好きな椅子のことをただ話そう
20年間、ずっと憧れている椅子はcassinaのSUPERLEGGERA。
イタリアモダン建築の先駆者、ジオ・ポンティの代表作。
その名の通り、小指一つで引っ掛けて持ち上げられるという超軽量な本体。
細くて白くてアッシュ材のフレームに、藤の座面を編み込んで作られている、全体的にほっそりとした、無駄のない、美しい佇まいだ。
一見、なんの変哲も無いデザインに見えるかもしれないが、これ以上ないくらい洗練されたデザインが好きなのだ。
(高くて買えない)
私は、小さい頃から「家が古くさくて全然可愛くない田舎の家で嫌すぎた」から、自然と「インテリア」や「建築」の世界に憧れがあった。
そんな流れで岐阜高専建築学科に入ったものの、材料力学や構造力学や積算なんかの授業はチンプンカンプン。
研究室で先生と話しながらSDとかインテリア系雑誌を読むのが至福の時であった。
そんな中で一番好きだった時間は「椅子の写真を眺めること」。
建築よりインテリアに興味があり、その中でも椅子がすごく好きだった。
「椅子が好き」という概念は、椅子好きの人以外にはイマイチぴんとこないかもしれない。
ただ、家具の中でもテーブル好きとか、棚好き、という人はかなり少ないと思うけど、椅子好きはインテリア好きの中でもマジョリティ層であるから、不思議ではないのだけど。
椅子は、しばしば女性の美しさに例えられる。
すらりとした細い脚に、なまめかしい曲線を描くボディ、軽くていつでもどこでも連れて歩きたくなるような、すべすべとした肌の椅子が私は好きだ。
前提として華奢な椅子が好きだ。
折れてしまいそうな繊細さを見せながら、実際はしなやかで芯のある、簡単には壊れない椅子。
憧れすらある。
人によっては、ずっしりと安定感があり優しく抱きしめてくれるような椅子が好きな人もいるだろう。
ファッショナブルで軽快で、カラフルなかわいい椅子が好きな人もいるかもしれない。
椅子は家具の中でもコレクションしやすいサイズ感、価格帯で、集めている人も結構いたりする。
眺めているだけで楽しいものが、家の中にあるなんて幸せなことだ。
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卒業してインテリアコーディネーター事務所に入り、ショップやハウスメーカーのモデルルームやホテルなどのインテリアのコーディネートや販売を手掛けた。
インテリアショップに出向して店頭で家具を提案することもあった。
その後家具メーカーに就職したりして、約20年のうち半分は家具に携わる仕事をしていたことになる。
椅子熱は学生の頃〜社会人になり数年くらいがピークで徐々に落ち着き、今は全然詳しくもないし、そこまで熱を入れることはないけど、椅子を眺めているのは好きだ。
我が家には、いわゆる椅子好きが一旦通る道である、「アントチェア」と「Yチェア」がある。
フリッツハンセン社、アルネ・ヤコブセンデザインのアントチェア(アリンコチェア)。
アントチェアorセブンチェア デザインか座り心地か論争、
3本足or4本足 足の数論争、
カラーorナチュラル 仕上げの色論争、
正規品orリプロダクト品 本物はどれだ論争
などなど、
「アントチェアはこうあるべきだ」という誰目線かわからない論争が各地で巻き起こっていた。(はず)
これらの論争は、今でいう「椅子沼」の「推し」の良さを熱く語ることであり、当時スタッフ間でもかなり好きな話題だった。
(多分、椅子好きあるあるの話だと思う)
我が家にあるのはこちら。
4本足のカラードアッシュ(ブラック)。
美しい。
そしてもう一つ、カール・ハンセン&サン社、ハンス・J・ウェグナーのデザインした名作、CH24 Yチェア。
こちらも、
ビーチ材orオーク材orウォルナット 素材論争、
ソープフィニッシュorオイルフィニッシュ 仕上げ論争、
カラーorナチュラル 色論争、
などなど、
アントチェアに匹敵する論争が巻き起こっていた。(私の周りでは)
我が家にあるのは、ビーチ材、ソープフィニッシュ。
いわゆる、一番価格が低いので手を出しやすく、かつソープフィニッシュは個人的には一番Yチェアらしい良さがある仕様だと思っている。
(ブラックフレームに憧れたけど高くて買えなかったという裏話もある)
しかしYチェアはこの20年の間に値段が跳ね上がっているね・・・
その頃は6万円代だったのに、すごいな。。。
とても好きな椅子なのに、ネコと暮らし出したら座面(ペーパーコード)をめちゃくちゃ爪とぎしてしまうので、出しておけなくなってしまった。
(ネコのいるおうちでペーパーコードの椅子使ってる方、対策教えて・・・)
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なんの話がしたかったか、、、、
そう、今度家具に関するイベントを企画して、私がモデレーターとして話を突っ込んでいくのでぜひ聴きに来て欲しい。
東京・上野桜木(上野公園の近く)の「岐阜ホール」にて、9月12日の夜開催。
家具について自由気ままに話す会「家具放談」。
家具に携わる方たち3名をゲストにお招きして、「家具っているの?!」という斜に構えたテーマでお送りする予定。
とはいえ、家具好きが4人集まったら話はあっちこっち飛躍すること間違いなしな予感。
詳細と、予約は↑ここからできるので、ぜひ!
みんなで話そう、家具のこと。
noteだけでは書き足りない。
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東京でのイベントをいくつか計画しているのだけど、なんせ毎回岐阜から行くので赤字垂れ流しです。
交通費、宿泊費で最低3万円が毎回飛びます。趣味にしてはそこそこの値段やね。
好きでやっているから仕方ないのだけど、「頑張ってるね」「美味しいもの食べて」「カプセルホテルじゃなくせめてビジネスホテルに泊まれるといいね」と思ってくださる方、ぜひ、、
下記↓↓↓からサポートしてくれると嬉しい・・・。
あと、岐阜でもちゃんとイベントやるでね、まっとってな。