餃子物語 / 夫と私とギョザリング
餃子、焼いてますか?
お料理の中で一番好きなものが餃子、というくらい餃子を愛してやまないのですが、ここ最近餃子がめっきり食べれなくなってきた。
餃子を愛し、餃子を食べ続け、そして食べれなくなるまでの約2ヶ月の日々をお伝えしようと思う。
2ヶ月前、夫が突然、餃子を作り始めた。
どうやら、わたしのためらしい。
今まで、接客業だったため、餃子が好きなのに、餃子を食べると臭いだろうという理由で食べることを却下され続けていた。(わたしは関係なく食べたかった)
それでも我慢しきれず、隠れ餃子(こそこそ食べる)や、気のせい餃子(食べてないよってフリをする)や、巻き込み餃子(君も食べたいだろ、ほら、と誘う)を行うことで禁断症状がでるまではいかなかったにせよ、焼き立ての餃子をお腹いっぱい食べたい!という夢は叶わず。
ずっと1人で「餃子食べたい、餃子、餃子食べたいし、いいね!したい、餃子にいいね!したい、餃子に100億万回いいね!して食べたい・・・」などと戯言を言っていた。
そしたらとうとう、「僕たちも無職になるしね。」と、意味のわからない理由をつけて、夫がとうとう餃子を作る気持ちになってくれた。
最高だ。
ちなみに夫はお料理自体全くの素人で、そもそも餃子というものがどんな材料でできていてどうやって仕上がるか知らない。
下手したら酢醤油などの存在もおぼろげだろう。
餃子の皮を間違えずに買えるだろうか・・・?というところから始まった。
一応レシピを見ながら、肉や野菜をまぜ、たどたどしい手つきで餃子の餡を皮に包む夫。
愛おしい。。。
餃子も、餃子を作る夫も愛おしい。
ワクワクしながら待つこと1時間以上。(だいぶかかった)
焼けた!
爆裂・・・・・!
爆発した何かが皿に乗っていた。
この写真を見て友人は「喧嘩でもして、床に食べ物叩きつけてそのあと乗せたのかと思った」と言い放った。
これは爆発でもなく、叩きつけられたものでもなく、れっきとした「餃子(のようなもの)」だ。
餃子味の、何かだ!
包まれてはいないけど!
味は餃子!
美味しい!
酢醤油とかないし、ご飯も他のおかずもないし、というか、ご飯の代わりと言って納豆を出されたけど、なんか違う気がして断ったし、要するに餃子らしきものだけだけど、素晴らしい夕食だ。
何よりも、私が大好きな食べ物を夫が作ってくれたこと、それが爆発した餃子らしき何か、であっても、美味しくて、楽しくて、面白くて笑い転げて、最高な時間を提供してくれた。
初めての餃子作りは、そんなふうに笑いながら始まった。
そしてここから夫は餃子作りにハマった。
美味しくて、きれいに焼いた餃子を作りたい!
水餃子でもスープでもなく、焼き餃子だ!
「爆発した餃子らしき何か」しかできなかったことに、半分納得がいかなかった夫は、焚き付けられるように餃子にのめり込むことになる。
その後夫は、文字通り餃子を作り続けることになり、、、恐怖の餃子月間を過ごすことになるとは・・・・
この頃はまだ、知る由もなかった。
私たちはただ、笑い合って、幸せに、餃子らしきものを酢醤油なしで食べている、ただそれだけの平凡な日常だったのだ。
(多分、続く)