自分に都合のいいってこと。自分のことしか考えていない。だから、「理想の〇〇」の〇〇に、決して生き物を当てはめてはならぬと心に決めた。彼氏とか、上司とか、親とか、ペットとか。「理想の〇〇」を語るとき、私は相手のことなんて、なにひとつ考えていない。あなたはどうですか?


・訳もなくみじめで不機嫌なときは、大人だってびっくりして傷付いている。でも、大人はびっくりしたくらいじゃ傷付かないものとされているから、不機嫌になるしかない。大人にだって、子供のしっぽは残っている。誰かに安心させてほしくなるときだって、背中をさすってほしくなるときだってあるのだ。



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